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お金のために働く必要がなくなったら、何をしますか? の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2021/07/28
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※このレビューにはネタバレを含みます

「働かざる者食うべからず」は基本的人権を尊重しているのか? 働けない人、働いてもそれが経済活動にリンクしていない人(家事のみをしている等)…これらの人には衣食住の権利がないのだろうか? ベーシックインカムという考え方がある、どんな人にも最低限人間らしく生きるための収入を与える、人としてきていくうえでの不安を最低限払しょくさせる考え方である。この本では、このベーシックインカムを主題にしている。その理論の経済学社会学的説明や推移などが書かれている。 が、タイトルの「じゃベーシックインカムが制度化されたとして何をしますか」という部分は全くとっていいほど触れられていない。大げさに言うなら「タイトル詐欺とも言える。実はそこがとても残念だった。 ベーシックインカム制度については、あったらいいなぁと思う反面、現実的には無理だろうなと思っている。配給制や原始共産制が成功した試しはない。人間はそこまで立派に成長していないんだと思う。ベーシックインカムを搾取しようとする連中はたくさん出てくるだろうし、あえてそこに引っかかりにいく連中もたくさん出るだろう(パチンコに費やすなど)。生きていくに困らない収入があればしたくない仕事はしなく済むのだろうか?キツくて辛い仕事は、現実にそこにあると思うんだが、それはAIやロボットで全て賄えるのだろうか? そういうところにもっと触れてくれるのかと思ったら、そこは置いといてぇ、なんだもんなぁ。 最終章、京都の本町エスコーラの章で「ベーシックインカムがあったら何をしたいのか?それは今できないのか?ベーシックインカムのある社会が理想ならそこに近づく実践をしようじゃないか」的な記載があって、そこが大きな救いだった。

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2021/03/25

ベーシックインカムについてその理念や方向性をメインに描かれたもの。ベーシックインカムできるかできないかではなく、ベーシックインカムが考える世界で「あなたはどう生きるか」を問うている。 また、ジェンダーや民主主義など多面的な立場からベーシックインカムを述べていて、労働や経済が社...

ベーシックインカムについてその理念や方向性をメインに描かれたもの。ベーシックインカムできるかできないかではなく、ベーシックインカムが考える世界で「あなたはどう生きるか」を問うている。 また、ジェンダーや民主主義など多面的な立場からベーシックインカムを述べていて、労働や経済が社会の様々な問題に大きな影響を与えていることを実感した。

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2020/11/05

ベーシックインカムの前提にある思想として、働くことと収入を得ることは別のことと考えるそうだ。 お金のためならどんな悪いことをしてでも稼ぐという考え方の対極にある発想だろう。 しかし、やっぱり、働くことと、収入を得ることは、つながってなければ無意味だ。 動物たちも、食べ物を得るため...

ベーシックインカムの前提にある思想として、働くことと収入を得ることは別のことと考えるそうだ。 お金のためならどんな悪いことをしてでも稼ぐという考え方の対極にある発想だろう。 しかし、やっぱり、働くことと、収入を得ることは、つながってなければ無意味だ。 動物たちも、食べ物を得るために動いている。 いくらベーシックインカムで収入が得られても、音楽とか絵画とか、好きなことだけやって生きることに、人間は耐えられないだろう。退屈でしょうがなくなる。 食べ物を得るため、住む場所を確保するためにこそ、知恵を絞り、体を動かす意味が生じる。 そして、そこに本当の楽しみがある。 ぎりぎりクリアできる程度のゲームであってこそ、楽しめるのだ。 難しすぎても、簡単すぎてもいけない。 現実の世界は生きるのが難しすぎる。だからベーシックインカムにより人生ゲームの難易度を下げて、クリアできるレベルにする必要があるのだと私は思う。

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2020/09/17

ベーシックインカムにまつわる基本的考え方や、ベーシックインカムの考え方の普及に向けた活動の紹介、理論などを紹介した著作

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2020/03/28

1・2章がとりわけ読みやすく考え方も凝縮されている。以降はちょっと難しい内容も多い。 6章も理解は難しかったのだが、「AIにより雇用が減るからベーシックインカム」という考え方に対するカウンター?留保?を提言していて(現在の生産性向上は自然搾取であり持続可能ではない。自然との対話的...

1・2章がとりわけ読みやすく考え方も凝縮されている。以降はちょっと難しい内容も多い。 6章も理解は難しかったのだが、「AIにより雇用が減るからベーシックインカム」という考え方に対するカウンター?留保?を提言していて(現在の生産性向上は自然搾取であり持続可能ではない。自然との対話的関係が必要)、非常に重要だと思った。ギフトエコノミーというキーワードを覚えておきたい。

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2019/03/16

2019年3月15日 36冊目(3-7) ベーシックインカムについて。 ○ビル・ゲイツはロボット税を提唱。他方、技術革新による職の減少は不可逆的だから、賃金とは別の所得保障の仕組みが必要だとの考えもあります。 これまでの当たり前とは異なる考え方。良いか悪いかはわからないが、...

2019年3月15日 36冊目(3-7) ベーシックインカムについて。 ○ビル・ゲイツはロボット税を提唱。他方、技術革新による職の減少は不可逆的だから、賃金とは別の所得保障の仕組みが必要だとの考えもあります。 これまでの当たり前とは異なる考え方。良いか悪いかはわからないが、新しいものを取り入れるという意味では良い。個人的には理想。

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2019/01/23

概要 ・シンポジウムを基に、実現したい社会観、主張、具体的な活動例、活動とBIの関わり。および著者の書き下ろしでBIの理念や給付実験などの補足説明。 ・恐らくBI活動の理念や願いを扱ってる本。基本的な内容(既存の社会保障との関係、思想・運動の歴史、経済学的な議論)は、同著書の前作...

概要 ・シンポジウムを基に、実現したい社会観、主張、具体的な活動例、活動とBIの関わり。および著者の書き下ろしでBIの理念や給付実験などの補足説明。 ・恐らくBI活動の理念や願いを扱ってる本。基本的な内容(既存の社会保障との関係、思想・運動の歴史、経済学的な議論)は、同著書の前作『ベーシック・インカム入門 -無条件給付の基本所得を考える』を読んだ方が良さげ。 感想 はじめて読んだBI本でした。 シュミット氏の運動の姿勢(アート活用、どんな主義主張も否定しない・肯定した上で良いものを目指す姿勢)は良いなと思います。 ただ、BIはフリーライドや悪意に弱そうとか、理想の実現方法としてBIが最適なの?という疑問とか、読んだ後もスッキリしない感じでした。『入門』読めってことかなぁ。

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2018/11/24

分業社会という前提があるから労働が他人のためになる。一方で収入は自分のため。一度、労働と収入を切り離して考えてみる発想。 社会的に不要だが対価が支払われる労働から、社会的に必要だが対価が支払われない労働や誰もやってない労働に時間をシフトさせていく発想。 自律的な生き方、対話(...

分業社会という前提があるから労働が他人のためになる。一方で収入は自分のため。一度、労働と収入を切り離して考えてみる発想。 社会的に不要だが対価が支払われる労働から、社会的に必要だが対価が支払われない労働や誰もやってない労働に時間をシフトさせていく発想。 自律的な生き方、対話(自分や他人の価値観をアップデートする手段として)の重要性と、ギフトエコノミー(精神的循環・社会的循環・自然の循環)とBIを繋いでくれる切り口がとても面白かった。 5章は攻撃的でまるで別の本のように感じた。

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