小説集 羅針盤は壊れても の商品レビュー
後半の二作は再録なので既読だったが、二度目でも面白い 表題作の『羅針盤は壊れても』はいつもの労働ものだが、珍しく働き先の社長もなかなかうだつの上がらない男で貫多が少しマトモに見えそうになるのはこちらが少し麻痺してるんだろうな
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表題作は貫太が訪問販売のバイトを始める話。西村作品では珍しく(?)同年代の女性と普通の関わり方をしてる。西村氏は嫌な奴の書き方が本当に上手い。バイト先の社長夫婦の人当たりは良いがクズな感じとかリアル。 自分は私小説を知ってるから他の奴らとは違うんだ!あいつらは私小説を知る事も無く...
表題作は貫太が訪問販売のバイトを始める話。西村作品では珍しく(?)同年代の女性と普通の関わり方をしてる。西村氏は嫌な奴の書き方が本当に上手い。バイト先の社長夫婦の人当たりは良いがクズな感じとかリアル。 自分は私小説を知ってるから他の奴らとは違うんだ!あいつらは私小説を知る事も無く死んでいくんだ!という無意味なプライドと強がりは実に虚しいが最高に共感できる。こういうものに縋り付かなきゃ現実に耐えられない苦しみがヒシヒシと伝わってきた。読んで良かった。
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私のブログ http://blog.livedoor.jp/funky_intelligence/archives/1993469.html から転載しています。 西村賢太作品の時系列はこちらをご覧ください。 http://blog.livedoor.jp/funky_inte...
私のブログ http://blog.livedoor.jp/funky_intelligence/archives/1993469.html から転載しています。 西村賢太作品の時系列はこちらをご覧ください。 http://blog.livedoor.jp/funky_intelligence/archives/1998219.html 本当に西村賢太にハマりまくり。本書は短編4作品だが、後半2つは読了済みのもの。 「陋劣夜曲」 20歳の貫多が、肉欲の希求を語り、箸にも棒にもかからない現状を打破すべく年末に青果市場にて短期間のアルバイトをするも、大八車の車輪で足を踏むという事故を起こし、アパートの家賃も滞納して家主に毒付き、更にはアパートの住人と一触即発っていうシーンで終了。お馴染みのダメ貫多が味わえる。 「羅針盤は壊れても」 表題作。23歳になる中卒の貫多が、いよいよ同級生が大学を卒業する時期に差し掛かり、完全敗北を認め出す。そして就いた仕事が「蔵乃味噌」における味噌の訪問販売(押し売り)。そこでは貫多以上にダメな奴、ずるい奴、権利主張し過ぎる女子と様々な人間模様が繰り広げられる。これもかなり面白い。 「廃疾かかえて」 「瘡瘢旅行」 「廃疾かかえて」により読了済み。 http://blog.livedoor.jp/funky_intelligence/archives/1993664.html
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どうしようもないダメ男が主人公。 ものすごくリアリティを もって書かれていて自分が体験しているような気分を 味わえる。これぞ小説の醍醐味。
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