異類婚姻譚 の商品レビュー
前から気になっていた作家の、芥川賞受賞作品の文庫化。なるほど、こういう作風なんだ。ここに収められたのは、不思議な味わいの中短編×4編。あとがきの言葉を借りるなら、”こじらせ女子”に纏わる物語たち。表題作は、異類ってどういうこと?って思いながら読んだけど、なるほど化け物のことだった...
前から気になっていた作家の、芥川賞受賞作品の文庫化。なるほど、こういう作風なんだ。ここに収められたのは、不思議な味わいの中短編×4編。あとがきの言葉を借りるなら、”こじらせ女子”に纏わる物語たち。表題作は、異類ってどういうこと?って思いながら読んだけど、なるほど化け物のことだったんだね(ちょっと違うけど)。他もなかなかに味わい深くて、結構楽しめました。
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夫婦という法律で型の決められた関係性に落ち着き、その安寧と倦怠に浸りきっているなかで、何でもないふとした瞬間に、身内も身内と思っている配偶者の全く知らない別人のような一面を垣間見た時の不安とグロテスクさ。毎日顔を合わせて食住を共にしても、相手を完璧に分かりきるということなんてあり...
夫婦という法律で型の決められた関係性に落ち着き、その安寧と倦怠に浸りきっているなかで、何でもないふとした瞬間に、身内も身内と思っている配偶者の全く知らない別人のような一面を垣間見た時の不安とグロテスクさ。毎日顔を合わせて食住を共にしても、相手を完璧に分かりきるということなんてあり得ないのだ。 本作は寓話だけど、誰にでも当てはまる現実を寓話にしているに過ぎないと思う。そもそも結婚というのは、生物学的に人間同士だろうが何だろうが、本質的には「異類婚姻」と言っても過言ではないのかもしれないし、そう思っているくらいの方が楽なのかもしれない。 お互いを分かりあって一心同体で一つになる二人よりも、そもそも完璧には分かりあえないということを前提として折り合いをつける別個体同士としての二人、という方がしっくりくる。
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お酒を飲んだら足元が浮いた気持ちになって、 ふらつくみたいに。 どんどん沈んでいく。 ベッドの底。地面が抜ける。バンジージャンプ。 どれもそう。 私たちが落ちる高さは同じところ。 底の深さが違うだけ。 そこに気づけば男の人も怖くない。 解説はあまりよくなかった。
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