ニセモノの妻 の商品レビュー
ある日、妻が「私はニセモノかもしれない」と言い始めた。世間では知らぬ間にニセモノの人物が本人と入れ替わる事件が相次いでいた。私はニセモノと言い張る妻とホンモノの妻を探す旅に出る。 三崎亜記の短編集。三崎亜記の本はタイトルだけ見て買ってしまう。前に読んだ本でもSFがかった話だった...
ある日、妻が「私はニセモノかもしれない」と言い始めた。世間では知らぬ間にニセモノの人物が本人と入れ替わる事件が相次いでいた。私はニセモノと言い張る妻とホンモノの妻を探す旅に出る。 三崎亜記の短編集。三崎亜記の本はタイトルだけ見て買ってしまう。前に読んだ本でもSFがかった話だったが、本作は小松左京や筒井康隆の様な「入りの」SF短編。 マンションに住み始めたが、他の部屋には誰もいなさそうだが、ある日突然現れたり、妻がニセモノになる世界になったりと、アイデアと入りは良い。 そう、入りは良いのだ。ただ、途中からどれもこれも微妙な感じになるんだな。SF的な設定だが、その設定の掘り下げがなされないままあるところで元に戻ったり、結局掘り下げられずにふわっと終わったりという作風が続く。せいぜいSF要素のない『坂道』は納得できたものの、結局どうするんだよ?という余韻もなにもなくぼやっと終わってしまうのだ。 前に読んだ作品も、結局何が何だったのかというところを説明せずに日常に戻るが…という話だったので、この人のスタイルなのだろう。 初期の作品群なのかもしれないが、SF読みとしては納得の行かない1冊である。『断層』も終わりはそれでいいのか?
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ファンタジーとはならないけど、ビミョーな何かが起こる世界。これは読む人を選ぶ本かなぁ?と思います。人によって面白いと思ったり違ったり…自分にはちょっと合わないかも?と思いました。
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今回も三崎さん独特の不思議な世界観が満載です。 購入したマンション「ルミナス野分浜」はとても静かで人の気配が全く感じられない 駐車場にはたくさんの車が止まっているが灯りが灯っているのは我が家だけと言うホラー的な要素を含んだ「終の筈の住処」 ホンモノの妻捜しを始める奇妙な物...
今回も三崎さん独特の不思議な世界観が満載です。 購入したマンション「ルミナス野分浜」はとても静かで人の気配が全く感じられない 駐車場にはたくさんの車が止まっているが灯りが灯っているのは我が家だけと言うホラー的な要素を含んだ「終の筈の住処」 ホンモノの妻捜しを始める奇妙な物語の「ニセモノの妻」 「坂」では階段主義者の登場にクスっと笑え、「断層」は少し切ない 4作とも現実には起こりえない物語ですが不思議な世界観を味わいたい方にはオススメの1冊です。
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ファンタジーほどまで飛ばない 日常をズラす三崎ワードの短編集 「終の筈の住処」 「ニセモノの妻」 「坂」「断層」の四篇 「終の〜」実は、これに似たような現象 (同建物内で周辺に一切居住者が居なくなる)に遭遇し、なんだか怖さが強まる。 なにより主人公の職場の先輩の立ち位置が怖か...
ファンタジーほどまで飛ばない 日常をズラす三崎ワードの短編集 「終の筈の住処」 「ニセモノの妻」 「坂」「断層」の四篇 「終の〜」実は、これに似たような現象 (同建物内で周辺に一切居住者が居なくなる)に遭遇し、なんだか怖さが強まる。 なにより主人公の職場の先輩の立ち位置が怖かった。 「静かな戦争」であるマンション建設反対運動が出てくる。 「ニセモノの妻」自分がニセモノなんじゃないかと言い出した妻と本当の妻を探す話。 何がニセモノでホンモノなのか曖昧なところをどう捉えるか? 読み終えて、いつ入れ替わっているのかも分からない自分の妻を観察する。 「坂」坂ブームという三崎作品ぽい 「ないないあるある話」そして夫婦間の戦争…詰め込んできた感がある。 「断層」ある日を境に次元の狭間に囚われ、1日の数分間を何日かに分けて生活する妻と、それを維持するために妻との生活を続ける夫 二人の時間と、夫の時間にだけ流れる深刻さの対比が際立ち、切なくて泣きそうになりました。 「失われた町」で起こる「消失」よりも急ではない分、酷ですね。 夫のつぶやいた言葉が心に残る。 「お好み焼きを作って、余った青のりを磯辺揚げに使って食べる」場面から ぐっと感情移入しました。(よくやる人)
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「もしかして、私、ニセモノなんじゃない?」妻と思ってきた女の衝撃的な一言で始まったホンモノの妻捜し。けれど僕はいったい誰を愛してきたのだろう(「ニセモノの妻」)。ある日、仲睦まじい夫婦の妻だけが時間のひずみに囚われてしまった。共に明日を迎えられない彼女のために夫がとった行動は―(...
「もしかして、私、ニセモノなんじゃない?」妻と思ってきた女の衝撃的な一言で始まったホンモノの妻捜し。けれど僕はいったい誰を愛してきたのだろう(「ニセモノの妻」)。ある日、仲睦まじい夫婦の妻だけが時間のひずみに囚われてしまった。共に明日を迎えられない彼女のために夫がとった行動は―(「断層」)。その他、非日常に巻き込まれた4組の夫婦の、不思議で時に切なく温かな短編集。
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いつも不思議な世界を見せてくれる三崎氏ですが、表題作のような人間そのものが変わってしまう作品はあまり記憶に無い。 断層もややその雰囲気があるし、ちょっと怖くなる一方で切なくもなるので、いつもの作風の方が好みかな。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
テーマが面白いです! ただ、これで終わり?と少し物足りなく感じてしまう気持ちもありました…。 断層が1番面白かったです! 明るいテンポなのに、とても切なくて悲しくなりました…
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表題作のニセモノの妻、がやっぱり一番おもしろかった。姿形も記憶でさえも何もかも同じもう一人の自分、、それってもはやニセモノって言えるんかな?ある日突然自分の妻がニセモノに変わってても私も気づかんやろうなと思う。自己申告がなければ。だって記憶もDNAも同じやから確かめる術がない。そ...
表題作のニセモノの妻、がやっぱり一番おもしろかった。姿形も記憶でさえも何もかも同じもう一人の自分、、それってもはやニセモノって言えるんかな?ある日突然自分の妻がニセモノに変わってても私も気づかんやろうなと思う。自己申告がなければ。だって記憶もDNAも同じやから確かめる術がない。そんなぞっとする状況が描かれてて面白かった。
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あっという間に読み進めていける本。 最後の断層がバカップル丸出しだけど、幸せな夫婦の切ない話。 あり得ない日常だけど、全部の作品が夫婦のあり方を書いていて考えさせられる。 となり町戦争は受け入れられなかったけど、これは面白かった。
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三崎ワールド全開(^ ^; 基本、すべて荒唐無稽な話なので 「SF」に分類はしてみましたが...(^ ^; これはもう「三崎亜紀というジャンル」としか(^ ^; よくもまぁ、こういう変なことを思い付くもんだ(^ ^; いや、思い付くだけならできるかも知れんが、 それを掘り下げ...
三崎ワールド全開(^ ^; 基本、すべて荒唐無稽な話なので 「SF」に分類はしてみましたが...(^ ^; これはもう「三崎亜紀というジャンル」としか(^ ^; よくもまぁ、こういう変なことを思い付くもんだ(^ ^; いや、思い付くだけならできるかも知れんが、 それを掘り下げて突き詰めて異世界を構築して、 その中で破綻なくストーリーを織り上げるのみならず、 うっかりすると「感動させられてしまう」(^ ^; 荒唐無稽なのに(^ ^; 三崎氏の一連の作品は、読まなければ絶対伝わらない。 伝わった人は、あっさりと「三崎菌」に感染し、 次の作品、また次の作品と、追い求めずにはいられない。 ...そういう「危険な作品」です(^ ^;
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