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ポリヴェーガル理論入門 の商品レビュー

4.5

12件のお客様レビュー

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2025/11/03

「ポリヴェーガル」ポリとは「複数の」ヴェーガルとは「迷走神経経路」のことを指す。この本の著者ポージェス医師が作り出した造語である。 ポージェス医師曰く、自律神経には一般的に知られている交感神経、副交感神経だけではなく、それぞれ脳幹の出発地点も機能する内臓部分も異なる進化の過程で...

「ポリヴェーガル」ポリとは「複数の」ヴェーガルとは「迷走神経経路」のことを指す。この本の著者ポージェス医師が作り出した造語である。 ポージェス医師曰く、自律神経には一般的に知られている交感神経、副交感神経だけではなく、それぞれ脳幹の出発地点も機能する内臓部分も異なる進化の過程で生まれた3つのシステムがあるという。 ひとつは、無髄(髄鞘に覆われていない)の迷走神経経路。横隔膜より下の臓器の迷走神経を制御している。これは爬虫類の時代からある最も古い迷走神経経路で、このシステムが防衛に使われると不動状態(死んだふりや失神、虚脱などの仮死状態や解離)を引き起こす。 ふたつ目は交感神経。これが防衛に使われると身体は可動化され、逃走闘争反応を引き起こす。 三つ目は有髄の迷走神経経路で、横隔膜より上の臓器や表情筋などの制御を行う。このシステムが最も新しく、社会的交流をするための機能(人の声を聞き分けたり、人の表情を判断する)を持っている。 防衛機能は有髄→交感神経→無髄の順に外部からの「合図」で切り替わるが、そのスイッチは本人に知覚できない。博士はこの無意識に起こる神経の伝達を「ニューロセプション」と定義している。 この本は、トラウマ反応やPTSDは体が外部からの危険を察知し、自分自身を守るために引き起こした現象であり、これによる異常な行動に対して非難や恥を感じるのではなく、むしろ体がきちんと防衛機能を果たして身を守ったということを尊重すべきだと示している。 防衛反応が社会的な状況にそぐわないだけであって、体の反応に善悪はない。「安全」だと体が感じられる状態や環境を整えることで、徐々に迷走神経経路の機能を適切にコントロールできるようにすることが、セラピストに求められるゴールである。 また、「危険」と合図を察知する状況は人によって異なる。ある人にとってはなんてことない場面でも、ある人にとってはパニック発作を起こすほどの脅威に感じられる。地獄の場所は人それぞれということを理解しておかなければ、その状況だけで異常行動と判断してしまう。大事なのは紋切り型の状況判断ではなく、実際にその人の体がどのように反応したのかが重要である。 納得できる部分が多いが、「安全」を感じて人とのコミニュケーションを図ることが最終目的としているところで、外向的な人向けの理論だなという感じがした。人の中には、人と会話をすること自体が労力と感じる人もいる。博士の理論では有髄神経が上手く機能していないと判断されるかもしれないが、それでは内向的であることに欠陥があるということだろうか。また、「安全」な人を見つけること自体ハードルが高く、安全ではない人とコミニュケーションをとった結果、再び迷走神経の制御ができなくなることも考えられる。 結局、個人で対応できることは限定的であり、もっと社会全体で「安全」を感じられる環境づくりについて考えなければならないのだろう。

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2025/10/05

医学的な言葉が多く難しいところも多かったが、読んでよかった。 トラウマを抱える子どもたちと話す中で、攻撃を向けられた、繋がれない感を感じ、こちら側も反応しやすくなり、自身の課題なのかと思っていたが、認知の問題ではなく、相手からの安全サインを感じれいことで起こる生物学的な反応なのか...

医学的な言葉が多く難しいところも多かったが、読んでよかった。 トラウマを抱える子どもたちと話す中で、攻撃を向けられた、繋がれない感を感じ、こちら側も反応しやすくなり、自身の課題なのかと思っていたが、認知の問題ではなく、相手からの安全サインを感じれいことで起こる生物学的な反応なのかなと思うと見方が変わった。 こちらから出るノンバーバルな情報がいかに重要で、環境整備の大切さも改めて感じた。

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2025/04/08

「身体の反応に『悪い反応』などというものはない」 社会に適応する事に困難を抱えている人達への肯定的なメッセージがすてきだと思う。 哺乳類の秘密をひとつ知った気持ちになった。 困難を抱えている犬達の安全を感じられる環境づくりのヒントがあって、読んで良かった。

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2024/07/04

最近よく目にするポリヴェーガル理論について知るなら、この本を読むのがいちばんだと思う。 3つの神経とニューロセプションというナラティブを手にして、新たな視点から身体について考察するのは面白い。しかし、まだナラティブの域を出ておらず、あらゆるものが数値として可視化される現代科学にお...

最近よく目にするポリヴェーガル理論について知るなら、この本を読むのがいちばんだと思う。 3つの神経とニューロセプションというナラティブを手にして、新たな視点から身体について考察するのは面白い。しかし、まだナラティブの域を出ておらず、あらゆるものが数値として可視化される現代科学において、これが科学として認められ得るのか気になったが、経験知として膨らんでいくのだろうか?

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2022/06/19

内容はとても知りたい事だったので読んで良かったが、読み易くはない。 年1度位の頻度で起こる謎の不調が迷走神経反射という現象なのだと30代になって知り、40代になってポリヴェーガル理論というものを知った。 安全かどうかは私の意識の中ではかなり重要だったが、考えれば考えるほど現実は安...

内容はとても知りたい事だったので読んで良かったが、読み易くはない。 年1度位の頻度で起こる謎の不調が迷走神経反射という現象なのだと30代になって知り、40代になってポリヴェーガル理論というものを知った。 安全かどうかは私の意識の中ではかなり重要だったが、考えれば考えるほど現実は安全ではない様に思われた。 しかしこの本では、意識で“安全”かどうかを判断する事ではなく、無意識が“安全と感じられる”かどうかについて着目している。

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2021/08/04
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※このレビューにはネタバレを含みます

非常に面白かった。 特に、身体感覚から脳の機能を考えるところになるほどと思った。 トラウマなどで人との交流が持てなくなってしまっていることも、自分の体が最適に対応した結果と考えるとクライアントの精神状態が改善するのも納得した。

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2021/03/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

紹介 常識を覆す画期的理論、初の邦訳。哺乳類における副交感神経の二つの神経枝とトラウマやPTSD、発達障害などの発現メカニズムの関連を解明し、治療への新しいアプローチを拓く。「安全である」と感じることが社会行動、生理学的状態に及ぼす重要性とは。(版元ドットコムより) https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393365540.html

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2020/08/15

交感神経と副交感神経という単語は聞いたことがある方は多いと思いますが、この本は副交感神経の下位システムとして迷走神経がある、としたうえで、迷走神経と人間の心理的/社会的行動を結びつけている本になります。 本のタイトルは「複数の(ポリ)迷走神経経路(ヴェーガル)」から来ています。迷...

交感神経と副交感神経という単語は聞いたことがある方は多いと思いますが、この本は副交感神経の下位システムとして迷走神経がある、としたうえで、迷走神経と人間の心理的/社会的行動を結びつけている本になります。 本のタイトルは「複数の(ポリ)迷走神経経路(ヴェーガル)」から来ています。迷走神経の働きにより、人が恐怖を感じた時に体が動かなくなる、などが引き起こされるとされています。 トラウマや自閉症などについて、迷走神経が影響していることが説明されており、乗り越え方についても一石を投じています。問題が起きた時に上手く行動できなくなることも多いですが、迷走回路による生物として自然な行動かもしれません。 仕事などでも上手く動けない場合に、本人の努力不足などに焦点が当たることも多いです。しかし、本当は迷走神経による体の正しい反応で動けなくなるかもしれません。本書は迷走神経の観点から「安全」であることの重要性も説いています。本書を読むことで、これまで経験則に理解していた心理的行動が神経系の話と結びつき、新しい知識とともに強い納得感を得られました。

Posted byブクログ

2020/03/22

トラウマとは、「安全ではない状況に適応した、自律神経の誤作動」であるというポリヴェーガル理論を対話形式を交えて明らかにする。誤作動には、戦ったり逃げたりするための反応だけでなく、死んだふりをするための反応もある。 個人的に重要だったのは、音楽を聞かせることで自閉症や聴覚過敏を緩和...

トラウマとは、「安全ではない状況に適応した、自律神経の誤作動」であるというポリヴェーガル理論を対話形式を交えて明らかにする。誤作動には、戦ったり逃げたりするための反応だけでなく、死んだふりをするための反応もある。 個人的に重要だったのは、音楽を聞かせることで自閉症や聴覚過敏を緩和するリスニングセラピーについての記載があった点。

Posted byブクログ

2020/03/04

ストレス学説の中で理論的位置づけが難しかった、フリーズするというということが、ポリヴェーガル理論で明確になった。また、サピエンス全史で明らかにされた、認知革命と、人が社会的つながりの中で生きていこうとしていることがよくわかる。

Posted byブクログ