1,800円以上の注文で送料無料

承久の乱 の商品レビュー

3.9

36件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

    8

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/10/15

傑作。皆それぞれの立場があって、命をかけてそれを全うしていたんだろうなと想像して号泣した。当時も人が死んだらちゃんと悲しい。

Posted byブクログ

2023/05/20

日本史の大きな転換点となった承久の乱を、前後の史実で浮かび上がらせる書。院政、鎌倉幕府の成立から対立、乱の実態、その後の変化と、読みどころが多い。 それにしても、『鎌倉殿』ロスが続いている、、、

Posted byブクログ

2023/02/19

朝廷と武士との関係に変化を与えた、承久の乱。 それに至るまでの経過を、平安時代の院政の始まりと 武士が台頭から、乱後の情勢まで、粛々と説明してゆく。 序章 中世の幕開き 第一章 後鳥羽の朝廷  第二章 実朝の幕府 第三章 乱への道程   第四章 承久の乱勃発 第五章 大乱決着  ...

朝廷と武士との関係に変化を与えた、承久の乱。 それに至るまでの経過を、平安時代の院政の始まりと 武士が台頭から、乱後の情勢まで、粛々と説明してゆく。 序章 中世の幕開き 第一章 後鳥羽の朝廷  第二章 実朝の幕府 第三章 乱への道程   第四章 承久の乱勃発 第五章 大乱決着    第六章 乱後の世界 終章 帝王たちと承久の乱 国名地図、主要参考文献、関係略年表有り。 文中に適宜、略系図、地図等有り。 承久の乱へ至るまでとその後の情勢と歴史の変遷について、 史料を駆使し、学者や作家の様々な説を考察し、 或いは引用しながら、時代の流れを簡潔に語り、 特に節目にあたる和田合戦のような事件や 政治にも関わる和歌等の事項は、詳細に記述されている。 最初に朝廷。 院政の始まりから権力が絡む対立と武士の台頭。 平氏と源頼朝の動向に関わる後白河法皇。 正統の王とは何かを模索する後鳥羽の、マルチな才能と院政。 次いで鎌倉幕府の将軍、源実朝。 和歌での後鳥羽との繋がりと統治者としての姿。 朝幕協調の平和は、後鳥羽の支援と実朝の将軍親裁の強化。 後鳥羽の子を将軍にして後見する実朝の幕府内院政の夢は、 後鳥羽の日本の帝王への夢とも繋がる・・・はずだったのが、 実朝暗殺により空しく散る。更に大内裏の焼失。 大内裏再建への造内裏役への大抵抗への嵐。 幕府をコントロール出来ないことへの後鳥羽の憤り。 そして承久の乱。 後鳥羽の布石、万全の戦略ではあれど、未来予想図は予測不可。 後鳥羽ワンマンチーム対チーム鎌倉の戦いの状況と決着、 戦後処理とその後までは、かなり詳細に綴られている。 結果、公武の関係が劇的に変わり、武士の世と成る。 本郷和人氏の「承久の乱」は分かり易く簡潔な印象でしたが、 坂井氏は、より詳細で重厚な専門書の印象。 承久の乱とその後について詳しく知りたかった自分としては、 大いに欲求を満たされた内容の本でした。

Posted byブクログ

2023/01/28

後鳥羽上皇は、多芸を嗜んだバランス感覚のある人物であったんだろうなあと勝手に想像しています。 世が世でなかったら、色々な方面で功績を残せたんだろうに。 でも、どこの時代でもこういう人はたくさんいるんでしょうね。

Posted byブクログ

2022/12/24

「大河ドラマ」のお供にと思って買ったが、結局放送が終わってからの読了(笑) 今までは頼朝による平家打倒によって武士の世が到来したと思っていたが、「真の武者の世の到来」は承久の乱を待たねばならなかったという事がよく理解できた。 平家物語でも暗躍する後白河院に比べて地味な印象の後...

「大河ドラマ」のお供にと思って買ったが、結局放送が終わってからの読了(笑) 今までは頼朝による平家打倒によって武士の世が到来したと思っていたが、「真の武者の世の到来」は承久の乱を待たねばならなかったという事がよく理解できた。 平家物語でも暗躍する後白河院に比べて地味な印象の後鳥羽院は、承久の乱の敗者である事と、「新古今和歌集」の撰者である事くらいしか知らなかったが、本書によりその印象はかなり変わった。これは実朝にも言える事だが。 いずれにしても、承久の乱の影響は計り知れなく大きく、幕末の大政奉還までおよそ600年ほどの武者の世が続くことになる。 この乱の結末が変わっていたらとか、実朝が横死しなければとか、いろんなifを考えてみたくなった。

Posted byブクログ

2022/12/17

通史としての鎌倉時代が分かりやすく述べられている。中心となるのは後鳥羽院だが、その存在感は特段の強さがある。勿論承久の乱に敗れ、隠岐への流罪となるが、本来主人公となるべき北条氏の誰よりも個性的に見える。

Posted byブクログ

2022/11/03

源実朝は朝廷への崇敬が篤かった人物とされる。 「山は裂け 海は浅せなむ 世なりとも 君にふた心 わがあらめやも」 この実朝の和歌は君(後鳥羽上皇)への忠誠を詠っている。このため、戦前には愛国百人一首に選ばれるなど皇国史観・軍国主義に利用された。 「君が代も 我が代も尽きじ 石川...

源実朝は朝廷への崇敬が篤かった人物とされる。 「山は裂け 海は浅せなむ 世なりとも 君にふた心 わがあらめやも」 この実朝の和歌は君(後鳥羽上皇)への忠誠を詠っている。このため、戦前には愛国百人一首に選ばれるなど皇国史観・軍国主義に利用された。 「君が代も 我が代も尽きじ 石川や 瀬見の小川の 絶えじとおもへば」 これも実朝の和歌である。これは君が代(後鳥羽上皇の治世)も我が代(自分の治世)も終わることがないと詠っている。上皇と自分を一体化させることで自分の治世を強化させようとする大胆な和歌である。実朝は皇室に一方的に忠誠心をささげるような忠君愛国の勤皇家ではなく、自分の権力のために朝廷を利用する強かな為政者であった。御恩と奉公Give & Takeの世界の住人である。

Posted byブクログ

2022/10/12

この直前に読んだ新書よりは学術寄りかな、中公のプライドかな?ただチーム鎌倉とか微妙かもしれませんけれど。 まぁさておき、義時追討を情報操作•すり替えによって幕府攻撃とした。まさに暗闘に相応しい。どうやらこの著者、大河の監修に関与している?模様だから、この線で行くのかな、行きそうだ...

この直前に読んだ新書よりは学術寄りかな、中公のプライドかな?ただチーム鎌倉とか微妙かもしれませんけれど。 まぁさておき、義時追討を情報操作•すり替えによって幕府攻撃とした。まさに暗闘に相応しい。どうやらこの著者、大河の監修に関与している?模様だから、この線で行くのかな、行きそうだな。

Posted byブクログ

2022/09/28

日本史、殊、鎌倉時代については無知極まりなく。今年は 『鎌倉殿の十三人』にハマりにハマりまくってしまい、本書を手にしました。大河でもクレジットとして名前が出る著者ですね。三部作の一冊目でしょうか。 オッケー承久の乱までの流れ、そして承久の乱後の武家公家の力関係の逆転などそのイン...

日本史、殊、鎌倉時代については無知極まりなく。今年は 『鎌倉殿の十三人』にハマりにハマりまくってしまい、本書を手にしました。大河でもクレジットとして名前が出る著者ですね。三部作の一冊目でしょうか。 オッケー承久の乱までの流れ、そして承久の乱後の武家公家の力関係の逆転などそのインパクトは掴みました。 個人的には、実朝といい後鳥羽といい、和歌などの文化に造詣が深い権力者に魅力を感じてしまいますね。 僕の中では、承久の乱の敗北で何となく間抜けな印象のある後鳥羽の再評価もできました。

Posted byブクログ

2022/03/31

「鎌倉殿の13人」をきっかけに鎌倉時代のお勉強をしよう第2弾がこちら ちなみに同じタイトル「承久の乱」でTVでお馴染みの本郷和人氏も出版しておられる 比較すると面白いだろうなぁ 本書は「承久の乱」とタイトルがあるものの、中世の始まりからきちんと筋立てて進められるので時系列的にも...

「鎌倉殿の13人」をきっかけに鎌倉時代のお勉強をしよう第2弾がこちら ちなみに同じタイトル「承久の乱」でTVでお馴染みの本郷和人氏も出版しておられる 比較すると面白いだろうなぁ 本書は「承久の乱」とタイトルがあるものの、中世の始まりからきちんと筋立てて進められるので時系列的にもわかりやすい その後に、後鳥羽上皇と源実朝について説明があり、いよいよ承久の乱…という親切な流れである まずは後鳥羽と源実朝の人物像 後鳥羽 正統なる王を目指し、三種の神器にこだわっていた(平家のせいで手元になかった) 祖父の後白河と似ている点が多くあり、その一部が好奇心旺盛、既成概念にとらわれない自由さと遊び心がある…あたりらしい 歌、琵琶、蹴鞠など芸術面もスポーツマン さらには太刀の制作までしたというまさに多芸多才の極地 また宮廷儀礼の猛勉強をし復興を果たす バイタリティ溢れる人物であるが、周りが振り回されて大変だったようである 一方の源実朝 源頼朝と北条政子の次男 北条氏が乳母夫 (兄の源頼家は比企氏が乳母夫 ここで北条との確執が生まれる) 将軍でありながら和歌や蹴鞠にふけ、朝廷と幕府、源氏と北条氏の狭間で苦悩し、若くして甥に殺された悲劇の貴公子…というイメージだが、最近の研究では違うようである 北条義時の要求にに対し毅然とした態度をとり、自立し出す また統治者としていくつかの政策を打ち出し成果を上げている 唐の「貞観政要」も学んだらしい また朝廷・後鳥羽とも良好な関係を築き上げ、支援を取り付けwin-winの関係に ただ、実朝は実子がおらず、側室ももたなかったようで(ん?)、将軍継承問題がはらんでいた しかし実朝並びに幕府首脳らは後鳥羽の皇子を…と交渉 これも朝廷側にも幕府を抑え込められメリットがある いずれにせよ後鳥羽朝廷と実朝幕府はバランス良く保たれていた とうとう右大臣にまで昇り詰めた実朝だが、その右大臣拝賀の日、兄頼家の息子公暁に自身が別当を務める鶴岡八幡宮で暗殺される 著者は北条義時黒幕説、三浦義村黒幕説は否定 源頼朝以上の位を得、朝廷と良好な関係性を築き上げた実朝の死が後鳥羽と幕府に影を落とす 幕府は九条道家の子三寅を将軍予定者にし、北条政子・義時姉弟を中心とした新たな体制を築いた 一方、京都では、源頼茂の謀叛によって大内裏が焼失し後鳥羽にストレスがかかり出す 幕府内の権力闘争が都に持ち込まれたと後鳥羽は苛立ち、幕府のコントロールが効かなくなったと考え、その元凶の北条義時を排除しようとしたことがきっかけで承久の乱が勃発する ここから大政奉還までは武家の優位性を公家に渡すことはなかった そういった意味でも歴史の転換点といえる また承久の乱勝敗の要因は以下のように分析される チーム鎌倉vs後鳥羽ワンマンチーム 適材適所に活躍し、強固な結束力と高い総合力を誇る鎌倉方 一方のマルチな後鳥羽は全てを一人でこなそうとする独断専行の京方 ここが勝敗を分けたポイント 武家は闘いのプロだ その辺りの後鳥羽の認識の甘さが敗因では… 治天の君が幕府よって流罪に処されると言う前例のない異常事態が起きた 後鳥羽の流人生活は約19年に及び享年60歳で没した 読みやすく順序よくまとめられているので、知識が浅くても読みやすい 様々な参考文献と著者の解釈で進行し、非常に丁寧に描かれている しかしやはり途中から、誰が誰やらわからなくなってくる トホホ まぁまぁ、完璧を求めず少しずつ層を厚くしていければ… それにしてもやはりまだ北条義時の凄さがピンと来ないんだよなぁ どうしても北条政子が目立つ 北条義時の凄さがわかる読み物を探してみなくては… しばらく鎌倉時代が継続しそうである

Posted byブクログ