漂巽紀畧 の商品レビュー
ジョン万次郎として知られている中浜万次郎の若かかりし頃、漁師仲間と漂流し、捕鯨船に救出されることになるが、船長のホイットフィールドの希望に沿う形で、万次郎だけ、ホイットフィールドについていくことになり、船長の下で様々な教育を受ける機会に恵まれることになる。 別れた仲間も日本に...
ジョン万次郎として知られている中浜万次郎の若かかりし頃、漁師仲間と漂流し、捕鯨船に救出されることになるが、船長のホイットフィールドの希望に沿う形で、万次郎だけ、ホイットフィールドについていくことになり、船長の下で様々な教育を受ける機会に恵まれることになる。 別れた仲間も日本に戻るまで紆余曲折あり、当時鎖国していた日本に帰国することもなかなか叶わなかった経緯がある。 足の怪我が元で亡くなった者やハワイに残った者もいるが、数奇な運命を辿り万次郎が仲間と再会して日本に帰国するまでが簡略的に描かれている。 正直、万次郎が見てきた世界についてもっとディティールが欲しいところではあるが、当時漂流して海外に辿り着いた日本人は彼らだけではなかったらしい。 あと、現代語訳なので普通に読みやすい。
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ジョン万さんすごい。 奇跡の出会い、旺盛な好奇心、惜しみない努力、捨てない希望。ジョン万さんは本当に素直な心を持ってたんだろうな。 そのあとのペリーのくだりや、勝海舟たちとアメリカ行く話も詳しく知りたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「漂巽紀畧」は「ひょうそんききゃく」と読む。 「巽(南東)の方角に漂流した記録のあらまし」というほどの意味とのこと。 ジョン万次郎については、漂流してアメリカに暮らし、帰国後身につけた英語を教えて明治の人材育成に貢献したとしか知らなかった。 その漂流からアメリカ暮らしについて生き生きと語った記録。 驚いた点、はじめて知ったこと ・当時漂流した日本人がジョン万次郎一行以外にもたくさんいたこと。 ・鎖国していることが、ときに上記の日本人の帰国のハードルになったが、帰国した者もたくさんいたこと。 ・無人島や海の上の漂流生活でも年単位で生き延びた人がおり、そのようなことができること。 ・アメリカの船で太平洋の島から島へと航海しており、太平洋は一つのつながった世界なのだと感じたこと。また、世界一周も船乗りにとっては特別なことではないのだと感じたこと。 ・10年アメリカに住んでも、日本に帰りたいと思い続けていたこと。 ・この本が、土佐藩の上層部の必読書となり、他藩にも提供されたこと。 自分がジョン万次郎の立場だったら、できるだけアメリカに馴染んで暮らそうするのではないかと想像した。男女の違いもあるかもしれない。 日本に帰りたいと思い続けた、その心のうちについて聞いてみたいと思った。
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ジョン万次郎らの漂流から帰国までの10年を彼らの話をもとに書き起こしたもの。当時の風俗や考え方、生き残るための力を感じた。諦めない心と対応力が重要。
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本人から聴き取りして書き留めただけあって、正確だと思われる。文章の表現なのか、聴き取っているバイアスなのか、読んでいて風景がよぎる気がした。
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「漂巽紀畧(ひょうそんきりゃく)」は、 1841年(天保12年)の正月5日の午前10時頃から小舟で出漁した5人の土佐の漁師が、時化にあい遭難するところから10年間の記録が収められている。 同時代、1841年の捕鯨船「チャールズ・モーガン」のキット(モデル・シップウエイ)を組み立て...
「漂巽紀畧(ひょうそんきりゃく)」は、 1841年(天保12年)の正月5日の午前10時頃から小舟で出漁した5人の土佐の漁師が、時化にあい遭難するところから10年間の記録が収められている。 同時代、1841年の捕鯨船「チャールズ・モーガン」のキット(モデル・シップウエイ)を組み立てていると、「そうじゃない、こうですよ」とジョン万次郎から言われそうな気分になります。 この本をもとにしてNHKの大河ドラマを作ってほしいくらいです。老いたジョン万次郎の回想をアタマ出しにしながら、当時の日米の工業力の差を示す構成で進めば、一年でも足らないドラマになるのじゃないかなぁ
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2/13NHK総合ひるまえほっとで中江有里さんが紹介 ジョン万次郎10年にわたる奇跡と苦闘の漂流記!大きな話題になっています。
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普通の船乗りに生まれ、14歳で遭難して、すったもんだで世界を回る。 とにかく、土佐藩から言われて書き残した河田小龍が「いささかも私見はいれず」書いてくれたので、面白くてたまらない内容になっていました。 ジョン万。 ものすごく頭がイイ人だったんだろうなーと。 それ以上に、人に気...
普通の船乗りに生まれ、14歳で遭難して、すったもんだで世界を回る。 とにかく、土佐藩から言われて書き残した河田小龍が「いささかも私見はいれず」書いてくれたので、面白くてたまらない内容になっていました。 ジョン万。 ものすごく頭がイイ人だったんだろうなーと。 それ以上に、人に気に入られるという人間力が。 人生の後半生は、極めて静寂、とあった。 激動の前半生だけで、普通の人の数倍の人生を味わったからなのかな? でも。 ごくごく一人の田舎の青年の史実として、ドキュメンタリーとしてだけで読んでみると、こんな濃い体験を乗り越えられる、その凄さに感服しました!
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こんなに面白い本があったか。 ジョン万次郎なんて学校の授業のようでつまらなそうだが、この本は当時の情景がありありと浮かんで来る。 無人島で洞窟の出入口が岩で塞がれたり、裏側に過去の漂流者の墓があったり、外国という全くの未開の地で人との触れ合いや、同じ日本人の仲間との出会いなど。 ...
こんなに面白い本があったか。 ジョン万次郎なんて学校の授業のようでつまらなそうだが、この本は当時の情景がありありと浮かんで来る。 無人島で洞窟の出入口が岩で塞がれたり、裏側に過去の漂流者の墓があったり、外国という全くの未開の地で人との触れ合いや、同じ日本人の仲間との出会いなど。 船を通じた大冒険記であり、何よりもそれが史実という事。当時は遥か遠くの国に流れ着く漂流者があちこちに居たというのもわかって面白い。
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