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老いと記憶 の商品レビュー

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11件のお客様レビュー

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2024/05/02

記憶と一口に言ってもいろいろな種類があるが、老化により影響を受けやすい記憶とそうでない記憶があるそう。情報処理に必要なワーキングメモリーは影響を受けやすいとのことなので、徐々に読書スピードが遅くなってきているみたいなのもむべなるかな

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2023/10/13

 加齢による記憶能力の変化に関する知見を中心に解説し、そこにあるネガティブな側面とポジティブな側面の双方に注意を向けることで、人間が歳を重ねることの意味について幅広くアプローチしている。  解説に際しては必要に応じて専門的内容に踏み込むこともあるが、主として論じられるのは誰にとっ...

 加齢による記憶能力の変化に関する知見を中心に解説し、そこにあるネガティブな側面とポジティブな側面の双方に注意を向けることで、人間が歳を重ねることの意味について幅広くアプローチしている。  解説に際しては必要に応じて専門的内容に踏み込むこともあるが、主として論じられるのは誰にとっても他人事ではないところの「老い」との向き合い方、捉え方についてであり、扱われるトピックは最終的に全て現実生活に立脚したテーマへと収束していくように書かれている。  思い込みを含めた「老い」への認識を、より良い方向へと変えてくれるかもしれない一冊。

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2022/03/26

「記憶力が衰えても、人は成長できる、 柔軟に生きるヒントもらいました」という、 中江有里さんの帯に惹かれて買いました。 数年前から、記憶力や集中力が衰え、 年のせいだから仕方ないのかなぁ。。。などと思いつつ、 半分あきらめ気分なのですが それでも、何か参考になり...

「記憶力が衰えても、人は成長できる、 柔軟に生きるヒントもらいました」という、 中江有里さんの帯に惹かれて買いました。 数年前から、記憶力や集中力が衰え、 年のせいだから仕方ないのかなぁ。。。などと思いつつ、 半分あきらめ気分なのですが それでも、何か参考になりそうな本があれば。。。と、 いろいろ読んだりしてます。 この本は、ちょっぴり、私には難しくて、 ???な部分もありましたが、 社会参加が少ない人、孤独感が強い人は認知症になりやすいとか、 適度な運動は大切だとか、色々言われているけれど、 個人差もあるし、 結局は、あまり思い込まず、 前向きに受け入れましょうって事かな?

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2021/06/02

誰にとっても無縁ではない、加齢にともなう記憶の変化を解説している。本書は、年齢とともに衰える記憶とほとんど衰えない記憶に分類することから始まる。複雑な思考や並列的な作業を担う「ワーキングメモリ」や、過去の出来事にあたる「エピソード記憶」は衰えやすく、一方で、先行して提示された情報...

誰にとっても無縁ではない、加齢にともなう記憶の変化を解説している。本書は、年齢とともに衰える記憶とほとんど衰えない記憶に分類することから始まる。複雑な思考や並列的な作業を担う「ワーキングメモリ」や、過去の出来事にあたる「エピソード記憶」は衰えやすく、一方で、先行して提示された情報があとに続く情報の処理に影響する「プライミング」にはあまり衰えが見られないという。 高齢化社会を迎えて、記憶力の低下に備えるための記憶力トレーニング方法がもてはやされて既に久しいが、このような認知訓練の成果に対して、専門家からの否定的な意見が多いことも初めて知った。訓練によって短期記憶の記憶容量が増えるわけではなく、点数アップはそのゲームに対する要領が習得されるだけで、物忘れのような日常生活の問題解決にはつながらないようだ。そのような結果からトレーニングで記憶力低下に備えるよりも、適切な自己評価や、周囲に助けを求めたり、適切な補助ツールを利用するなどによって、記憶機能が低下しても失敗のリスクを減らす行動を勧める。 高齢者の記憶の問題を代表する認知症については、孤独、運動不足、喫煙、偏食などをマイナス要因として挙げながらも、個人でコントロールできる割合は35%程度に過ぎないとする。そのため現在のような行き過ぎた予防への期待が、認知症になった人に責任があるというロジックに結びつく可能性を危険だと指摘する。 終章では、私たちの記憶は意味付けによって驚くほど変化するもので、そもそも正確に情報を記録するためのものではないことを示す。これを証明するように、収入や外見、教育レベルなどの客観的な要素だけでは人間の幸福感の10%しか説明できず、楽観主義、外向性、社会的なつながり、宗教、趣味などといった要素のほうが幸福感に影響しやすいという。そして、高齢者の人生が限られているという認識が、「ポジティビティ・エフェクト」を生起させ、若年者よりも高齢者のほうが幸福を感じやすいそうだ。 加齢と記憶力の低下についての研究成果の紹介にとどまらず、最終的には人生をどのように受容するか、人間にとって何が幸福か、という世代を選ばないテーマにまで到達する、広い視野を備える著書だった。客観的な事実を扱うことを主とする学問の視点から、人間の生においては主観的な捉え方こそが重要であることを導く結果が興味深い。認知が衰えはしても、それが必ずしも人を不幸にするとは限らないという事実は、加齢に対する恐れや不安を多いに和らげるだろう。そして、経験の解釈次第でいわゆる「スペック」とはそれほど関係なくポジティブに生きることは可能だという教えは、多くの人に希望をもたらすのではないか。

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2020/05/14

発達課題と記憶の関係について。感情のコントロールと認知機能についてなど読みどころが多い。 歳をとると「習慣を変えることは困難」なのはワーキングメモリの衰えと関係がある、というあたりの解説が読んでいてちょっと怖くなる。 あと「なぜ知識(意味記憶)は加齢で衰えないのか?」について...

発達課題と記憶の関係について。感情のコントロールと認知機能についてなど読みどころが多い。 歳をとると「習慣を変えることは困難」なのはワーキングメモリの衰えと関係がある、というあたりの解説が読んでいてちょっと怖くなる。 あと「なぜ知識(意味記憶)は加齢で衰えないのか?」について。科学としては「衰えはない」のだろうけど、自身の知識がアップデートされないまま、いつまでも「正しい」と信じ込んでしまい、より正しく世界を捉えるための努力も変化もしないと、それも社会的には「衰え」だよな、と考えるとちょっと怖くなる。 「なぜ脳トレが認知症の発見を遅らせるのか」あたりの認知予備力と可塑性などについて。脳トレが日常生活での記憶維持に影響がない理由の解説が詳しい。あと「推論の訓練」と「ポケモンGO」の可能性についても。

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2020/02/22

●→引用 ●そして記憶の衰えをマネジメントするうえでも、SOC理論を当てはめることができます。1.覚えておくこと必要がある重要なことは記憶するのではなく(選択)、2.メモや手帳などの記憶補助ツールによって正確に記録し(最適化)3.記憶力の低下を補い、物忘れに対処する(補償)。 ...

●→引用 ●そして記憶の衰えをマネジメントするうえでも、SOC理論を当てはめることができます。1.覚えておくこと必要がある重要なことは記憶するのではなく(選択)、2.メモや手帳などの記憶補助ツールによって正確に記録し(最適化)3.記憶力の低下を補い、物忘れに対処する(補償)。 ●スターン博士は、加齢や認知機能の低下の個人差を説明する概念として、「認知の予備力」を提唱しました。「認知の予備力」とは、機能低下の個人差を説明する概念で、情報処理に必要な能力をどれだ蓄えているか、低下した機能を適切な方略によって代償することが可能か、といった個々人が有する認知機能の質や量を意味します。予備力が高いほど、加齢にともなう脳機能の低下に起因する認知機能の低下が小さく、前述の修道女のように、アルツハイマー病を罹患したとしても認知障害が発見しにくいと考えられています。これを裏づけるように、認知機能と教育歴との関連性を検討した疫学研究は、教育水準が低いと、加齢にともなう認知機能の低下が大きいことを報告しています。 ●日々の生活の中で私たちは、状況や環境に応じて、要求されている課題や実行したい行動の難易度を評価し、遂行可能かどうかを適切に判断することが求められています。たとえば高齢期の車の運転がそうです。言い換えると、自信の能力を把握せずに、課題を遂行することは、失敗や事故につながるリスクを高めます。反対に記憶能力が低下していたとしても、適切な自己評価ができれば、周囲に助けを求めたり、適切な補助ツール(メモやリマインダなど)を利用することによって、失敗」のリスクを減らせます。 ●この結果を踏まえると、私たちの人生の評価は、人生全体の良い経験や悪い経験の総量で決まるのではなく、人生の最も良い時期」あるいは悪い時期(ピーク)に加えて、特に高齢期の経験(エンド)の影響を強く受けることを示唆しています。 ●キレる高齢者が増えた理由は、三つあると考えられます。一つは、高齢者のうちキレる人の割合は以前と同じでも高齢者人口が増えたため、結果的にキレる人が増加したこと。もう一つは、昔より寿命が延び、認知症になる方も増加したため、前頭側頭型認知症のように感情のコントロールが難しい方が増加したこと。最後は、独居の増加、年金などの経済的な不安、長寿による健康不安といった高齢者を取り巻く環境が以前と比べて厳しくなったため、不安からキレていくことが想定できます。これら三つの理由は、高齢自信がコントロールできるものではありまえん。 ●SSTでは、人は残された人生の時間が限られていると認識すると、感情を調整することに動機づけられるとしています。そして、多くの喪失を経験するストレスフルな時期があっても、高齢者がポジティブな気分を維持し幸福感が高いのは、高齢者が感情的に価値があることや、感情的な満足感を重視し、それらを得るために認知的あるいは社会的資源を投資するからだと説明しています。 ●高齢期の記憶を含むいくつかの認知機能は加齢とともに低下しますが、そのこと自体が高齢者の幸福感や精神的健康に悪影響を及ぼすのではありません。むしろ、加齢とともに物事の良いところに目が向き、記憶し、そして思い出すこと、加えてこのような情報処理の質的な変化が高齢者の感情のコントロールに良い影響を及ぼすことついて述べました。 ●また、高齢者の多くが望むピンピンコロリという死に方は難しいものです。寿命と健康寿命の差が約10年はあるのですから、その健康ではない10年間をどう悔いなく過ごすかが、人生の受容を考えるうえだ、とても重要となるのです。

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2019/08/29

4/10 NHK「ひるまえほっと」中江有里さん推薦! 重要なのは記憶の正確さや量ではなく、柔軟さ。 『カゲロボ』『わたしが看護師だったころ』も。

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2019/06/12

 高齢者が引き起こす痛ましい自動車事故のニュースが増えてきた。超高齢社会に入ったわが国には未曾有の事態が出来することは避けられない。自分の家族や、自分自身にも老化の様々な弊害が感じられるようになった今、何ができるのだろうか。本書を手に取ったのもそんな心理からであった。  加齢によ...

 高齢者が引き起こす痛ましい自動車事故のニュースが増えてきた。超高齢社会に入ったわが国には未曾有の事態が出来することは避けられない。自分の家族や、自分自身にも老化の様々な弊害が感じられるようになった今、何ができるのだろうか。本書を手に取ったのもそんな心理からであった。  加齢によって認知症が発生することはどうにも避けられないらしい。発症の要因は様々挙げられているものの、その決定的な予防策はないようだ。いわゆる脳トレと呼ばれる一連の活動やそれにともなう商品も科学的に見ると気休めの範囲になるとのことだ。手の施しようがないのである。  それでも本書では脳の機能にも加齢によって衰えない部位があることや、認知症になりにくい行動条件があることを紹介する。また、いくつになっても継続的に何かを行えば必ず上達が見込めることや、高齢者はポジティブな考え方をしやすいという常識とは異なる見解も紹介されていて参考になる。  老いとどう付き合っていくか、忘れることをどう容認していくのか、これは多くの人にとって重要なテーマになるはずだ。

Posted byブクログ

2019/06/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

たとえば、鍵を置いた場所を忘れるのは、置いた場所を忘れているのではなく置いた時に意識をしていないから。なるほど! 齢をとればとるほど、無意識の行動が増えている気がする。経験や知識でわかっているからいちいち考えずに動く。もう少し色々意識をもって行動しよう!と思う。納得ができる面白い本だった。 勘違いなのか、作り話なのか、間違ったことを言ってる姑たち高齢の人が、記憶を都合よく自分のストーリーに塗り替えてしまうのは、あるある!なんだと理解できたことで、まぁいっかと許容できるようになったかも。

Posted byブクログ

2019/03/11

高齢社会にあって、変化する認知機能とどう向き合うか。加齢をネガティブにばかり捉えず、正しい知識で向き合うための一冊。

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