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戒名探偵 卒塔婆くん の商品レビュー

3.6

38件のお客様レビュー

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2024/05/19

誰も死なないミステリー。いえ、お亡くなりにはなっているけれども、もう亡くなってだいぶ経ちます。なんたって戒名に纏わる話だからね。 三篇の短編と一篇の中編を収録。中編の終盤ではうるっとも有り〼。 キャッチーなタイトル、テーマ、キャラクターなので漫画になりそう。キャラが漫画的なだ...

誰も死なないミステリー。いえ、お亡くなりにはなっているけれども、もう亡くなってだいぶ経ちます。なんたって戒名に纏わる話だからね。 三篇の短編と一篇の中編を収録。中編の終盤ではうるっとも有り〼。 キャッチーなタイトル、テーマ、キャラクターなので漫画になりそう。キャラが漫画的なだけでなく、文体もチャラめの男子高校生の一人称でライト。the ラノベと言った感じ。 おそらく戒名探偵くんに推理をお願いするために話の展開上仕方ないんだと思うけど、ちょっと強引で横暴で話を聞かないキャラクターが出てくるのと、ところどころ理解できない価値観が入っていて論理が飛躍しているように感じるのが、個人的には少し読みづらかった。 戒名どころか現行の仏教のことは日本史レベル(起源など)しか知らないので勉強になった。本作の初出は10年以上前だけど、その頃から我が家のようにお墓も戒名もいらないという人、増えてたんだなあ。何代にも渡って定住している人で無ければお寺とゆかりなんてないだろうし、お墓の管理していくのも一苦労だもんね。 有名そうな和菓子の名前がたくさん出てくるので、甘いもの好きならきっと和菓子が食べたくなること請け合い。私は和菓子は苦手なので、代わりにいい玉露が飲みたくなりました。 【少しネタバレ】 「戒名探偵」というタイトルだから、毎回戒名を手がかりに謎を解き明かすのかと思いきや、そういう展開は一篇目だけ。他のお話でも戒名は出てくるには出てくるけど、少し思ったのと違う展開。最後の中編は、遺産関係のお家騒動がメインなので私は苦手だった。でも終盤いい話だったので、読後感はまあまあ爽やか。

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2024/04/11

戒名探偵だなんて、ずいぶん地味なテーマ…と思いつつ、この作家は、「トッカン」シリーズをだいぶ前に面白く読んだので、つい手に取った。 無宗教な私でも、仏教やお寺のこと、お釈迦様や如来様⁉︎戒名の仕組みが分かって、面白く、後半に向けて、謎めいていく展開も。 お墓って不吉な印象だった...

戒名探偵だなんて、ずいぶん地味なテーマ…と思いつつ、この作家は、「トッカン」シリーズをだいぶ前に面白く読んだので、つい手に取った。 無宗教な私でも、仏教やお寺のこと、お釈迦様や如来様⁉︎戒名の仕組みが分かって、面白く、後半に向けて、謎めいていく展開も。 お墓って不吉な印象だったけど、これからはそあでもなくなるかな。

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2024/01/05

ラノベ風なタイトルとノリに敬遠されてしまう方もいるかもしれませんが、構成もしっかりしていてとてもおすすめの小説です。 お寺の息子の主人公と、高校の同級生で戒名をみればその人の人生や亡くなった時期経緯を読み取れる同級生(戒名探偵の外場くん)の話です。 前半は短編集。お寺への依頼を読...

ラノベ風なタイトルとノリに敬遠されてしまう方もいるかもしれませんが、構成もしっかりしていてとてもおすすめの小説です。 お寺の息子の主人公と、高校の同級生で戒名をみればその人の人生や亡くなった時期経緯を読み取れる同級生(戒名探偵の外場くん)の話です。 前半は短編集。お寺への依頼を読み解いていきさくさくと読めますし、戒名が読み解かれていく経緯がすっきり楽しめます。 後半は中編小説。とある大企業の創始者の生前戒名の募集に応募することになり……そこから読み取れていく、創始者の方のストーリー、太平洋戦争でのリアルなエピソードとその結末がとても重厚なストーリーです。前半の学園モノの軽めのノリが合わなくてもなんとかここまで読み進めていただきたい…!!! 「いまだ冬を見ず」のタイトルの意味が読み始めと読み終わりでぐっと変わります。

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2023/05/20

高殿さんの著作は様々な分野にわたっていますね。これは戒名ですか。 外場くんの知識がすごい。本当のところ、何者なのか謎のまま。「ぬるっと」という行動の形容が独特。どんななんだろうと思わせる。面白さだけでなく、『いまだ冬を見ず』は秀逸です。戦争をこういう視点で考えたこと無かった。彼の...

高殿さんの著作は様々な分野にわたっていますね。これは戒名ですか。 外場くんの知識がすごい。本当のところ、何者なのか謎のまま。「ぬるっと」という行動の形容が独特。どんななんだろうと思わせる。面白さだけでなく、『いまだ冬を見ず』は秀逸です。戦争をこういう視点で考えたこと無かった。彼の地に眠る方々の冥福をお祈りします。

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2022/11/10

金満寺の次男坊、金満春馬は、とはいえ家業に全く興味もなくのんべんだらりと過ごす高校生。元ヤン長兄は二十歳を機に得度し今じゃ立派な横暴後継坊主であるが、扶養家族として頭が上がらない日々。ある日兄に寄ってもたらされた、持ち主不明の墓石の縁故者を調べないと墓石と同衾させられることになる...

金満寺の次男坊、金満春馬は、とはいえ家業に全く興味もなくのんべんだらりと過ごす高校生。元ヤン長兄は二十歳を機に得度し今じゃ立派な横暴後継坊主であるが、扶養家族として頭が上がらない日々。ある日兄に寄ってもたらされた、持ち主不明の墓石の縁故者を調べないと墓石と同衾させられることになる。慌てふためいた春馬はふと、同級生の外場薫に頼ることを思いつく。常に冷静で異様に仏教や歴史に造詣の深い彼ならば、あるいは…… いや〜仏教とか寺の話とか戒名の話とか全然理解が深くないので知らないことばかりで楽しかった!どこからこんな発想の謎思いつくんだろ?ちょっと春馬が全方位から塩対応されすぎてつらいけど、本人は至ってノーテンキなので気が抜ける。ラストの中編は、戦争のことも絡まり思いがけずぐっときた。

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2022/05/31

高殿さんの本を読みたくて借りた。 高殿さんも変わったところに目を付けたなー戒名探偵だなんて。 外場くんの知識はすごい。春馬のことを龍円師も外場くんも莫迦だというけれど、一般的な高校生は春馬の方じゃないかなぁ。最後の話は、戦争の話がとても重たかった。著者が大変に勉強された旨が伺えた...

高殿さんの本を読みたくて借りた。 高殿さんも変わったところに目を付けたなー戒名探偵だなんて。 外場くんの知識はすごい。春馬のことを龍円師も外場くんも莫迦だというけれど、一般的な高校生は春馬の方じゃないかなぁ。最後の話は、戦争の話がとても重たかった。著者が大変に勉強された旨が伺えた。たくさんの人に知ってほしいと思った。

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2021/12/19

連作短篇集。 魅力的なキャラ設定に、仏教用語を散りばめながらもユーモアたっぷりな展開。 そして最終話は心揺さぶられます。面白かった。

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2021/11/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

探偵とは言いつつ、ミステリカテゴリなのか悩むところです。 初めの短編はコメディタッチだったのですが、最後のオータムヴィレッジのお話は推理ものというより戦争小説でしたね。切なくなりました。 設定が面白かったですね。 続編もありそうな終わり方でしたね。 ちょっとした雑学も得られる本でした。

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2021/03/29

それなりに由緒ある寺の次男の春馬が、住職代行の元暴走族の成人童貞な兄や同級生かつ幼馴染で容赦ない性格の寺の娘に押し付けられた戒名や墓に纏る無理難題を何故かその分野に詳しい謎の多い同級生の外場君に泣き付いて解決してもらう短編集+中編1本。仏教や戒名に関する蘊蓄で謎を解くのが新鮮。登...

それなりに由緒ある寺の次男の春馬が、住職代行の元暴走族の成人童貞な兄や同級生かつ幼馴染で容赦ない性格の寺の娘に押し付けられた戒名や墓に纏る無理難題を何故かその分野に詳しい謎の多い同級生の外場君に泣き付いて解決してもらう短編集+中編1本。仏教や戒名に関する蘊蓄で謎を解くのが新鮮。登場人物皆キャラが立っていて掛け合いが楽しい。語り手の春馬莫迦にされ過ぎだけど明るくめげないので読み口は軽い。が、中編のある大物に生前戒名を気に入ってもらって財産を相続しよう!計画から始まる「いまだ冬を見ず」が思わぬ重い歴史に繋がりしんみりした。しかしこれがどうも浮いている気がしてならない。短編のノリで統一しても良かったんじゃ、とふと思った。

Posted byブクログ

2020/11/28

キャラ設定も良くて1つ目を読んだときにはなかなかいけると思ったのだが、その後イマイチ盛り上がっていかなかった。主人公のキャラは良いのでネタがあれば続編を出してほしいと思う。

Posted byブクログ