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アメリカ の商品レビュー

3.9

13件のお客様レビュー

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2018/12/25
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おなじみの二人による対談。 最後がほんとに言いたかったことかなと思う。 前半が面白いけど、長い前置き感がある。 あとがきにあるけど森本あんり氏の本を先に読んだ方が理解は深まると感じた。 アメリカ人の、異常なまでの権力への不信とかビジネス的成功への執着、才能への考え方など独特の考えなどについてなるほどと思う。 最後の部分はさらっと書かれているけど、日本人のアイデンティティーをどこに求めえるかという点を扱っている。 歴史が連続的なものである以上、敗戦という絶対的なマイナスを考えるにはどこまでも原因はさかのぼれるし、逆に開き直ってあの戦争を肯定する人も出てくる。 とりあえずアイデンティティーはアメリカに任せるという戦後のやり方ある程度成功したけどそろそろ考え直す時に来ているが、まだそれはこれからと感じた。

Posted byブクログ

2019/03/01

アメリカ合衆国は物理的な距離が遠い国にもかかわらず、日本国内あっては存在が水や空気のように当たり前の存在である。だから、DA PUMPがUSAを熱唱していることについて、誰も違和感を覚えない。しかし本書は日本が普段意識しないアメリカ像を啓蒙している。 日本人は宗教心の深化と世俗...

アメリカ合衆国は物理的な距離が遠い国にもかかわらず、日本国内あっては存在が水や空気のように当たり前の存在である。だから、DA PUMPがUSAを熱唱していることについて、誰も違和感を覚えない。しかし本書は日本が普段意識しないアメリカ像を啓蒙している。 日本人は宗教心の深化と世俗法の発展は背反することのように捉えがちだ。しかし、個人の信仰と他者の信仰の緊張関係があればこそ、仲裁者としての世俗法が重視される。自己にとっての信仰心は、他者の視点で社会化されると良心と呼ばれるものである。 経済的成功者の寄付行為について、本書では宗教的な脅迫観念の裏返しだというが、意味がよくわからない。ウェーバーのプロ倫的な考えとも少し違うらしい。日本でいう寺社における賽銭みたいなものだろうか。信じてないけど習慣づいているみたいな。 プラグマティズムは、多様な価値観それぞれをつなぐ廊下のようなものだという。廊下の色は解釈により異なる。意外にもカントの実践理性からの派生していることが指摘されている。 対米従属についてのスタンスに対談する両者の間でグラデーションがある。大澤は、対米従属の嫌悪感を述べて現状否定を繰り返す。現状に不満がありつつも、根本解決の方法の提示には歯切れの悪いリベラルっぽさがでている。 橋爪は、政治、軍事、外交を自力で判断することの重要性を説き、保守特有の論理的帰結を明確にする。対談のため、よりはっきり両者の違いが出ている。 そんな両者であるが、いわゆる永続敗戦の体制への批判は共通している。そして多くの人々が永続敗戦の体制に違和感を感じないことも嘆いている。現代の我々が1941年の末裔であることについて、対談の両者とも肯定できないという。そして、その1941年の末裔を破ったアメリカ支配も肯定できずにいる。 しかし、DA PUMPのUSAを空気とした心情を持った大多数の人々はそんなことを考える必要性を感じていない。つまり、1941年の末裔であることを肯定するとともに、戦後のアメリカ支配をも肯定しているのではないか。それは、明治維新の末裔であることを肯定することと同じように、また、戦後の平和で豊かな時代を謳歌した20世紀後半の末裔であることを肯定することと同じように。 現代に影響をおよぼしている近代日本の様々な出来事のうち、アメリカ支配をことさら否定するイデオロギー的な理由がうすれている。現在に影響をもつ出来事のひとつとして、すっかり歴史化されているのかもしれない。

Posted byブクログ

2019/01/09

20181220〜20190109 橋爪・大澤両氏によるアメリカ論。プログマティズムについての解説は、対談形式だから泣きながら相手に分かりやすく説明する体をとっているから、門外漢の私でもかろうじて分かった。アメリカを理解することで、日米関係を、ひいては日本の明治維新以降の政治外交...

20181220〜20190109 橋爪・大澤両氏によるアメリカ論。プログマティズムについての解説は、対談形式だから泣きながら相手に分かりやすく説明する体をとっているから、門外漢の私でもかろうじて分かった。アメリカを理解することで、日米関係を、ひいては日本の明治維新以降の政治外交関係と戦争に対する意識を考える、と言う意図が本書にはあるようだ

Posted byブクログ