前田利長 の商品レビュー
加賀前田家の二代目として、徳川家の圧力をかわしつつ近世に続く礎を築いた生涯をたどる一冊。特に関ヶ原以降における、江戸幕府の元で家の存続をかけた数々の努力や、領国支配における統治手腕など、高い政治力を認識させられる内容が興味深い。
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加賀前田家の2代当主。信長・秀吉に仕え、父利家の死後は五大老の一人として豊臣秀頼を補佐。家康暗殺計画の首謀者と讒言され、徳川に下る。関ヶ原の戦いの後、加賀・越中・能登を治めて幕藩制最大の大名として君臨し、徳川の圧力をかわしつつ領国統治に辣腕をふるった。千利休の高弟として文化にも通...
加賀前田家の2代当主。信長・秀吉に仕え、父利家の死後は五大老の一人として豊臣秀頼を補佐。家康暗殺計画の首謀者と讒言され、徳川に下る。関ヶ原の戦いの後、加賀・越中・能登を治めて幕藩制最大の大名として君臨し、徳川の圧力をかわしつつ領国統治に辣腕をふるった。千利休の高弟として文化にも通じ。270年続く前田家の礎を築いた生涯を描く。(2018年刊) ・はしがき ・第一 誕生 ・第二 大名前田利長 ・第三 利長の越中支配 ・第四 豊臣政権の中で ・第五 利長の妻子と兄弟姉妹 ・第六 家督相続 ・第七 関ヶ原の戦い ・第八 利長の戦後政策 ・第九 領国統治と家臣団 ・第十 隠居と加越能三ヵ国監国 ・第十一 利長と高山右近 ・第十二 利長の発病 ・第十三 三ヵ条誓詞と本多政重召し抱え ・第十四 利長の晩年 ・第十五 利長死語の動き ・終章 利長はどのような大名だったのか 著者は、金沢学院大学名誉教授。日本近世史が専門とのこと。 いぶし銀の前田利長。世間的には、大変地味であるが、織田信長の四女と婚姻している。 気になる点が1点ある。p207の本多政重の記述について、「上杉景勝には男子がいなかったことから、政重を家老直江兼続の娘婿に迎え、子が生まれたら景勝の養子として上杉家を継承させようと考えていた」ある。史料的な裏付けはあるのだろうが、本当にその様なことがあり得るのだろうか。疑問に感じた。
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