会社を綴る人 の商品レビュー
よくあるお仕事小説とはちょっと切り口が違っていてすごく面白かった。 人の心を動かす文章を題材にストーリーが進んでいく。 読んでいて私も心を動かされた。 特に本好きには薦めたくなる本。 朱野さんの本はハズレがない。
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主人公は30代・独身の紙屋くん(仮名) 気象予報士兼タレントの父、料理研究家の母、サウジアラビアで巨大ビルを建設中の兄を持つ。 エリート一家の中で、ただ一人コンプレックスの塊で自分に自信のない紙屋だが唯一誇れるのは文章力。 製粉会社に就職するも失敗の連続だったがその文章力を生...
主人公は30代・独身の紙屋くん(仮名) 気象予報士兼タレントの父、料理研究家の母、サウジアラビアで巨大ビルを建設中の兄を持つ。 エリート一家の中で、ただ一人コンプレックスの塊で自分に自信のない紙屋だが唯一誇れるのは文章力。 製粉会社に就職するも失敗の連続だったがその文章力を生かして少しづつ成長して行くお仕事小説。 不器用だけど正直に生きる紙屋くんは中々素敵な人物だ。 ブログに紙屋くんの悪口を書いていた榮倉さんの態度も変化して行きほっとする。 ただつまらない事はないのだが今一つテーマに興味が湧かず気持ちが乗れなかった。
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仕事は出来ないけど、文章の力で会社の役に立とうとする紙屋さん。榮倉さんとの対決は微笑ましくサクサク読み進められた。二人のその後の話が無いのが消化不良だった。
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文章を書くことしか取り柄のない30代の会社員が、ようやく正社員で内定した製粉会社に貢献する話。 個人的には社内メールとか社内文書に時間をかけるのは無駄が多く、直接のコミュニケーションでのフォローが大切だと思っているが、大勢向けの文書なら事情は違うのかも。雛形通りに来たメールは読ま...
文章を書くことしか取り柄のない30代の会社員が、ようやく正社員で内定した製粉会社に貢献する話。 個人的には社内メールとか社内文書に時間をかけるのは無駄が多く、直接のコミュニケーションでのフォローが大切だと思っているが、大勢向けの文書なら事情は違うのかも。雛形通りに来たメールは読まないことが多いけど、血の通った文章なら読む気になるかもと思った。 とある事情で、身バレ防止のため登場人物には仮名が使われており、見た目もほとんど描写されないので、登場人物を覚えるのが難しかった。小説で登場人物の見た目に言及されないと、場面もかなりイメージしづらい。そのせいなのか、自分の読解力のせいなのか、誰が何を話しているか分かりづらい箇所があった。
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社内文書なんて定型文がほとんど。時短を意識して活用してきたけれど、読んでもらう文書を書きたいと思った。
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不器用で機転が利かず、すぐテンパってしまう。当然、弁がたたず商才に欠け、処理能力はすこぶる低い。 そんなトホホな男として登場する主人公だけれど尊敬に値する長所が1つある。それは「読む」能力です。 会社の社史や沿革など、読んで楽しいものとは思えません。なのに紙屋 ( 本名は...
不器用で機転が利かず、すぐテンパってしまう。当然、弁がたたず商才に欠け、処理能力はすこぶる低い。 そんなトホホな男として登場する主人公だけれど尊敬に値する長所が1つある。それは「読む」能力です。 会社の社史や沿革など、読んで楽しいものとは思えません。なのに紙屋 ( 本名は菅屋 ) は嬉々として熟読できる。これは特異な才能ではないでしょうか。 それはさておき、本作は「伝わる」文章とは何かを考えさせてくれる作品でした。 中学校読書感想文コンクールの地区選考佳作が唯一の栄誉である紙屋は、文章の達人どころかメールや社内連絡文書ですら思うように書けないレベル。 そんな紙屋に対比させる存在として登場するのが、そこそこ人気のあるブログを書く榮倉 ( 本名は高倉英果 ) でした。 本作では2人のやりとりを通して、「真意が伝わるように書く」ことと「ウケるように書く」ことの違いが、きちんと描かれていました。 圧巻は巻末の「試行錯誤の二年間 資本業務提携を祈念して」で、これはもう見事な締めくくりだったと思います。社史を読んでこれほどじーんとくるとは!? 挿入された品質保証部・小山の「プロジェクトN」もいい。 「伝える」ことの大切さ。改めて考えることができました。その意味でも、本当にいい作品でした。 ところで、朱野さんがベタ甘ラブは書かないのは承知してますが、菅屋くんと高倉さんの ( 幸せな ) 未来をほんの少しでもほのめかして欲しかったなあと思いました。ごめんなさい、もちろん蛇足です。
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ちょっとだけ…のつもりが引き込まれて一気読み。そこはかとなくユーモラスで面白かった。兄が良い。とても良い。
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2022.5.3読了 会社を綴る人、のタイトルから社史に関わる作品なのかなと思い、本作を手に取った。 社史といえば、昔読んだ三浦しをんさんの「星間商事株式会社社史編纂室」が面白かった。今だったらそんな部署、滅多にお目にかかれないのではないだろうか。 本作の主人公もそんな部署ではなく、総務部に配属される。 文章を読み書きするのが好きで、それが唯一の取り柄だと自覚する紙屋はダメ元で受けた製粉会社にどういうわけか採用され、毎日のように何かとやらかしている。 けれどある事から、文章の力で自分はこの会社でやっていこうと奮い立つのである。 紙屋が文章について「読まれない」事に苦心している場面がある。 総務部の紙屋は、社内の通達などをメールで送るのだが、先輩社員の用意した雛型ではまったく読まれないのである。 それで紙屋はどうやったら読まれるのかを考えるのだが、その結果出来上がった文章はちゃんと社員達に読んでもらえたのだ。 社内メールの雛形なんて、最早記号でしかないのだろう。それでいいのかもしれない。 けれど紙屋は読まれるように努力する。はじめは先輩からせっつかれて仕方なくやる。そのうち、文章を書くことだけがこの会社で自分のできる唯一のことだ、と自分に言い聞かせ自分なりの文章を綴っていく。 紙屋がだんだんと、周りの社員達に認められていくのが自分ごとのように嬉しかった。
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文を書くこと以外に取り柄がない主人公。両親も兄も優秀でキラキラしている…。 頑張ってないわけではないのに上手くいかない。 そういう人はたくさんいる。 ひとつだけでも取り柄があるなら、そこを強みにして突き進む、というお話。 弱みを自覚している人は他人の弱みにも敏感かもしれない。世の...
文を書くこと以外に取り柄がない主人公。両親も兄も優秀でキラキラしている…。 頑張ってないわけではないのに上手くいかない。 そういう人はたくさんいる。 ひとつだけでも取り柄があるなら、そこを強みにして突き進む、というお話。 弱みを自覚している人は他人の弱みにも敏感かもしれない。世の中はデキる人ばかりでない。ちょうど仕事で行き詰まっていたので、読んで少し力が抜けたかも。
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うちの兄は漫画すら読まない。それでもサウジアラビアに巨大なビルを建てている。「本なんか読まなくたって、仕事さえできれば、それでいいんじゃないでしょうか」私だって、職場でみんなに頼られ、きれいな奥さんがいて、休日は子供と遊ぶのに忙しかったら、本なんて読まないかもしれない。いや逆だ、活字中毒でさえなければ、きちんと仕事に集中できてさえいれば、そういう生活も夢ではなかったのかもしれない。
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