らんちう の商品レビュー

赤松利市(著者)

2024/01/22

ミステリーとして、ある意味自己啓発本として、無駄のない美しい文章と思います。ただ、一番のハイライトは筆者の後書きかもしれないと思うと本当にやばい作家が出てきたと思うよね、、、

2022/10/22

なんか、クドい。初めて読む作家さんだが、良くも悪くもねちっこい（それが持ち味なんだと思う）。とある旅館で総支配人が従業員6人から殺害される。その6人の取り調べといったテイで話は進むが、そもそもこのインタビュー形式が苦手なので読むのが辛かった。そして黒幕がバレバレなのがイマイチだし延々と続く取り調べの域を超えた1人語りにも辟易。ただオチの皮肉は効いていてそこだけはニヤリとしてしまった。

2022/06/19

初めから犯人が分かっている。
この段階からどう展開していくんだろうかと興味を覚えた本。
構成は、犯人6人の供述と、関係者の振り返りとなっていた。キーワードは、社畜・マインドコントロール・自己啓発セミナー・グロテスク・貧困層・真面目・不真面目だろうか。

犯人6人は一人を除いて30代20代と若い世代だった。それぞれのバックヤードからくる考え方の違いか面白かった。若さゆえの無知蒙昧。唯一の60代の犯人は、犯行を止めようとするなど、常識的な面もあったが、自身の恨みのためか、年による視野の狭さのせいか、犯罪に手を染める。この60代の葛藤をもう少し知りたかった。

キーパーソン2名
純子。
自分がどういうふるまいをしたら、どんな印象を持たれるのか、そんなことも考えていたんだろうな。そんな描写は書かれていなかったけど。黒い部分が面白かった。

鐘崎祐介　マインドコントロールにかからなかった人。どうしてマインドコントロールにかからなかったのか、気になるところ。手法を知っていれば引っかからないのだろうか？不真面目さが、大切な気がする。この人の部分だけ2度読みしたい。

2022/06/13

友達から紹介された赤松利市。とりあえず調べてみるとこちらの作品が出てきた。なんだか不気味で面白そう。勝手に古いイメージだったけど読んで見ると全然そんなことない。みるみるうちにその世界に引き込んでくる筆力。犯行から取り調べ、供述とインタビュー形式でどんどん真実が見えてくる。

千葉ののリゾート旅館「望海楼」で働く社員ら人6で総支配人殺害する。その総支配人のクソなことをつらつらと取り調べで社員達は語る。本当に反吐が出る…のだが、世界は反転する。

ん？最近あったな。mediumじゃないけど反転する。そこには洗脳の力も働いていた。見方を変えるとなるほどと…そして一番恐ろしいのはやはり女だった。

らんちゅうってなかなか不気味でグロテスクだ。私はかわいいとは思えない。

2022/04/25

登場人物のモノローグで構成される物語が進行するに従い読者の描く人物像に変更が迫られるタイプの小説。ただどうしても被害者に対しては同情できない部分が大きすぎて、最終盤までガラッと印象が変わることはなかった。
あと、警察にここまで何もかも供述してしまうものか、というのがどうしても引っかかる。

2021/11/23

私も大昔　殆どの人が余り知らないセミナーに泊まりがけで参加しました。洗脳セミナーでした。ベトナム戦争でPTSDを患ったヒトを救うという触れ込みでした。セミナー参加者が知人を誘う方式で、公には募集していません。参加料が30万でした。すぐに矛盾したやり方に疑問だらけ。しかも知人の顔潰せないので、我慢していました。今もあちこちで行われているセミナーには何一つ興味ありません。
この本読んでつい昔の事思い出しました。

2021/10/11

殺されて当然かと思っていた総支配人の印象が変わっていく。犯人たちの印象も。
多面的に見ろということか、若者はわかっとらんということか。
セミナーで洗脳されてるって言われると、自分には縁がなさ過ぎて納得できないが。

これからも赤松作品読みます。

2021/08/31

従業員たちの動機を辿って行くだけでは真相は見えて来ない。鐘崎祐介(一見不真面目だが)がキーマンになっている。

2020/10/10

とにかく犯人たちの語りが面白くてひきこまれた。中盤は社会の仕組みや世の中に対する不満や疑問から細かな豆知識までたくさんのことが語られて、事件や真相とは別で気づいたらじっくり読みまくってた。真相はある程度は想定してたけど想像外のことが多くて、ぞわぞわ、、そこまでか、、。歪で心がどんよりする重さが心地いい。
面白かった。このあとも支配された世界が続くのだ……

2020/03/26

いまの20〜30代ってスナオだよね。って話。
で、意外なサイコパスや、意外なもの見える賢者いるよね。