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用心棒 の商品レビュー

3.3

18件のお客様レビュー

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2022/04/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「二流小説家」のデイヴィッド・ゴードン(今、気づいたが、この表現カギカッコなかったら、すげーディスり方)が描いたノアールと聞けば、読みたくなるにきまってるやん。 で、読んでみた。「二流小説家」のような、圧倒的な小説ではないが、これはこれですごい。誤解を恐れず例えれば、読む低予算アクション映画なのだ。 最近アマゾンプライムで観た「ジョルト」や「ミスターノーバディ」の活字版…そう書くとノベライズ的なイメージだが、並べてそん色なしのB級アクションっぷり。活字を読んだら脳内劇場にド派手かつ陳腐仕掛けのアクション映像が映写されること間違いなし! 常々、読書のゾーン体験ってのは活字を読んでる意識がないくらい勝手に脳内で文章が映像化されることだと思ってる俺としては、1冊丸ごとゾーンを体験させてくれる本書は傑作中の傑作だと絶大に推しておきたい。 文芸対策やら大河巨編やら純文学やらに疲れた時は、この本を読んで活字に夢中になったあの頃を思い出せ!

Posted byブクログ

2021/10/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

対テロリストの警戒強化の折、手厳しく手入れを受けたストリップクラブの用心棒ジョー・ブロディー。 手入れにより留置場で一晩を過ごした際、顔なじみから持ち掛けられたヤマに加わることに。 件の計画は、タレ込みにより悲劇的な失敗に陥るのだが、そこから挽回を狙っていく中でとんでもないどつぼにはまっていくジョー。 犯罪仲間、商売敵であるFBI捜査官との微妙な距離感の色恋模様、傭兵集団内の裏切り、裏で手を引く絶対悪vsアンチヒローと、どこかで聞いたことのある話がてんこ盛りで、ザ・ハリウッド的な一冊。 さくさく読めるノンストップアクションノワールとしては良作ではある。 ではあるのだが、やっぱり『二流小説家』の印象が強過ぎるせいか、う~んこちの路線ですかという感じでした。

Posted byブクログ

2021/09/18

ハーバードを中退し特殊部隊で活躍した後、ストリップクラブの用心棒をしているドストエフスキーを愛読する男が主人公、というおよそ現実味のない設定の作品。昔この作者の別の作品が面白かったこともあり大丈夫かと思いつつ手に取ってみた作品。結果的に非常に面白かった。ある晩、彼が勤めるクラブを...

ハーバードを中退し特殊部隊で活躍した後、ストリップクラブの用心棒をしているドストエフスキーを愛読する男が主人公、というおよそ現実味のない設定の作品。昔この作者の別の作品が面白かったこともあり大丈夫かと思いつつ手に取ってみた作品。結果的に非常に面白かった。ある晩、彼が勤めるクラブをFBIが急襲し豚箱に放り込まれた主人公。そこで旧知のチャイニーズ・マフィアの若者からある犯罪計画に誘われるのだがそこで予想外の事態となり…という話。FBIの捜査官が魅力的な女性で主人公とは敵対関係にある一方で互いに惹かれ合う、とか犯罪者仲間にはコンピュータやメカに強い黒人の青年とか、かなり魅力的なロシア女性がいたりとか、そもそも主人公が薬物で早く命を落とした両親に代わってペテンで世の中を渡ってきた祖母に育てられて今も同居しているとかとか…魅力的な登場人物と荒唐無稽な設定にルパン三世を彷彿させられた。かなりの強敵が最後はあっけなかったりとちょっと気になるところはあるけれどエンターテイメントとしてはかなり上出来の作品と思います。面白かった。

Posted byブクログ

2021/06/08

続編の方が面白いという寸評をどこかで目にしてからまずは一作目と読み始めた経緯があるのであまり期待していなかったのだけれど、なんだよ面白いじゃんこれ、っていう読後感。躍動感にあふれる描写に裏打ちされたストーリーは言わずもがな、なによりも登場人物一人一人のキャラクターが際立っているの...

続編の方が面白いという寸評をどこかで目にしてからまずは一作目と読み始めた経緯があるのであまり期待していなかったのだけれど、なんだよ面白いじゃんこれ、っていう読後感。躍動感にあふれる描写に裏打ちされたストーリーは言わずもがな、なによりも登場人物一人一人のキャラクターが際立っているので俳優たちが生で演じている映画を観ているようだった。

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2021/04/25

 ニューヨークマフィアが経営するストリップクラブで用心棒をしているジョーが、アルバイトで密輸銃器を横取りする企みに加わったが偶然にもFBIの女性捜査官との遭遇で失敗に終わる。  その企てた仲間から今度は、厳重な警備がされている弩級の香水を盗み100万ドルで売るという計画に乗る。...

 ニューヨークマフィアが経営するストリップクラブで用心棒をしているジョーが、アルバイトで密輸銃器を横取りする企みに加わったが偶然にもFBIの女性捜査官との遭遇で失敗に終わる。  その企てた仲間から今度は、厳重な警備がされている弩級の香水を盗み100万ドルで売るという計画に乗る。  ジョーの経歴は、詳らかでは無いが軍関係者であった事は間違いない。マフィアに雇われてはいるが良識?ある悪人だ。  件の香水は、テロリストが100万ドルで強盗を依頼したウィルス兵器だった。  ジョーとその取り巻きがたどり着いた結末は、、  著者は、本作と同じポケミスで''二流小説家''を上梓してますがこちら同様にテンポ良い内容で読み易く楽しめる内容でした。

Posted byブクログ

2021/03/10

新鋭ゴードン、2018年発表の最新作。やや自分の色を出し過ぎて無骨さも目立った前作「ミステリガール」に比べて、構成が引き締まり、全体的にシャープになった印象。変化球を投げ込むオフビートな手法も熟れてきている。テンポ良く勢いのままに読ませる好編に仕上がっており、筆致には自信と余裕さ...

新鋭ゴードン、2018年発表の最新作。やや自分の色を出し過ぎて無骨さも目立った前作「ミステリガール」に比べて、構成が引き締まり、全体的にシャープになった印象。変化球を投げ込むオフビートな手法も熟れてきている。テンポ良く勢いのままに読ませる好編に仕上がっており、筆致には自信と余裕さえ感じる。 ニューヨークのストリップクラブで働く用心棒ジョー・ブロディーは、FBIと市警察による一斉手入れの煽りを受けて職を失った。街に潜伏するテロリスト捕獲を狙ったものだったが、その界隈で〝営業〟する闇組織にとってはいい迷惑だった。店のオーナーでマフィアの親玉ジオ・カプリッジは、捜査を主管するFBIのドナ・ザモーラを訪ねて、テロリスト摘発に進んで協力することを申し出た。ジオは、一帯のギャング組織を束ねた上で、旧友でもあるジョーを役立てるつもりだった。一方、ジョーは、留置所で出会った旧知の小悪党から誘われ、武器強奪の仕事を請け負う。だが、事は容易には進まなかった。情報はFBIに洩れており、銃撃戦となって死人を出す。現場には捜査官ドナもおり、ジョーは口封じの機会があったにも関わらず、彼女を見逃した。犯罪者らは、何とか逃走する。襲撃時、武装強盗のプロであるクラレンスの命を助けたことから、ジョーは計画中の犯罪に加わるよう声を掛けられる。莫大なカネを手に出来る大仕事。武器の略奪は前哨戦に過ぎなかった。しかし、次こそ甘くはなかった。 「用心棒」というタイトルだが、主人公は犯罪グループの一員として行動することの方が多い。導入部では一種のヒーロー小説かと思わせ、一転してリチャード・スターク張りのクライムノベルへと移行する。終盤でさらに変転し、序盤での伏線となる対テロリストの闘いへと流れていく。 「悪党パーカーシリーズを手本にした」とゴードンが述べている通り、簡潔でリズミカルな文体によって臨場感溢れる活劇シーンを展開。犯罪者らの造形もB級テイストを貫いている。ただ、ハーバード大中退、ドストエフスキーを愛読する頭脳明晰な元特殊部隊員という主人公の設定は、存分に生かされているとはいえない。シリーズ化を意識していたらしく、レギュラーとなりそうな個性的人物を多数配置。FBI捜査官ドナとの関係など、次作に繋がるエピソードを散りばめている。気を衒うような〝遊び〟を盛り込んだデビュー時のインパクトがやや弱まったことは惜しいが、この先どこまで洗練されていくか楽しみではある。 どうやら、2021年4月に「続・用心棒」が翻訳出版されるらしい。

Posted byブクログ

2020/09/22

主人公は自分の行動しか語らず、人柄とかよくわからん。 何をしたいのか?5000ドルで命賭ける様なヤマを踏むのか? それが散々な結果に終わったのに、同じ奴に20万ドルのヤマに誘われてあっさり乗ってしまう。 しかも裏切られる。間抜けじゃん。 そっからの巻き返しは頑張ったけど、結局はタ...

主人公は自分の行動しか語らず、人柄とかよくわからん。 何をしたいのか?5000ドルで命賭ける様なヤマを踏むのか? それが散々な結果に終わったのに、同じ奴に20万ドルのヤマに誘われてあっさり乗ってしまう。 しかも裏切られる。間抜けじゃん。 そっからの巻き返しは頑張ったけど、結局はタダ働きみたいなもん。 うまい話はありません、ってこと? 物語は、場面転換が多いのは良いけど、それぞれが薄い感じ。 主人公は、そのたびに窮地に陥ったりするのだが、あまり緊迫感を感じない。 エレーナというロシア美女の方を主人公にして欲しいくらい。 続編がこれから有るかもだけど微妙かな。 Amazonより引用------------- ジョー・ブロディーは異色の用心棒――ハーバード中退、元陸軍特殊部隊、愛読書はドストエフスキー。心優しいジョーだが、凄腕のその評判に偽りはない。ある晩、彼が勤務するストリップクラブをFBIが急襲する。理由も告げられずに逮捕されたジョーは、NYの名だたるならず者が溢れかえる留置所へ。一斉手入れがあったのだ。捜査機関はいったい誰を捜していたのか……。ジョーはそこで再会した中国系マフィアから、あるヤマに誘われるが……。ミステリ・ランキング三冠『二流小説家』著者の新境地。解説/杉江松恋

Posted byブクログ

2020/04/18

主人公は恵まれない生い立ちであるにもかかわらず、 チャンスをつかんでハーバード大学に入学するも、悪さをして退学。 その後は陸軍特殊部隊に入隊して活躍しヒーローとなりますが、 なぜかしら不名誉除隊になっています。 その理由は機密事項扱いになっていて不明。 いまはドストエフスキーを愛...

主人公は恵まれない生い立ちであるにもかかわらず、 チャンスをつかんでハーバード大学に入学するも、悪さをして退学。 その後は陸軍特殊部隊に入隊して活躍しヒーローとなりますが、 なぜかしら不名誉除隊になっています。 その理由は機密事項扱いになっていて不明。 いまはドストエフスキーを愛読するマフィアの雇われ用心棒なのですが、 ちょっとしたトラブルに巻き込まれ、 複数のマフィア組織と夫婦そろってサイコパスのテロリスト、 FBIやCIAにも追われる立場になってしまいます。 それだけだと血なまぐさい話になりますが、 軽快なタッチで描かれていて、 痛快な娯楽アクション小説として楽しめます。 巻末の解説によると著者は日本映画通で、 本作は黒沢監督の〝用心棒〟からヒントを得たのではないか? 主人公のモデルは、きっと三船敏郎だろうと推測されています。 しかし著者自身はあるインタビューで、 まったくの的外れとも言えないが、 素晴らしい偶然の一致としかいいようがないとおっしゃっています。 ストーリー展開は映画的でテンポもよく、読みはじめると止まらなくなっちゃいますよ。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え” http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

Posted byブクログ

2019/11/08

評判通りの面白さ。よくできたストーリーの先が気になって、あっという間に読了。主人公であるストリップバーの用心棒ジョー・ブロディーのクールでタフなカッコよさ。後半で相棒となるロシアの盗人女王エレーナの色気と優しさ。タフな渡世をサバイブしてきた2人だから、お互いを理解できるのだね。続...

評判通りの面白さ。よくできたストーリーの先が気になって、あっという間に読了。主人公であるストリップバーの用心棒ジョー・ブロディーのクールでタフなカッコよさ。後半で相棒となるロシアの盗人女王エレーナの色気と優しさ。タフな渡世をサバイブしてきた2人だから、お互いを理解できるのだね。続編は難しいかもだけど、コンパクトでスマートな一冊。4.5 「それならきみは王族だな」 「ええ、そうよ。私は盗人の王女なの」

Posted byブクログ

2019/10/30

なんとなく正統派のハードボイルトと思って読んでみたが、実はユーモアの効いたピカレスクタイプの作品。 ただし、これは好意的に見た場合で、実際は行き当たりばったりのストーリー展開に、薄っぺらで魅力のないキャラ、それどころかそもそも全く不要なキャラ描写が多くてウンザリ。あのギャングの...

なんとなく正統派のハードボイルトと思って読んでみたが、実はユーモアの効いたピカレスクタイプの作品。 ただし、これは好意的に見た場合で、実際は行き当たりばったりのストーリー展開に、薄っぺらで魅力のないキャラ、それどころかそもそも全く不要なキャラ描写が多くてウンザリ。あのギャングのボスと奥さんのキャラとエピソードなんて全く無駄。 ところどころノリのいいところはあったけど、概して退屈なB級アクション映画の様な仕上がり。 ビックリするくらい古い訳が出てくるのも不自然

Posted byブクログ