虐殺のスイッチ の商品レビュー
熱量高め。映画大好きな人が、見た事、調べた事、思ったことを事実も混えて言いたかった事を書いた、という作品なのかな。 正直、目を伏せたくなるような箇所も多々あり、事実であるからこそ読んでいて辛かった。 なぜ、って何度も思って、 なぜ、こんなにも流されやすいのか なぜ、そこに辿り...
熱量高め。映画大好きな人が、見た事、調べた事、思ったことを事実も混えて言いたかった事を書いた、という作品なのかな。 正直、目を伏せたくなるような箇所も多々あり、事実であるからこそ読んでいて辛かった。 なぜ、って何度も思って、 なぜ、こんなにも流されやすいのか なぜ、そこに辿り着いたのか、 なぜ、なんで? でも自分は、どうなのか。 結局、無知の知、ではないが、人とはそういうものであるという危うさを知っておく事が大事なんだろう。 今でこそSNSでこうやって思った事をすぐ発信できて繋がれて、でもまたそこにその人の正義が出来上がって、 やはり人とはそういうものである。 さぁ、美味しい物を食べようと思う。
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「福田村事件」という映画を観て、その監督が本を出しているということで読んでみた。 カンボジアのクメールルージュ、ナチスドイツ、大日本帝国軍、文革時の中国共産党など、近代史は虐殺の歴史と言えるかもしれない。それらを取り上げて、一体虐殺とはどういうメカニズムで起きるのかを追求した本。...
「福田村事件」という映画を観て、その監督が本を出しているということで読んでみた。 カンボジアのクメールルージュ、ナチスドイツ、大日本帝国軍、文革時の中国共産党など、近代史は虐殺の歴史と言えるかもしれない。それらを取り上げて、一体虐殺とはどういうメカニズムで起きるのかを追求した本。 著者は映画監督で、かつてオウム真理教の信者を主人公とした映画を撮影している。加害者視点の映画であるため、数多くの批判を浴びることとなった。しかし著者は言う。加害者の声を封じることは、果たして正しいことなのだろうか。加害者の思考、行動原理を知ることによって初めて再発を防ぐことが可能になるのではないだろうか。 加害者を正当化するのではない。確かに加害者の声は「言い訳」や「責任転嫁」に終始するかもしれないが、そこを避けていては将来の自分たちが起こすかもしれない虐殺の危機を避けることはかなわなくなるかもしれない。 加害者の多くは、穏やかで優しい普通の人間だ。それを著者は実感している。決して鬼や悪魔や残虐なサイコパスではない。 ではなぜ、そういった人々が、身もよだつような残忍な虐殺を行うことができたのか。何がきっかけで人は変わってしまうのか。 ほんの少し前の歴史を遡れば、人間はこうも残酷になれるのかというくらい恐ろしい虐殺の歴史がある。民族間だけではなく、一つの国の中でも虐殺は起こっていた。そしてそれは完全になくなってしまったものではなく、条件とスイッチによっていつでも起こりうる現代の恐怖でもある。そのことを忘れずに、歴史を学んでいかなければならないと思った。
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先日の読書会でいただいた課題。キリング・フィールド凄まじいな…。映画を観ようと思います。虐殺はどうして繰り返し起こるのか、だけを追求した本です。アイヒマン・テストも出てくる。SHOAH も出てくる。自分が虐殺に魅入られるのは、そこに人間の本質を見るからなのだと思う。森達也さんの結...
先日の読書会でいただいた課題。キリング・フィールド凄まじいな…。映画を観ようと思います。虐殺はどうして繰り返し起こるのか、だけを追求した本です。アイヒマン・テストも出てくる。SHOAH も出てくる。自分が虐殺に魅入られるのは、そこに人間の本質を見るからなのだと思う。森達也さんの結論は、組織の一部になり個が消滅した時、だという。もっと世の中ゆるくないとね。俺みたいのがフラフラしてられるような(2019-09-08)
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凶悪な事件が起きると、どうしても私もニュースも世の中も問題を矮小化してしまいがちである。自分とは違う「悪い人」が起こしたものだと。でも、それだけではこれまで起きてきたことを説明できない。 特に日本は。同調圧力と集団化の問題を考えていかないといけない。
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図書館の予約で困るのは、予約した本がいつくるかを選ぶことができないこと。 『魔女と魔女狩り』のあとに『虐殺のスイッチ』を読んでいる私を見て妹が苦笑していましたが、たんにこのタイミングで図書館から本がきただけなのです。 とはいえ、魔女狩りも集団パニックによる虐殺のひとつです...
図書館の予約で困るのは、予約した本がいつくるかを選ぶことができないこと。 『魔女と魔女狩り』のあとに『虐殺のスイッチ』を読んでいる私を見て妹が苦笑していましたが、たんにこのタイミングで図書館から本がきただけなのです。 とはいえ、魔女狩りも集団パニックによる虐殺のひとつです。(本書では「高揚した信仰がもたらした集団ヒステリー」と書かれている。) そのほか、関東大震災時の朝鮮人虐殺、ナチスによるユダヤ人大量虐殺、スカルノ政権によるインドネシアでの虐殺、カンボジアのクメール・ルージュによる大量虐殺、ルワンダのフツ族によるツチ族虐殺など、近年の虐殺事件が紹介されています。 「人が人を殺してはいけない理由などない」というのは衝撃的だけど本当のことで、通常の場合、宗教や理念などで人は人を殺さない。それが戦争や虐殺になると簡単に人が人を殺す。 人は弱い生き物で、群れて生きることを選択した。「集団化」は容易に「虐殺のスイッチ」になる。学校のいじめと虐殺は構造が同じ。日本という国は集団と相性がいい。ネット時代は集団化のリスクを肥大化させつつある。とここまでは納得。 「人はなぜ人を殺すのか」 「人はなぜこれほど残虐になれるのか」 「人はなぜか優しくて善良なままで人を殺すのか」といった命題を本書は考え続けますが、それに明快な答えがでてるわけではありません。 でも考え続けることが大切。 捕鯨問題が「日本の食文化」ではなく「ナショナリズムのアイコン」だというのも腑に落ちました。 以下、引用。 「大地町のイルカ漁をテーマにした二〇一六年製作の映画『おクジラさま』(佐々木芽生監督)には、アメリカ人ジャーナリストの「なぜ日本は捕鯨にこだわるのか」との質問に、「欧米が反対するからよ」と日本人女性が答えるシーンがある。これに勝る答えはない。」 「過去の事例を知ること。被害側の声と同時に加害側の声も聞くこと。正確な歴史認識を持つこと。繰り返し意識に刻むこと。 そして、悲惨な史実や現実から、自分たちの加害から、絶対に目を逸らさないこと。」 デーヴ・グロスマン『戦争における「人殺し」の心理学』 「データから日本の殺人事件を考える。統計では、殺人で検挙された人のうち四分の三が男性だ。いわゆる不審者による殺人事件は、実のところとても少ない。殺す側と殺される側の関係は九〇%弱が知人で、そのうち半分以上が親族だ。殺す側と殺される側の関係が近いからこそ、「憤怒」や「怨恨」が動機の半分以上を占める(以上、「研究部報告50」法務省法務総合研究所、二〇一三年、「殺人事件の動向」を参照)。 「一人の男がこれほどの憎しみを見せるのなら、私たちはこれを上回る愛情を見せましょう」 「人を殺してはいけないということを示すために、なぜこの国は人を殺すのですか」 「一九六〇年、クレメントを密かに尾行していたイスラエルの諜報機関モサドの工作員たちは、彼が妻との結婚記念日に花屋で花束を購入したことを知り、クレメントをアイヒマンだと確信した。その日はアイヒマン夫婦の結婚記念日と一致していたからだ。」 ハンナ・アレント『イェルサレムのアイヒマン』 「イスラエル警察の取り調べの際に、アイヒマンは「私の罪は従順だったことだ」という言葉を残している。」 「善人だから殺さないのではない。悪人だから殺すのでもない。これを分ける境界は善悪ではない。そんなものは取るに足らない。大きな要因は業縁なのだと親鸞は唱える。原因と条件。つまり環境さえ変われば、人は多くの人を殺す。悪事をなす。制御は働かない。」 「学校のいじめと虐殺は構造が同じなのだと。それが社会全体で起きる。異物と見なす理由は、動きの差異だけではない。皮膚や眼の色の違い。言葉のイントネーション。あるいは自分たちと違う神を称えていること。理由は様々だ。というか何でもいい。本当の目的は、排除することではなく連帯することなのだから。 ただし、一つだけ条件がある。やられる側が少数であるか弱者であることだ。その少数派の集団を、多数派の集団が攻撃する。」 ギュスターヴ・ボン『群衆心理』 「歴史を知ること。今の位置を自覚すること。後ろめたさを引きずること。自分の加害性を忘れないこと。」
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世界のあちこちで起こる虐殺。 加害者がとんでもない悪辣な人間かというと、普段はごく普通の優しいどこにでもいるような人達だったりする。 どうしてこのようなことが起こるのか様々な事例から虐殺の構造を探ってゆく。 今の平和な日本に関係ないようだけど、イジメの問題等とも深い所では繋がって...
世界のあちこちで起こる虐殺。 加害者がとんでもない悪辣な人間かというと、普段はごく普通の優しいどこにでもいるような人達だったりする。 どうしてこのようなことが起こるのか様々な事例から虐殺の構造を探ってゆく。 今の平和な日本に関係ないようだけど、イジメの問題等とも深い所では繋がっている。 同調圧力の強い日本人はよくよく知っておいた方が良いと思う。 他にも死刑制度が世界ではどう受け止められているか、調査捕鯨の事実など知らなかったことが多くちょっとショックを受けた。
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「面白い」と言っていいテーマではない気がする。 でもとても「興味深い」。考え方がすっと入ってくる。 しかし帰結が同じで、ブレてもいけないとは思うが、なんとなく飽きるというか... 「善良なままで犯罪を犯す」とか「犯した罪を忘れぬよう」的な。 一度なら、すっと入ってきて印象に残るけ...
「面白い」と言っていいテーマではない気がする。 でもとても「興味深い」。考え方がすっと入ってくる。 しかし帰結が同じで、ブレてもいけないとは思うが、なんとなく飽きるというか... 「善良なままで犯罪を犯す」とか「犯した罪を忘れぬよう」的な。 一度なら、すっと入ってきて印象に残るけど、何度も何度も言われると、「さっきも聞いたよそれ」と思ってしまうけど。まぁ、でもこういう本てそんなものだよね。 「IS」とか「大戦」とか「捕鯨」とか馴染みがあったり興味があったりするワードがよく出てきて、結局私は「命」に興味があるのかな、と思ったり。 こういう本て結局最後が(自分的にかもしれないが)ぐだってきて、流し読みをしてしまう。フィクションならラストが知れないと大問題だが、ノンフィクションは全然問題ない。
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