驚異の再生医療 の商品レビュー
文字通り再生医療について。 再生医療というとiPS細胞が思い浮かぶが、この本ではでは培養上清について述べており、とても勉強になった。
Posted by
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
・幹細胞を培養する際の培養液である培養上清が、体内の免疫細胞を調整することで、難病といわれる病に対して有効であることが明らかになっている。 ・この培養上清は、幹細胞ではないことから、他家の細胞から培養したものでも拒絶反応が起こらず、粉末、貼付、点鼻等形態を変えた薬剤にでき得る。また、幹細胞の培養に比して安価であることから、コストの面からも有益であると考えられる。 ・しかし、日本生まれの培養上清を薬剤化するには、オールジャパンで行うことは難しく、海外の研究機関や薬剤メーカーに頼る他ないとのこと。 ・これには日本特有の事情がある。培養上清に含まれる成分が多種多様であり、どの成分がどのようなメカニズムで効果を発揮したのか解明することが困難である状態で、日本国内の薬事承認が得られないこと、薬価を現状以上に増えることを避けたい日本の構造的な事情、が影響している。 ・現職で医療に少し携わる者として、大変興味深く読ませて頂いたと同時に、国内の素晴らしい研究成果を国内で還元できない状況を打破しなければ、優秀な研究者が海外へ流出してしまう危機感を持った。
Posted by
- 1