ユーチューバーが消滅する未来 の商品レビュー
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【今の価値観を考えてみたり】 2018年に書かれた本なので、10年後を未来予測しよう、というタイトルなのだと思うけど、今の時代をどう解釈するか、という点が興味深く読めるところだと思った。 AI、機械が人間の仕事の約半分を置き換えてしまうと言われたのは2013年、YouTuberが子どもの憧れの仕事上位ランキングしているのもそんな時期で、 著者は、未来予測には社会的価値観の変化を見ることが大事、と論じる。 今の時代は乱世だ、というお話。 著者は、2011年に出した書籍で、評価経済社会、つまり、評価と影響を互いに交換し合う社会について書かれている。 自己主張することで自分の存在意義を保っている、そして、個々人が自分の好きな世界、現実を選んで生きている。組織の枠組みが緩まっている、悪くいうと、崩れている、とのこと。 そんな時代の今の文化、メディア。 自分を盛ることが流行っている。 現実は不便で、不経済で、面倒で、だからあらゆる文化、エンタメは現実逃避なのだ、と。 コンテンツはいかに「今」をうまく提供するかにかかっている。 たしかにここ5年ぐらいでまた、さまざまな動画オンラインメディアが生まれ、視聴者数を増やしている。この勢いがどこまで続くのかは分からないけれど。 どんどん新しいコンテンツを出すことが迫られているみたいで、 情報が瞬時に流通する中で、私も新しいものを見ようとする傾向にあるなーと思ったり。 SFやオタク文化に私は疎いのだけれど、 そんな世界から社会の傾向を分析するような視点で、 そういう見方もあるんだなーと思ったり。 そういう人だけじゃないけれど、そういう人はこれまでになかったから時代を象徴している、ということなんだろうな。 政治家についても。 トランプ大統領が選出された時期。 社会の複雑化は加速化している中で、一人の誰かが国を治める知識なんて持ちえるとはだれも思っていないはず。じゃあどうやって、どんなリーダーを選ぶのか。 ポピュリズムはたしかにキャラ立ちと被る部分がある。 でもカリスマ的リーダー論か、法治か、という二項対立でもないと思うし。 信頼、ノリ、この人が言ったら、おもしろそうだから付いていく、みたいな、人間性。 平時では側近や官僚や機械が出した答えを人間が伝える。 リーダーにはじゃあ、緊急時での判断力、決断力が求められるのかな、だから勘がちゃんとあるひと、決断経験が豊富な人、肝の座っている人、を選ぶのかもしれない 神の真似事。 欧米の人たちの世界観の理解の仕方の一つとして、エリート層は神の真似事をしようとしている、という話。AIを通した生命創造。 それ以外にもたぶん、不死身になろうとしているところとか、たしかにそんな雰囲気がある。 一神教文化圏にかかわらず、 みんなが世界一になる可能性がある、世界で1番にならないと認められない、そんな世の中だから、 世界一を目指している人がたくさんいる時代なのかもしれない。 世界に一つ、でもなく、自分の周りで自分だからできることで貢献する、 それを大事にできる社会はもうないのかな。 未来格差、人の縁の格差、そんな話もあった。 未来に希望を持てる人、つまり上向きな未来を見ている人と、そうでない人の生きかたには、たしかに差が出てくるんだろうと思う。実際は別として。 人の縁も一つの成功因子、ということについては、 たしかにもう少し注意を払う必要があるなーと思ったり。 生き残るためにじゃあどうするか、という点について、著者は、企業ではなく人を探す、そして、その人に役立つか、その人の機嫌を取ることを進めている。 とてもキャラの立った方で、今の時代を本当に楽しまれているのだろうと感じました。
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未来予知自体に意味はないとおもうが、 岡田さんの言う通りの世界になってきている。 評価経済世界、YouTubeへの芸能人の進出、 個性の乱立、ファクト<オピニオン。 今までは貴族・メディアの特権であったことが、 一般でもできるようになって、敷居がひくくなった。 それによって生き残れるレベルが上がって、本物しかのこれなくなった。 中途半端はいならい。 ただ、それは仕事にしたい場合で、趣味ならなんでもいい。 そのための土壌はある。 仕事はaiに奪われる。人間は不要になってくる。 ただ責任を負うのは人間。 決めること・責任を取ること。そこに価値がある。
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ほとんどのユーチューバーはAIに取って代わられるというタイトル通りの話にとどまらず、若者の関心が「恋愛」から移ってきている、貴族の趣味は生命創造、どうやったら幸福に生きられるかなど、予想外に幅広い話題に触れられていて、かなり面白かった。
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出版されてから5年後に読んだのだが、当たっているところ、納得できることも多くて面白い。 特に印象的だったのが、恋愛はコスパが悪い、子育ては趣味と資産。AIや人工知能の可能性。仕事ではなく人を見つける。 子ども達が大人になる頃にはどんな世界になっているかわからないが、著者のように技術が生活に馴染んだあとの未来を予測しておくことが大切だと思った。
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前半の価値観の変化の記載が肝だと思う 「第一印象主義、考えるより探す、中間層はいらない」というのはなるほどと思う 別の言い方をすると脳化が環境面だけでなく、ごく個人的な問題である、見た目や発言、行動まで入り込んできているということなのかと感じた。 SDGやポリコレもこの流れだろう...
前半の価値観の変化の記載が肝だと思う 「第一印象主義、考えるより探す、中間層はいらない」というのはなるほどと思う 別の言い方をすると脳化が環境面だけでなく、ごく個人的な問題である、見た目や発言、行動まで入り込んできているということなのかと感じた。 SDGやポリコレもこの流れだろう。 あと「ありのままの現実をみるより、自分の見たい世界を見る」とういのが、面白かった。
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この本が5年前に出ていて 10年後を予測していて 今から見れば5年後を予測ている本 youtubeなんかで話していることが 元になっている本らしいです。 話している人がいて それを構成してくれる人がいて 校閲してくれる人がいて 出版してくれる人がいて 流通してくれる人がいて ここに本が出来上がる。 いろんな人が本にしたいと思ってくれたからの結晶 歴史の中で生き残っている形 改善してきた形 この先を楽しみながら 今を楽しむ
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コロナウイルス禍の前に書かれた本だが、本質的な議論は時代を超越するのだと思わせられた。 時間を置いて再読したい。
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おもしろかったです。 この本が2018年に出版され、今2023年。 結構あたってるところがあったと思います。 ちょっと世の中を皮肉った内容ばかりですが、 エンターテイメントととしておもしろいかと思います。
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現代は、第一印象至上主義、考えるより探す、中間はいらないという価値観が主流であるとの主張は確かに!と思った。この確かに感が岡田斗司夫の面白さ。何かしらの根拠や統計がなくとも、共通体験とあり得そうな論理整合だけで、恰もそれっぽく語る技術が秀逸。 考えるより探す。推測する前に、イン...
現代は、第一印象至上主義、考えるより探す、中間はいらないという価値観が主流であるとの主張は確かに!と思った。この確かに感が岡田斗司夫の面白さ。何かしらの根拠や統計がなくとも、共通体験とあり得そうな論理整合だけで、恰もそれっぽく語る技術が秀逸。 考えるより探す。推測する前に、インターネットで検索してしまえる時代の行動。図書館で探すには行動が伴うから、付随する前後の段取りや交流による調べたい事とは異なるオマケがある。オマケは、人生の暇つぶしにも有効。新聞や本、辞典で調べると、無関係な記事やページが目に入り、ここでもオマケ。人に聞くにしても、現場に行くにしても、オマケが付いてきて、人生を程よく消費できる。ネットだと、それが無い。 中間がいらないとか、リアルの不細工同士による恋愛はいらないとか、実はかなり極論だ。人間は、ある程度、肉体や土地に縛られるから、完全に解放された前提は成立しない。まして、誰しも良好なバーチャル環境が与えられるわけでもない。 理不尽や不協和、想定外、不合理こそが人生。オマケを楽しむ価値観を大事にしたいものだ。
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「評価」が貨幣よりも価値を持つ時代。 Amazonレビューや食べログのように、評価でそのものの価値が決まる時代に、「自分の評価」を上げることの大切さを考えさせられました。 文中にもある通り、有名ユーチューバーたちも実際に、昔より食えなくなってきています。それはなぜか? テクノロジ...
「評価」が貨幣よりも価値を持つ時代。 Amazonレビューや食べログのように、評価でそのものの価値が決まる時代に、「自分の評価」を上げることの大切さを考えさせられました。 文中にもある通り、有名ユーチューバーたちも実際に、昔より食えなくなってきています。それはなぜか? テクノロジーの進化についても考えさせられました。
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