火の鳥(角川文庫版・新装版)(12) の商品レビュー
「太陽編」もいよいよ最終巻。 「光」の洗脳施設で諍いを起こし懲罰で死の戦いを強いられたスグル。相手の女戦士ヨドミと戦ううちに彼女を好きになってしまう。なぜか生き返ったヨドミだったが、この機会を利用しスグルは暴動を起こし、ヨドミと共に脱出を図る。このチャンスに「影(シャドー)」...
「太陽編」もいよいよ最終巻。 「光」の洗脳施設で諍いを起こし懲罰で死の戦いを強いられたスグル。相手の女戦士ヨドミと戦ううちに彼女を好きになってしまう。なぜか生き返ったヨドミだったが、この機会を利用しスグルは暴動を起こし、ヨドミと共に脱出を図る。このチャンスに「影(シャドー)」は決起を図る。 一方、古代の世界では壬申の乱が勃発したが、戦いに向かう中、ハリマは火の鳥に遭遇する。仏教の侵略を止め狗族を救って欲しいと火の鳥に願うのだが、火の鳥は千年後の世界の光族と影との戦いをハリマに見せ、権力に使われた宗教は残忍であること、人間の権力は人間自身の手でなくすものであると語る。 そして両方の世界で戦いは遂に終わるのだが、果たして勝者は今までと違う道を歩むのか、宗教は権力と離れることになったのか。そこを描く作者の筆はかなりペシミステックだ。 しかし、ハリマと狗族の娘マリモ、スグルとヨドミのラストに、きっと手塚の夢が託されているのだろう。 「火の鳥」は作者の死により未完に終わったが、正にライフワークの名にふさわしい、壮大な一大物語を堪能した。
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革命に成功したら、大海人皇子もおやじさんも独裁者思考になってしまう。 歴史ってその繰り返しだよね。 仏教を悪者にした点もおもしろいわ。 一気読みしちゃった太陽編でした。
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人間の顔に戻ったハリマが、今までつながっていた霊界のものたちを認識できなくなって…っていうの、あるあるなんだけど悲しかったな…マリモさん……。 だから、まさかそっちがマリモさんだったとは…っていうオチ…、一千年を超えたロマンス…すごい…。
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壮大な古代と未来の時空を超えた話も大団円となる。結局のところ、権力なんて無意味だということがよくわかる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
いつの時代も人間は宗教で争い続けているというのが印象深いです。 ラストの二人が再び出会うシーンがすごい好きです。今まで読んできてこの太陽編が一番好きになりました。
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