終生 知的生活の方法 の商品レビュー
「初老から古希くらいの人を相手に座談する様な形で書いた」と巻末に書いてあったが、知の巨人、渡部昇一先生が最晩年に書かれた人生訓に触れることは、どの世代であっても役に立つだろう。 若い時からの心掛けが積み重なって、老齢になった頃には大きな差となって現れるのだから、年齢に関わらず読...
「初老から古希くらいの人を相手に座談する様な形で書いた」と巻末に書いてあったが、知の巨人、渡部昇一先生が最晩年に書かれた人生訓に触れることは、どの世代であっても役に立つだろう。 若い時からの心掛けが積み重なって、老齢になった頃には大きな差となって現れるのだから、年齢に関わらず読んで損はない。 文字は大きく太めで、行間もたっぷり取ってあり、老齢でも読みやすそうに作ってある。
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渡部昇一、享年86歳。何かに裏付けられた確かなデータではないが生活にポリシーをもって生きた。そのこだわりの幾つかが語られる。冒頭の妻からの一言も感慨深い。知的生活とは。知識人とは少し掛け離れた、儀式めいたライフスタイルも多い。しかし、それこそが個性であり、人の嗜好や生き方に合理性...
渡部昇一、享年86歳。何かに裏付けられた確かなデータではないが生活にポリシーをもって生きた。そのこだわりの幾つかが語られる。冒頭の妻からの一言も感慨深い。知的生活とは。知識人とは少し掛け離れた、儀式めいたライフスタイルも多い。しかし、それこそが個性であり、人の嗜好や生き方に合理性なんて無いことの証左かも知れない。 スポーツに限らずイメージトレーニングを重視するとか、乾布摩擦やウォーキング、冷水を浴びるような健康法とか、英語の素読の習慣とか。ジョギングは否定しないが自分には合わないとか、妻とは体感温度が異なるため老年に寝室を分けたとか。何だか、フツーの生き様である。しかし、それが自然体で素直に歳を取るとはこうか、と感心する。 身体と頭が衰えず、会話や食事が楽しめれば、日々の生活は幸せなのではないだろうか。新しい世界を見たい、刺激があり影響の大きな仕事をしたいという意欲は、身体の健康状態によるのだろう。歳を取れば、無理が効かなくなる。年齢による所が大きいだろうが、人間の野心、性格、行動はその人の健康状態に左右される。健康状態が出発点、健康第一かと改めて思う。
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人生のイメージトレーニングをする=将来の自分の生活をイメージする。若いころから老後についてイメージトレーニングをする。 記憶力は、年とともに衰えるわけではない。むしろ65歳を過ぎてから覚えられるようになった。 年を取ったら音楽会も同じように行けなくなるかもしれない。 『菜根譚』は若い時に書かれたもの。高齢になったら参考にならない。その点、論語は長寿者の言葉。 矢沢永一『教養が試される341語』『勇気凛々こんな人生』『「人生の使い方」の教訓』 知的生産とは、高層建築を立てるようなもの。知的生活とは樹木的な生活。 人生論は、ほとんどが「半分人生をおりたような人」が書いている。実業についていない人が多い。英雄伝と同じで英雄でない人が書いたほうがいい。 舌がナマケモノにならないように、英文学の古典的名文を音読する。音読はごまかしがきかない。 仕事があるときは晩酌をしない。 一日4~5時間は体を鍛える時間に使う。 冷水シャワー、冷水摩擦、乾布摩擦、真向法、散歩と風呂、昼寝、などを含む。 睡眠時間を惜しまない。眠れなくても8時間横になる。 冷水を浴びることで副腎が刺激される。 歩行禅=歩いていると何も考えなくなる。 夜、コーヒーをご褒美に散歩をする。夜散歩すればすぐ眠れる。 朝飯は、一仕事してから=草刈りなど。起き抜けは食べない。一仕事した人が朝飯を食べる。 ニンジンジュース断食サナトリウム。 サウナや入浴で浄化する=断食をすると体が臭くなる。 私有財産を否定すると、政府の仕事に就くしかなくて体制を批判できなくなる。イギリスで民主主義が定着したのは、紳士階級の私有財産が安定していたから。 秀吉は恐怖心がなかった。「事に当たって遅るるなかれ」 「明日は明日の風が吹く」
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渡部昇一(1930.10.15~2017.4.17)「終生 知的生活の方法」、2018.11発行。「老年の豊かさについて」(2004.5)を加筆修正、大幅に改定したもの。気に留めた箇所は: ①知的生活とは、孤独と社交のバランス ②叙勲に値するのは、軍人、消防士、警察官など命がけの仕事をする人々 ③いい医者は、薬の量を減らそうと努力する。
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渡部昇一を知ったのは、 講談社現代新書 知的生活の方法 の著者としてだ。 旭屋書店の本店で第一刷を購入している。 その後の 続知的生活の方法、 講演会で入手した 知的余生の方法 そして最後が 終生 知的生活の方法 本書は、2004年に出版した 老年の豊かさ を 2016...
渡部昇一を知ったのは、 講談社現代新書 知的生活の方法 の著者としてだ。 旭屋書店の本店で第一刷を購入している。 その後の 続知的生活の方法、 講演会で入手した 知的余生の方法 そして最後が 終生 知的生活の方法 本書は、2004年に出版した 老年の豊かさ を 2016年〜2017年初頭にかけて書かれた 本書の修正加筆原稿から渡部昇一の死後に発行されたものである。 色々意見はあるとは思うが、一本筋が通っているところは認めるだろう。 最初の本に書かれた事で、座右の銘にしているのは 求めよ さらば与えられん だ。 終生 知的生活の方法 でも それを貫かれていると思う。 子供へは遺産でなく教育を残すこと 両方残せれば良いが、優先すべきは教育だ。 (美田も買えれば良いけど。) それは実践して来た事なので納得する。 オカルトチックな事ほ必ずしも賛成しないが 知的生産は、梅沢忠夫 知的生活は、渡部昇一 これは刷り込みされている。 で、本書を斜め読みせず、完読して満足している。
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(老年の豊かさについて の加筆修正版) ・健康法:真向法、英語の原著の音読 ・ラテン語の暗記:タクシー乗っている間。2度目の暗記で実力がつく。65歳過ぎたら、暗記できるようになった。 ・二木謙三の健康法、超スロー勉強法 ・三石巌:毎日体重1000分の1のタンパク質摂取。 ・リズム...
(老年の豊かさについて の加筆修正版) ・健康法:真向法、英語の原著の音読 ・ラテン語の暗記:タクシー乗っている間。2度目の暗記で実力がつく。65歳過ぎたら、暗記できるようになった。 ・二木謙三の健康法、超スロー勉強法 ・三石巌:毎日体重1000分の1のタンパク質摂取。 ・リズムある生活:朝冷水、英文学の古典的名著を20-30分音読。午前中から昼過ぎまで、専門の本を読んだり、原稿を書く。午後は小説、昼寝。 ・ハイエク 隷従への道 the road to serfdom。
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今までになくうっすい内容なので、執筆してないと思う。インタビューを編集者が文字起こししたのか知らんが、テーマがあちこちいく。老後について議論したいのではなく、老人が自由に喋っている感じ。でも流石の知の巨人。楽しませてくれる。主張や論説というよりはエッセイ。
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人生において、 自身の人生のモデルとなるような「師」と出会えるかどうか非常に重要なことだ。 「師」というのは、 心底こうゆうふうになりたいというような直感で自分自身が見いだすものだ。 やはり、若さというのは 「いつになっても将来のことを考えている」人であって、皮肉なことに年...
人生において、 自身の人生のモデルとなるような「師」と出会えるかどうか非常に重要なことだ。 「師」というのは、 心底こうゆうふうになりたいというような直感で自分自身が見いだすものだ。 やはり、若さというのは 「いつになっても将来のことを考えている」人であって、皮肉なことに年齢が30代でもすでに将来のことを考えなくなり老人の域にいる豪傑もいることだろう。 いくつになっても頭脳と身体は鍛えることができることは、この著書を拝読してもよくわかる。 ゲーテもこよなく孤独を愛したように、精神の修養には、静謐(せいひつ)な時間と空間が必要だ。 苦労は買ってでもしろとよく言うが、 読書ほど買ってでも苦労した方がよいものもあまりないだろう。 古典など、世界の超良書を若い時分に読みこなす習慣が身につけば、その複利は雪だるま式になって後年になって返ってくる。 世の中には、超人的な老人がいる。 むしろ、年齢は高いが精神も肉体も相当に若い意味で、若人である。 90を超えても尚より一層精力的に活動をし、身体も鍛えて筋力が70の時よりも向上している。 99歳でスキーをしたり、60を超えてから300冊の本を執筆したりと、この本はそういった例の枚挙にいとまがない。 やはり、知的生活には健全な肉体が必要不可欠なのだ。 種の起源の原理を発見したウォーレスという博物学者が信仰心からではなく、自然科学的な調査から、霊魂は存在すると結論づけたことは驚きだ。
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