サイド・トラック の商品レビュー
主人公ジョセフはADD(ADHD) 注意力散漫だったり、音に敏感だったり。 それで、学校生活は大変なことの連続、クラスメートからはからかわれたりいじめられたり。 そんな状況の中、転校生の女子に助けられたことをきっかけに友達になっていく。 クロスカントリーを始めてチームメートやT...
主人公ジョセフはADD(ADHD) 注意力散漫だったり、音に敏感だったり。 それで、学校生活は大変なことの連続、クラスメートからはからかわれたりいじめられたり。 そんな状況の中、転校生の女子に助けられたことをきっかけに友達になっていく。 クロスカントリーを始めてチームメートやT監督との関わり(ひとりひとりが成長できるような接し方をしてくれる)、転校生ヘザーとの関わり(先入観なしに接してくれる)、おじいちゃんとの関わり(いつでも味方でいてくれる)などを通して成長していく。 人に信じてもらう、応援してもらうことによって人を信じたり応援したりできるようになるんですね。 クロスカントリーで「自己ベスト」を目指して得られた達成感で、すごく自信もついた様子。 人と関わることが苦手だったのに、いつしかそれに喜びを感じている、すごいな。
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https://yoshimor.hatenadiary.jp/entry/2021/02/22/053000
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【小学校高学年から、中学生にオススメの本】 「個性的な課題」をもつ主人公が、トレイルランニングに打ち込む物語。 この手のテーマには珍しく、「個性的な課題」よりもスポーツと向かいあう姿が中心となって話が進んでいくのが新鮮であった。
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アメリカのジュヴェナイル小説。主人公がADD(注意欠如)を持つ少年ジョセフで、ちょっと『夜中に犬に起こった奇妙な事件』のような感じでした。人と違うとか要領が悪いとか内向的だといじめの対象にされてしまうのは、日本もアメリカも同じみたいです。ジョセフは自分の特徴も、周囲で起こっている...
アメリカのジュヴェナイル小説。主人公がADD(注意欠如)を持つ少年ジョセフで、ちょっと『夜中に犬に起こった奇妙な事件』のような感じでした。人と違うとか要領が悪いとか内向的だといじめの対象にされてしまうのは、日本もアメリカも同じみたいです。ジョセフは自分の特徴も、周囲で起こっていることも、起きそうなことも、その原因もきちんと理解して把握しているのですが、器用に対処することも逃げることも出来ず、嫌な思いをしながらもある種諦めているような感じの子。通級指導教室という名の特殊学級の担当のT先生の取り組みで、クロスカントリーのチームに入ることになります。緑色のものが怖くて触ったり近づいたりすることも出来ないし大きい音も苦手なので、練習場に鳥のフンが落ちていたりスタート銃の音に硬直してしまったりしながら、自分が挫折したらほかの子たちもレースに出られなくなってしまうので弱音を吐きながらも真剣に努力してがんばる様がすがすがしかったです。女の子なのに背が高く運動神経抜群な転校生ヘザーとの関係が、とても良かったです。アメフトをやっている花形でルックスの良い男の子がひどいいじめっ子、というのは映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」でもそうだったしアーヴィングの小説でもあったと思うし他のミステリでも読んだことがあります。『右手にミミズク』に続き、この作品でもおじいさんの存在が光っていました。タイトルとサブタイトルについては、出版社がいろいろ考えて工夫してつけたのだろうとは思いつつ、原題に置き換える自然な日本語が無い(思いつくのは「落ちこぼれ」とかだけれど、ニュアンスが違う)のも理解しつつ、なんかちょっと、もったいない感じがしました。
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ADD(注意欠陥障害)の少年ジョセフが、ひょんなことでクロスカントリーを始めて、転校生の女の子ヘザーとの出会いもあり、少しずつ成長していく姿を描いている。 ジョセフが、今やらなければいけないことを忘れて自分の気になることに夢中になってしまう様子が、あるある!と感じる。 そしてジョ...
ADD(注意欠陥障害)の少年ジョセフが、ひょんなことでクロスカントリーを始めて、転校生の女の子ヘザーとの出会いもあり、少しずつ成長していく姿を描いている。 ジョセフが、今やらなければいけないことを忘れて自分の気になることに夢中になってしまう様子が、あるある!と感じる。 そしてジョセフの周りの大人たちが温かくみまもってくれているのが嬉しい。通級教室のT先生や図書館司書のフィッシュバイン先生、それからお母さんやおじいちゃん。 こんな風に、特性のある子供に寄り添い、前に進む言葉をかけてあげられるようになれたら、と思う。
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アメリカの中学校に通う12歳の男の子ジョセフはADDで、学校生活では、スペインの牛追い祭に例えられるほど大変な思いをしている。苦手な体育の授業では転校生女子にヘザーに窮地を救われるが、彼女ともうまく会話できず気分を害させてしまったよう。 それなのに、断れなくて陸上チームでクロスカ...
アメリカの中学校に通う12歳の男の子ジョセフはADDで、学校生活では、スペインの牛追い祭に例えられるほど大変な思いをしている。苦手な体育の授業では転校生女子にヘザーに窮地を救われるが、彼女ともうまく会話できず気分を害させてしまったよう。 それなのに、断れなくて陸上チームでクロスカントリー走をすることになってしまった。 部活にはヘザーも来ていたが、彼女はとんでもなくタフで速かった。ジョセフは、練習がきつすぎるので止めようとしたが、ヘザーに発破をかけられ続けることに。トラックにガチョウのふんが落ちているだけでパニックになってしまうジョセフの、がんばりが始まる。 すぐに集中がそれてしまう「sidetracked」な少年の奮闘を、周囲の人間関係とともに温かくユーモラスに描く。 *******ここからはネタバレ******* 心配性でいじめられっ子、運動も苦手なジョセフと、体も大きくて力強く気も強いヘザーとの友情が楽しい。 ジョークが秀逸で、特に、おじいちゃんの介護施設の人間関係を自らの学校生活に重ね合わせて不幸を予測しているところが笑える。 「<ロミオ>が<イケてるやつら>で、エディが<ひとりぼっち>なら、今やってくるのは<イジワル女子>だ。」 ピストル音が苦手な彼が耳栓をつけてスタートラインに立ったとき、 「パーン。 ピストル音はまだ綿に包まれていた。ほっと大きなため息をついて、リラックスする。問題は、走るのを忘れていたことだ。」 最後がうまく行き過ぎに感じるが、主人公は12歳。これで良いのではないでしょうか。 これは著者のデビュー作。 デビュー作でこんな素晴らしい作品が書けるなんて、アメリカの作者層の厚さを感じます。 キム・スレイダーみたいな楽しみな作家さんが出た!と喜んでいたら、翻訳が武富博子さん。「スマート」や「セブン・レター・ワード」の翻訳されてますね。 読後感の非常に良いおすすめの作品です。 中学年から読めます。
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ADDの子だそうで。多動がないからADHDではなく。 心配性、周りの人の助けで物事は変わるんだなあ。 特に友達で。 みんなの対応の仕方がやさしくて、ほっとする。
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人って、自分の思考の範囲でしか世界は把握できていない。 持って生まれたものが、「普通」の人と違うことは大切な個性なんだ。 ダイバーシティという言葉の本質を感じられる一冊。 スーパーヒーローが起こす爽やかな風に包まれる。
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私もADHD。そうそう、わかる!がいっぱいありました。子どもたちの読書感想文用に購入しましたが、私が子どもらよりも先に読んでしまった。やはりADHDの息子はどう読むか?そして、読書感想文の提出日までに間に合うのか?!
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おじいちゃんや学校の先生など、サポート役の大人たちが聡明で落ち着いてる児童書って、なにか安心して読める。それでいてけっして大人たちも完ぺきすぎるわけではなくて、子どもの側からも差し出せるものがあるという形で描かれているのがいいな。 のろいなりに進歩していくジョセフは、ほかの学校に...
おじいちゃんや学校の先生など、サポート役の大人たちが聡明で落ち着いてる児童書って、なにか安心して読める。それでいてけっして大人たちも完ぺきすぎるわけではなくて、子どもの側からも差し出せるものがあるという形で描かれているのがいいな。 のろいなりに進歩していくジョセフは、ほかの学校にも友だちができて、少しずつ世界を広げていく。そうやって、タイミングよく子どもの背中を押せるってすばらしい。(と、どうしても大人目線で読んでしまうのだった。)
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