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地面師 の商品レビュー

3.4

48件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    17

  3. 3つ

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  4. 2つ

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  5. 1つ

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2022/02/10

積水ハウスやアパのような大手企業だけを騙しているのなら、まだいいのだが。そうであって欲しかったのだが。(もちろん、1mmも良くはない)。そこらの普通に生きている人もターゲットにする、ただの犯罪者集団。怖い。

Posted byブクログ

2022/02/09

昔から言われるように不動産はいかにも魑魅魍魎の世界という感じだが、それにはやはり理由がある。特に驚かされるのは警察ですら誰が被害者で誰が加害者かにわかに見極めがつかないほど、事件が混み入った複雑さを呈しているところだ。確かに登場人物がどれも胡散臭く、士業の肩書を持っていても半ば詐...

昔から言われるように不動産はいかにも魑魅魍魎の世界という感じだが、それにはやはり理由がある。特に驚かされるのは警察ですら誰が被害者で誰が加害者かにわかに見極めがつかないほど、事件が混み入った複雑さを呈しているところだ。確かに登場人物がどれも胡散臭く、士業の肩書を持っていても半ば詐欺専業という実態すらあるのでは、警察が何度も犯人の身柄を押さえては取り逃がしてしまうのも(大失態ではあるのだが)無理はないのかもしれない。 同じ面々が何度も同様の詐欺を繰り返すパターンを見ていると、詐欺という犯罪には一度犯すとやめられなくなる業のようなものの存在を感じてしまう。ただ本書を読む限り、残念なことに彼らを取締り改心させる役割の司法にもそれだけのスキルも意欲も感じられないどころか、一部の法曹人は彼らに取り込まれてさえいる始末だ。 地面師詐欺という犯罪に対して、我々の社会があまりにも無防備な姿を晒している事態に慄然とするばかりである。

Posted byブクログ

2022/01/22

知らない間に、知らない奴らに乗っ取られて、実在する企業に売られてしまう土地。騙される金額も桁違いだし、契約に至るまでに関わる人間も多い。そして、どの階層までが騙された側で、どこから騙した側なのか、分かりにくい構造。地主が葬り去られているケースも。なんとも不気味な、実際の事件。 ...

知らない間に、知らない奴らに乗っ取られて、実在する企業に売られてしまう土地。騙される金額も桁違いだし、契約に至るまでに関わる人間も多い。そして、どの階層までが騙された側で、どこから騙した側なのか、分かりにくい構造。地主が葬り去られているケースも。なんとも不気味な、実際の事件。 詐欺というのは、相当労力もかかるし、それを集団でこなそうとすれば、ある種のプロジェクトマネジメントが必要になる。そこには役者もいて、脚本もあり、専門知識も必要だし、業界情報に精通していながら、文書作成能力やリスク回避能力も要する。だかや、それを束ねるスター地面師が生まれる。末端の契約者に端金を払い使いこなし、自らは安全圏へ。振り込め詐欺の構図。詐欺イコール知能犯だから、高度化する程、自らの危険回避とプロジェクトのスケールも極大化でき、身入りも膨らむ。 そうした能力があるなら、別にやりようがある気もするが…。

Posted byブクログ

2021/10/27

こりゃ面白いわ。先に読んだ「地面師たち」は完全にこの本ベースにしてるだろ。内田マイクとかってカタカナの名前までそっくり。興味深かったのはすぐに土地が転売されてると有耶無耶になってそのまま返ってこなかったりする点だなあ。あと、警察が被害者を犯人とグルだと捉えてあんまり真剣に捜査しな...

こりゃ面白いわ。先に読んだ「地面師たち」は完全にこの本ベースにしてるだろ。内田マイクとかってカタカナの名前までそっくり。興味深かったのはすぐに土地が転売されてると有耶無耶になってそのまま返ってこなかったりする点だなあ。あと、警察が被害者を犯人とグルだと捉えてあんまり真剣に捜査しないのも面白い。ただやっぱり取材ベースじゃ具体的な手法までわかるわけじゃないし、面白みはフィクションの方が大きいな。

Posted byブクログ

2021/08/31

まずとりあえず、めちゃ怖かった。 書類を偽造し、なりすまし役を手配し、他人の土地を勝手に売り払う詐欺師集団、地面師。 土地に限らないが、複雑な書類のやり取りを伴う交渉契約実務に携わったことがある人ならわかるだろう。 初の取引先からのビッグチャンスがもし偽造書類による詐欺だった...

まずとりあえず、めちゃ怖かった。 書類を偽造し、なりすまし役を手配し、他人の土地を勝手に売り払う詐欺師集団、地面師。 土地に限らないが、複雑な書類のやり取りを伴う交渉契約実務に携わったことがある人ならわかるだろう。 初の取引先からのビッグチャンスがもし偽造書類による詐欺だったら、、、そしてそれを見抜けなかったら、、、これだけでも十分ホラーのはず。 元々は、戦後のドサクサ期、空襲で役所の登記書類が焼けてしまった頃にでたらめな権利の主張や不法占拠がまかり通った。その結果は都内の様々な場所に爪痕を残す。そこで生まれた地面師詐欺は現代にまで受け継がれている。 ただ先祖から相続した土地を漫然と抱えている独居老人にとって、自分の登記簿がどうなっているか気にかけているわけもなく、また、買い手にとってもその老人の外見などわかるはずもない。 役所にとっても、必要書類が何かはわかっても、それが偽造かどうかを見抜く目まで養われているとは限らない。簡単な話、運転免許証が偽造されていても、チェックポイントを知らなければあっさり本人確認を完了してしまうだろう。 電子化の遅れと高齢化、ある意味現代日本の病巣を昭和の亡霊たちが食い荒らしている、それが地面師詐欺の構図ではないだろうか、、、。

Posted byブクログ

2021/07/26

不動産のことは全く素人ですが面白かったです。 積水ハウスが数十億円も騙されて話題となった海喜館事件などの裏側が、著者の取材と臨場感のある筆致で明らかになっています。地主のふりをする掃除のおばちゃんや、書類を偽造する専門職人などが次々と登場し、さながらドラマのようです。やはり金額が...

不動産のことは全く素人ですが面白かったです。 積水ハウスが数十億円も騙されて話題となった海喜館事件などの裏側が、著者の取材と臨場感のある筆致で明らかになっています。地主のふりをする掃除のおばちゃんや、書類を偽造する専門職人などが次々と登場し、さながらドラマのようです。やはり金額が大きいから、オーシャンズのようにチームで仕事するんですね。 面白いのは、業界ならではの慣例、暗黙のルールです。買い手は圧倒的に下で、土地の所有者が売買の場に出てこなくても文句を言えない。すぐ別の人に買われるからと、ゆっくり考える暇もなく、巨大な金額を動かすよう迫られます。それが詐欺の余白を作ってるのでしょうか。

Posted byブクログ

2021/01/10

何十億もの損害があっさりと出るのが面白い からくりを知りたい 都内などで土地などを意識して見てみようと思った 興味が出たので不動産の入門書を買う

Posted byブクログ

2020/09/16

逮捕されても、すぐに保釈されたり、そもそも警察が追わないのが、不思議。地面師、やり放題の東京。わりとよく知ってるとこ多く、赤坂、富ヶ谷、成城などなど。

Posted byブクログ

2020/09/05

なかなか衝撃的な内容。知らんうちに自分の土地が売られれてたとか、あるんだね… しかも積水ハウスやアパハウスのような大企業も騙されてしまう周到さと法曹界まで巻きこむ悪質さ。弁護士や司法書士と言えども信用できない人がいるということは大きな学びでしたね。

Posted byブクログ

2020/04/30

主に東京を舞台に、戦後から続く地面師といわれる詐欺。積水ハウスやアパグループが騙されたことでニュースにもなった。 警察と詐欺師のいたちごっこなのだろう。仕事を細分化し、民事不介入の原則を逆手にとり、時には弁護士や司法書士まで巻き込んで、金を騙しとる行動はドラマよりもはるかに複雑怪...

主に東京を舞台に、戦後から続く地面師といわれる詐欺。積水ハウスやアパグループが騙されたことでニュースにもなった。 警察と詐欺師のいたちごっこなのだろう。仕事を細分化し、民事不介入の原則を逆手にとり、時には弁護士や司法書士まで巻き込んで、金を騙しとる行動はドラマよりもはるかに複雑怪奇だ。 そして難しい内容であろうこの事件を関係者に当たった、著者の取材力に脱帽する。

Posted byブクログ