会社を綴る人 の商品レビュー
文章を書くことしか能がないダメ社員のお仕事小説という感じだろうか。 文章で会社の人々を動かし、会社を綴っていく。 ストーリーもわかりやすく、文章自体も読みやすくさくさくと読めた。
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会社に雇ってもらえて、どんなに仕事内容を教えてもらっても出来ない人は出来ないと思う。その中で、出来ないからと諦める人、辞めていく人が大半だと思うけど、出来ない中で周りにどう思われようと自分の得意な事、それが自分の仕事内容と違ったとしても実行に移す事は凄い事だと思う。その結果、周り...
会社に雇ってもらえて、どんなに仕事内容を教えてもらっても出来ない人は出来ないと思う。その中で、出来ないからと諦める人、辞めていく人が大半だと思うけど、出来ない中で周りにどう思われようと自分の得意な事、それが自分の仕事内容と違ったとしても実行に移す事は凄い事だと思う。その結果、周りから徐々に認められ、上司からも目に留めてもらえる。自分の特技が仕事になる。それは、とても素敵な事だと思う。
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「わたし、定時で帰ります。」の朱野帰子のお仕事小説 主人公の紙屋は30歳まで派遣で優秀な家族の中、いわゆる「落ちこぼれ」でお世辞にも社会性がなく仕事の能力も低い ただ文書を読んだり書いたりすることが好きである そんな紙屋が兄に背中を押されて社史を読み込んで受けた面接を受けたことから、「最上製粉株式会社」に採用され総務課に配属されることとなる もちろん仕事はダメダメだが、そんな中で「インフルエンザ予防接種のお知らせ」やプレゼンテーションの原稿、安全標語や社内報を通して、徐々に会社での自分の居場所を見つけていく その過程で、先代の急死で32歳の若年で引き受けることとなった三代目社長の葛藤や社内改革をめぐる常務と専務の思惑などが会社の運命を大きく変えることになる その大きな岐路で紙屋が果たした役割が彼らしくで面白い 会社に不満を持ちながらそれを匿名ブログでしか発散できない「裏紙屋」としての同僚の榮倉さん、「昭和の営業マン」である渡邊さん、紙屋の上司である栗丸さんなどキャラが立っていて、最初は紙屋の成長物語と思わせつつ、会社についてじっくり考えさせる小説となっていた 個人的には栗丸さんは吹越満で読んでいた
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穏やかなお仕事物語。主人公の不器用さと素直さに惹かれて最後まで読んだ。 主人公のささやかな抵抗が丁寧に表現されていると思う。変化の最中にある会社で事実をどのように表現するのか悩む主人公。歴史や事実を知る手がかりとして大きな役割を果たす文書。事実をどのように表現するか、文書をどの...
穏やかなお仕事物語。主人公の不器用さと素直さに惹かれて最後まで読んだ。 主人公のささやかな抵抗が丁寧に表現されていると思う。変化の最中にある会社で事実をどのように表現するのか悩む主人公。歴史や事実を知る手がかりとして大きな役割を果たす文書。事実をどのように表現するか、文書をどのように取り扱うかは平時は注目されない部分だが、事実を曲げたり印象操作も可能とする大きな力を秘めている。時が経ち誰かを勇気づけたり、誇りを取り戻したり、言葉を紡ぐとき、著者の希望や願いが載せられるんだろうなと思った。 言葉を恐れ、言葉を信じる。文書を大切にして言葉と丁寧に向き合う主人公だからこそ愚直に一つ一つの出来事に悩み立ち向かい、丁寧に言葉を紡ぎ、僅かながらに周りの人を動かす姿がよかった。
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製粉会社にやっと就職できた、何をやってもうまくできないが、文章だけは読むのも書くのも好きなアラサー男子を主人公とした、社内文書がテーマのお仕事小説。 主人公にはあまり感情移入できなかったが、さくさく面白く読めた。人を動かすメールや社内文書を書いてみたいと思った。 小説の構成が工夫...
製粉会社にやっと就職できた、何をやってもうまくできないが、文章だけは読むのも書くのも好きなアラサー男子を主人公とした、社内文書がテーマのお仕事小説。 主人公にはあまり感情移入できなかったが、さくさく面白く読めた。人を動かすメールや社内文書を書いてみたいと思った。 小説の構成が工夫されていて、意表をつかれた。なかなか面白い試みと思った。
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良くも悪くもあまりパッとしない作品だった。様々な工夫が凝らしてはあったのだけど、そもそものストーリーにもっと求心力を加えたり、登場人物たちに動き回ってもらった方がよかったなあ。特に、紙屋と榮倉の今後についてはものすごく気になるところだし、業務提携に当たってのその後が描かれていなくて物凄く気持ち悪かった。中途半端。ただ、文章で変えていく、という設定はおもしろかったので、もっともっとそこにフォーカスしてもよかったのではないかと思う。最初のインフル検査の連絡のように、訂正前と訂正後などを示すのは、余程の文章力がないとできないことだけに、ワクワクする挑戦だと思うなあ。
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人は誰でも取り柄があるという事かな。 共感出来るところもあるけど少ないですね。 最後は流し読みになってしまいました。 読み直せば良さがわかるかな。
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輝かしい家族の経歴を書くことが自分の輪郭なんだと自分を卑下する主人公。同僚の榮倉さんはとても表に出せないような会社の愚痴をブログで綴る。寂しい会社の現実もたくさん書かれているけど、実際にあることなんだろうな。。。紙屋さんのやらかすできごとは、そりゃ栗丸さんでなくてもあきれるかも。...
輝かしい家族の経歴を書くことが自分の輪郭なんだと自分を卑下する主人公。同僚の榮倉さんはとても表に出せないような会社の愚痴をブログで綴る。寂しい会社の現実もたくさん書かれているけど、実際にあることなんだろうな。。。紙屋さんのやらかすできごとは、そりゃ栗丸さんでなくてもあきれるかも。好きなことを追求する人、それを形にする人。成果を出している人が言うと説得力あるなぁ。
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矢野帰子さんと言えば、ドラマ「わたし定時で帰ります」が有名ですね。 私自身主人公と共感する部分も多く、大好きなドラマでした。 まだ矢野さんの作品は数冊しか読んだことがないけれど、お仕事に向き合う人たちの模様を丁寧に描いた作風が多い印象。 こちらは、ある...
矢野帰子さんと言えば、ドラマ「わたし定時で帰ります」が有名ですね。 私自身主人公と共感する部分も多く、大好きなドラマでした。 まだ矢野さんの作品は数冊しか読んだことがないけれど、お仕事に向き合う人たちの模様を丁寧に描いた作風が多い印象。 こちらは、ある製粉会社に中途入社した主人公、紙屋くんが奮闘する姿を描いた企業小説。 紙屋くんは32歳。派遣の仕事を10年続け、出来の良いお兄さんの紹介により製粉会社に入社することになる。 良い人で、別にやる気が無いわけでもない。でも、とにかく仕事が出来ない。そういうタイプの主人公を描いた小説というのも珍しい気がする。 不器用だけど、文章を綴ることだけは前から好き。紙屋くんは、文章の力で、会社の人たちの心を少しずつ動かしていく。 文章って大事だ。 同じことを言われるにしても、言い方や言葉尻を変えるだけで、伝わってくるものも全然違う。 紙屋くん、その強みを生かしてきっとこの先も良い人生が歩めるだろう。 応援したくなるような主人公だった。 今回の勝手にキャスティングは、 紙屋くん…窪田正孝くん 榮倉さん…比嘉愛未ちゃん 社長…星野源さん とかどうでしょう?
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紙屋が、考えて考えて書き上げた文章が、社員の心を動かしていく。 紙屋は、生きにくい人間だ。 文章も、練りに練って紡ぎ出す。全然器用じゃない。でも確実に周りの人の心を動かしていく。 ハートフルな物語だけど、紙屋の不器用さ、淡々と積み重なっていく出来事が本当に心地よい物語だった。 最後に、ずっと仮名で書かれてきた、最上製粉のメンバーの名前が分かり、新しい社史が載っているのがグッときました。 面白かった!
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