神童 の商品レビュー
二人の天才少年、取海と相場。同じ小学校に通い、ともに友達のいない二人だったが、将棋を通してお互いを友と認めつながっていく。貧しい境遇に身を置く取海と、恵まれた家庭に育つ相場。環境は違えども、将棋に対する思いは、二人を固く結びつけていく。二人は、小学生天才騎士として注目を集めていく...
二人の天才少年、取海と相場。同じ小学校に通い、ともに友達のいない二人だったが、将棋を通してお互いを友と認めつながっていく。貧しい境遇に身を置く取海と、恵まれた家庭に育つ相場。環境は違えども、将棋に対する思いは、二人を固く結びつけていく。二人は、小学生天才騎士として注目を集めていくが、取海はそのまま将棋の世界に邁進し、相場は数学の秀でた能力を開拓され、やがて人工知能の世界的研究者になる。この二人の小学生時代の出来事と、それぞれの道で成功を収めていく出来事が交互に展開され、それぞれに謎めいたものをはらみつつ、進行していく。 将棋七冠になった取海と、相場が人工知能をベースに作成した将棋ソフトの対戦でプロローグが始まり、エピローグが引き継いで、見事な終着を見せる。何だか救われる余韻を残して二人の物語は閉じていく。
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小学校で出会った取海と相場。二人は算数で突出した成績を残しますが、ふとしたきっかけから将棋に没頭します。算数だけではなく、将棋でも突出した才能を発揮する二人。近所の将棋教室では相手になる大人がいなくなり、その才能を認められ小学4年にして二人同時に奨励会に入会。そして6年生の時、プ...
小学校で出会った取海と相場。二人は算数で突出した成績を残しますが、ふとしたきっかけから将棋に没頭します。算数だけではなく、将棋でも突出した才能を発揮する二人。近所の将棋教室では相手になる大人がいなくなり、その才能を認められ小学4年にして二人同時に奨励会に入会。そして6年生の時、プロ昇格をかけた最後の1局は取海vs相場という組み合わせで、勝った方がプロ昇格というシチュエーションに。取海は勝利し中学生プロ棋士の道を選び、相場は退会して数学を極める道を選びます。時を経て、取海は七冠を保持する将棋界の第一人者に、相場は人工知能の世界的研究者へと成長を遂げます。取海は人工知能のアルゴリズムを理解できる棋士として、相場は将棋の素養を持つ人工知能の開発者として、12歳の時にお互いの人生の方向性をかけた対局の再戦に臨みます…。 成長してからの取海・相場と、小学生当時の二人を描く2つの時間軸が同時並行に描かれ、最後には成長を遂げた二人が対局するシーンに至るという構成です。「人工知能と人間のどちらが勝るのか」というよくあるテーマで描かれている小説ですが、人間vs人工知能という対立軸にしていない著者の構成が見事でした。数学・将棋の両方の才能を持つ二人なので、「人工知能のアルゴリズムを理解している棋士」と「プロ棋士並みの棋力をもつ人工知能研究者」が対局するという構図は、ある意味では人間vs人間の個性のぶつかり合いにも思えて、大変興味深く読むことができました。
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小学生のトシとソウが二人で将棋に夢中になり、互いに高めあいながら奨励会に入る。子供時代の2人が、羨ましい程の独特の世界に生きている感じにとても引き込まれる。 棋会から去り研究者となった相場の現在と、子供時代の話が交互に描かれていて、最後、七冠の取海とAIを駆使した将棋ソフトの対決...
小学生のトシとソウが二人で将棋に夢中になり、互いに高めあいながら奨励会に入る。子供時代の2人が、羨ましい程の独特の世界に生きている感じにとても引き込まれる。 棋会から去り研究者となった相場の現在と、子供時代の話が交互に描かれていて、最後、七冠の取海とAIを駆使した将棋ソフトの対決まで一気読みした。 読後感も良く、とても楽しい時間を過ごした気がします。
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【感想】 幼い頃から絆がある2人の神童が、大人になって再会をして対決する―――。 物語のテーマ自体は中々興味があるもので、「幼い頃からの絆」という点においては最近読んだ百田尚樹の「影法師」にも似たような内容でしたが、この作品は個人的にイマイチだったかな・・・ 「400ページもか...
【感想】 幼い頃から絆がある2人の神童が、大人になって再会をして対決する―――。 物語のテーマ自体は中々興味があるもので、「幼い頃からの絆」という点においては最近読んだ百田尚樹の「影法師」にも似たような内容でしたが、この作品は個人的にイマイチだったかな・・・ 「400ページもかけて、この本は何を書きたかったんだ?」 というのが、読み終えた後の率直な感想ですね。 勿論、おおよそのテーマはわかります。 が、すごく抽象的な表現ですが、読んでいて惹きこまれるモノがないというか、、、 あと、物語の展開していくスピードが鈍すぎて、そのわりにストーリーの構成自体が地味で面白くもなく、もはや途中からは単純に読んでいて苦痛に感じました。 そしてその割に、終盤に入っても大して盛り上がるわけでもなく・・・ 単に僕の読解能力不足かもしれませんが、よく分からないハズレの本でしたね。 期待していただけに、ちょっぴり残念です。 【あらすじ】 将棋のプロ棋士への最終難関、奨励会の三段リーグ。 十二歳の取海はこの最終戦で親友の相場に辛勝し、最年少プロに。 相場は棋界を去るが、二十年後、意外な形で再会する。 トップ棋士の取海に立ちはだかる将棋ソフトの制作者が、AI研究で注目を浴びる相場だったのだ。 因縁の対決、再び!勝るのは将棋を続けた者の誇りか、捨てた者の意地か? 【引用】 p162 「それで、きみの意見はどうだ。会社の将来は」 「私には経営の事は分かりません。会社の幹部が決めることです」 「そんなことでいいのか?きみの将来がかかっている」 「そうですが、、、」 長谷川の言葉が続かない。日本人の悪い癖だ。 終身雇用にこだわるくせに、会社の経営には関わろうとしない。 会社がなくなるという危機感を持つ人は、こんな時代でも多くはいないのだろう。 p390 「コンピュータを知らんもんがやっとるからや。何がAIや。ただの機械とソフトやないか。記憶容量が膨大で演算スピードが速いだけな。人間とは違う。人間には勘のセンスいうもんがあるやろ。人が人たる所以や」
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あっという間 一気に読み終わった たまたまブックオフで目の前の人が高嶋哲夫の本を持っていて 真似して買ってみた事が この作家との出会いって・・・
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共に頂きを目指した少年ふたり。道は違えどずっと繋がっていたのだと心が震えた。昨今のAI浸食。期待と恐れ,未来はどうなっていくのだろう。 あらすじ(背表紙より) 将棋のプロ棋士への最終難関、奨励会の三段リーグ。十二歳の取海はこの最終戦で親友の相場に辛勝し、最年少プロに。相場は棋界を...
共に頂きを目指した少年ふたり。道は違えどずっと繋がっていたのだと心が震えた。昨今のAI浸食。期待と恐れ,未来はどうなっていくのだろう。 あらすじ(背表紙より) 将棋のプロ棋士への最終難関、奨励会の三段リーグ。十二歳の取海はこの最終戦で親友の相場に辛勝し、最年少プロに。相場は棋界を去るが、二十年後、意外な形で再会する。トップ棋士の取海に立ちはだかる将棋ソフトの制作者が、AI研究で注目を浴びる相場だったのだ。因縁の対決、再び!勝るのは将棋を続けた者の誇りか、捨てた者の意地か?
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