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書物のある風景 の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2023/05/27

古今東西の書物を携えた人々の絵画、彫刻、写真など含めたアート作品の数々を収録。 ミレル・ラゴス「わが家」のインスタレーションとか、面白いなあ…。 アリシア・マーティンの作品は収録作より、滝のように窓から大群で落ちていく本の飛瀑の作品がショッキングで好きだな。 王慶松の写真作品はど...

古今東西の書物を携えた人々の絵画、彫刻、写真など含めたアート作品の数々を収録。 ミレル・ラゴス「わが家」のインスタレーションとか、面白いなあ…。 アリシア・マーティンの作品は収録作より、滝のように窓から大群で落ちていく本の飛瀑の作品がショッキングで好きだな。 王慶松の写真作品はどれもショッキングで凄いな…他のも見てみたい。 マーク・ディオンのインスタレーション、暗くて悲しくて、個人的にとても好きだ…。他のも見たい…。

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2020/10/26

とにかく古今の、書物が出てくる絵画・美術作品を300点近くも集めて本にしたというのが面白い。巻物の時代から今日に至るまで、人類の進歩は書物とともにあったのだ。著者は、キリスト教はイスラム教などと同じく文書の宗教だと言っているが、そのこともよく分かる。書物をモチーフにした現代アート...

とにかく古今の、書物が出てくる絵画・美術作品を300点近くも集めて本にしたというのが面白い。巻物の時代から今日に至るまで、人類の進歩は書物とともにあったのだ。著者は、キリスト教はイスラム教などと同じく文書の宗教だと言っているが、そのこともよく分かる。書物をモチーフにした現代アートをたくさん取り上げていて、特に解説がついているのが多い。意外と作品のインパクトは強くないように思う。本好きには読書はとにかく喜びであり、批判の対象にはなり得ない。他の問題とすべきことは世界に溢れているのだから。表紙のエドーワード・ホッパーの「車両293、個室C」は、一見読書の愉しみを描いているようでいて、白漠とした孤独を感じるが、どうなんだろう。

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2019/11/03

「長い一日の終わりに良い本が待っている、とわかっているだけで、その一日を幸せに過ごすことができる。(キャスリーン・ノリス)」[p.174] 「小金があれば、わたしは書物を買う。金が残れば、食料と衣類を買う・(ロッテルダムのエラスムス)」[p.258] 「紙は燃えるが、言葉は自由に...

「長い一日の終わりに良い本が待っている、とわかっているだけで、その一日を幸せに過ごすことができる。(キャスリーン・ノリス)」[p.174] 「小金があれば、わたしは書物を買う。金が残れば、食料と衣類を買う・(ロッテルダムのエラスムス)」[p.258] 「紙は燃えるが、言葉は自由に羽ばたく。(アキバ・ベン・ヨセフ)」[p.284]

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2019/01/21

古今東西、書物を題材に取り入れた芸術を紹介する一冊。 文章は少なく、ゆっくりと眺め楽しめると思います。 本は高価・廉価、読書のため蒐集のため、状況によって大きく違った立場をとります。 絵や写真から、書物の持つ力とその限界や変遷を感じ取れました。

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2018/11/28

「考える/分類する」を読んだあとということもあって余計によい。読書の内容ではなくて、読書の姿勢、読むという行為そのものをまさに集めているからだ。 果たして、「本を読みたい」のか、「本の中身を知りたい」のか、誰しも意外とここは曖昧だったりするのではないか マングェルの「読書の歴...

「考える/分類する」を読んだあとということもあって余計によい。読書の内容ではなくて、読書の姿勢、読むという行為そのものをまさに集めているからだ。 果たして、「本を読みたい」のか、「本の中身を知りたい」のか、誰しも意外とここは曖昧だったりするのではないか マングェルの「読書の歴史」でも、古今東西さまざまな読書している姿の絵などが集められている章がある。良いアナロジーがうまれてくる。 ここにある本を読んでいる姿に共感しない読書家はいないだろう。 ときに近視、ときに遠視、座りながら、寝そべりながら、立ったまま、、、 読みながら寝てしまってる絵なんか、最高だ。 読書の至福、恍惚。 このテーマであれば最初に浮かびそうな、ラファエロによる「アテナイの学堂」のアリストテレスとプラトンなんかは逆にない。それは良い選択だったと思う。

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2018/11/07

書物の描かれた美術作品を集めた画集。写真、彫刻やインスタレーションなどの立体も含まれている。目次はないのだが、おおよその主題ごとに緩やかにまとめられている。焚書の流れには目を覆いたくなるし、本を枕にうたた寝する人々の幸せな表情には共感せずにはおれない。 すべての作品に解題があるわ...

書物の描かれた美術作品を集めた画集。写真、彫刻やインスタレーションなどの立体も含まれている。目次はないのだが、おおよその主題ごとに緩やかにまとめられている。焚書の流れには目を覆いたくなるし、本を枕にうたた寝する人々の幸せな表情には共感せずにはおれない。 すべての作品に解題があるわけではないのだけれど、時々差し込まれるそれを通じて、書物の担ってきた文化の重みが語られる。もちろん否定的な象徴として用いられることもあり、その性悪ぶりも含めて、いつの時代にも、どの地域にあっても、書物は愛おしいものとされてきたのだった。 アンドレ・ケルテスの写真集「ON READING」と合わせて読みたい。

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