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聖なる天蓋 の商品レビュー

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2020/09/20

「宗教社会学」というジャンルに入る著作のようだが、読み始めてすぐ、「これは『哲学』じゃないのか?」と疑った。 先日読んだばかりのジョン・R・サールの哲学書『社会的世界の制作』とすこぶる近接した部分があるからだ。とりわけ宗教的信念の「正当化」の過程は、「宗教」という限定を除けば、そ...

「宗教社会学」というジャンルに入る著作のようだが、読み始めてすぐ、「これは『哲学』じゃないのか?」と疑った。 先日読んだばかりのジョン・R・サールの哲学書『社会的世界の制作』とすこぶる近接した部分があるからだ。とりわけ宗教的信念の「正当化」の過程は、「宗教」という限定を除けば、それこそサールが追究しようとしたようなものではないか? 本書は前半が「宗教社会学」の抽象的な理論が記述されているが、後半はキリスト教の世俗化過程など、より応用的な論述に当てられている。従って、本書全体としては、やはり「社会学」と呼ぶべきポジションにあるのだろう。 だがその芯の部分は、社会的なる現象を「哲学する」という志向性にあって、それは社会的な「哲学」と密接にリンクする主題なのである。 これを読んで、サールの前掲書を再読したくなった。

Posted byブクログ