悲願花 の商品レビュー
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ふわふわとしたまま読み終わった 被害者最強説というのはあると思う でも被害者意識を持つなというのは違うと思う シングルマザーが困窮する、養育費が支払われずに無理心中を行ってしまうというのは母親だけが悪いわけではない 養育費は会社の給料から振込支払いができることを周知すればいいのにと思った 子供を作るのは一人ではできない、夫婦関係が破綻したとしても子が消えるわけではないのだから、責任として金銭を払うくらいはしてやれよとこの本以外にも思うことがあるので憤りを感じた お金がないというのは追い詰められ方のスピードが上がると思っている 主人公の自己否定感、自己肯定感の低さはわかる気がしたので恋人とうまくいかないのもまず自分のことを大切にできてないからしょうがないだろうと思っていたので最後に話し合うんだ〜とすごいなと思った 自己肯定感低くないじゃないと 被害者から加害者になったのにすごいなとなんだかついていけない感じがした 郷田氏は被害者から加害者に変わってしまったことで守りに入ったのか? 罪の意識を感じていたとしてあそこまで幸子を守るのはもともと思いやりのある人だったんだなと思った しかし幸子の父親は罪の意識とはいえ子供と奥さんを道連れにするのはいただけないなぁと思った 奥さんも精神的におかしくなっていたのかもしれないけど 無理心中なんて名前やめて道連れ殺人とかにすれば少しは減らないかな… なんともやりきれない本だった
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一家心中で生き残ってしまった子としての立場である主人公が、偶然にも無理心中して母親としての立場で生き残ってしまった人と出会うことで、過去の葛藤から立ち直れるか否かのお話し。 文章が読みやすく、あっという間に読み終えた。話の流れも練りに練られた構成で最後にかけて伏線を次々と回収して...
一家心中で生き残ってしまった子としての立場である主人公が、偶然にも無理心中して母親としての立場で生き残ってしまった人と出会うことで、過去の葛藤から立ち直れるか否かのお話し。 文章が読みやすく、あっという間に読み終えた。話の流れも練りに練られた構成で最後にかけて伏線を次々と回収していくのは圧巻である。 どちらかといえばいい短編の小説でこれだけのことができるのは流石としか言いようがない。
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仕方ないけどずっと暗い雰囲気。 でも、話が進んでいくうちにどうなるんだろうと気になって、隠し玉もあってでおもしろかった。 ラストは泣けちゃうねぇ。
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図書館で借りた本。一家心中の生き残りの幸子は婚活パーティーに参加しそこで中古車ディーラーの男と知り合う。そろそろ人生前を向いていこうと思って家族の墓参りに。その墓地で雪絵と知り合う。雪絵は一家心中を実行したにも関わらず、自分だけ生き残ってしまった。一家心中の加害者側と雪絵と被害者...
図書館で借りた本。一家心中の生き残りの幸子は婚活パーティーに参加しそこで中古車ディーラーの男と知り合う。そろそろ人生前を向いていこうと思って家族の墓参りに。その墓地で雪絵と知り合う。雪絵は一家心中を実行したにも関わらず、自分だけ生き残ってしまった。一家心中の加害者側と雪絵と被害者側の幸子は、交遊関係を続けていくうちに…という内容で、被害者・弱者の驕り高ぶりが招く立場の逆転の怖さを訴える話だった。
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一家心中の唯一の生き残りだった主人公。 何かが変われば…と事件後に初めて行った家族の墓参りで1人の女性と出会う。 話を聞けば、子供を巻き込んだ無理心中を起こした張本人だと言う。 今回の下村作品はグサグサくる箇所が沢山。 少し抜粋。 『赤ん坊は母親が一番困るタイミングを察知して...
一家心中の唯一の生き残りだった主人公。 何かが変われば…と事件後に初めて行った家族の墓参りで1人の女性と出会う。 話を聞けば、子供を巻き込んだ無理心中を起こした張本人だと言う。 今回の下村作品はグサグサくる箇所が沢山。 少し抜粋。 『赤ん坊は母親が一番困るタイミングを察知して、その忍耐を試しているのではないか』 母親とは、孤独なもの。 ありがたいことに、子育て中の私自身はそこまで孤独だと感じる事は少ないけれど、気持ちは痛い程わかる。 希望が持てる終わり方で、少し安心。
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一家心中の生き残りとして育ち、ようやく自分に向き合う覚悟ができて家族の墓参りに出かけた幸子。そこで出会ったのは、一家心中を図り、生き残ってしまったシングルマザーの雪絵だった…。全く立場が逆の二人がお互いどのような影響を受け、どう変わってどんな人生を歩むのか、気になって一気に読みま...
一家心中の生き残りとして育ち、ようやく自分に向き合う覚悟ができて家族の墓参りに出かけた幸子。そこで出会ったのは、一家心中を図り、生き残ってしまったシングルマザーの雪絵だった…。全く立場が逆の二人がお互いどのような影響を受け、どう変わってどんな人生を歩むのか、気になって一気に読みました。軽く投げつけることのできるインターネットでの言葉の暴力や、被害者と加害者という立場についての最後の郷田の言葉はとても重く心に残りました。また、テーマの割にとても読みやすかったので、これを軽いととらえる人が多いのにも納得です。
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(図書館本)お勧め度:☆6個(満点10個)。何ともせつない物語なんだろう。最後まで読み終えて、真相を知ると、何だか主人公「幸子」が、可哀そうに思えてくる。話は幸子が子供の頃の一家無理心中から始まる。結局、父母妹弟全員がなくなり幸子だけが生き残る。最初は父母を恨むが、同じような立場の「雪絵」と出合うと恨みは彼女へ向かう。彼女も一家心中の生き残りだった。その後、幸子の心は両親を責めたてた消費者金融の「郷田」への復讐へと向けられる。ラストにどんでん返しが待っている。被害者と加害者の立場が入れ替わりラストに繋がる
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2019.4.29.毎晩責め立てにくる宇宙人の顔の男、繰り返される両親の言い争い、そんな中、両親は幸子と幼い弟、妹を泊りがけで遊園地に連れて行く。夢のような2日間が終わったその夜、幸子は両親、弟妹を失うことになる。一人生き残った幸子は両親への憎しみから自由になれないまま成長する。家族の墓に参った幸子は雪絵という女性に出会う。雪絵に母の面影を見、憎しみを隠しながら近づく中、幸子は憎しみのはけ口をあの宇宙人の顔の男に求める。 一家心中の生き残りとして社会の片隅に生きる幸子が無理心中で娘を殺す結果になった雪絵と関わる中で分かっていく真実。 重いながら一気読みさせる内容だった。何を言ってもいい被害者…といいながら、やはり被害者という立場は無条件で守られるべき存在であり、しかし…堂々めぐりになってしまう。ただ、雪絵と娘美香の関係はあまりに単純に描かれ過ぎていて疑問に思った。 あと、本筋には関係ないかもしれないが、雪絵の事件の背景について…子育ては大変だと思うが、子供は絶対に成長していくので、ワンオペ育児がかわいそうとあまりにお母さんをいたわりすぎることがかえって自分が不遇だと思い込み、もっともっと自分を追い込んでいくことになっていかないかと最近の風潮を懸念している。
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読みながら結構苦しくなった。子育ては個人差があるが、自分も同じようにキツイものだったのでフィードバックしてしまって。反抗期もあるし、人として軽蔑されたように扱われたり、母親って理不尽だと思ってしまう日々。でもこの本には希望も感じさせられた。具体的に何かするわけではないけど、腐らず...
読みながら結構苦しくなった。子育ては個人差があるが、自分も同じようにキツイものだったのでフィードバックしてしまって。反抗期もあるし、人として軽蔑されたように扱われたり、母親って理不尽だと思ってしまう日々。でもこの本には希望も感じさせられた。具体的に何かするわけではないけど、腐らずにやっていこうかと思う。
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遊園地でさえ、いい子を務めようとする長子ならではの我慢する姿に、胸が苦しくなった。 ラストはガツンとくるというより、客観的に見れば、本人でもたどりつけた真実だったのではないだろうかと感じた。 それほどまでに、幸子は被害者の目でしか見れなかったんだろう。 下村さんの、他作品の様な怒涛のクライマックス!ではなく、被害者と加害者は紙一重。自分の行動は大丈夫?って教訓本になった。
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