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2024/12/28

筆者の30代半ばに書かれた旧作(約50年前)を改稿した『師の恩』『夏の光』、そして2018年に新たに書き下ろされた『岬』『読み違い』、これらを繋ぐ役割を果たす『時・光・変・容』が収められた一冊。 『読み違い』は唯一回想形式で描かれ、信じがたい「読み違い」をする弟のエピソードが中...

筆者の30代半ばに書かれた旧作(約50年前)を改稿した『師の恩』『夏の光』、そして2018年に新たに書き下ろされた『岬』『読み違い』、これらを繋ぐ役割を果たす『時・光・変・容』が収められた一冊。 『読み違い』は唯一回想形式で描かれ、信じがたい「読み違い」をする弟のエピソードが中心となっています。他の作品がほの暗い余韻を残す心理描写で、読後に心に引っかかるものを残すのに対し、この作品は弟のとぼけたキャラクターが愛おしさを感じさせ、独特の軽やかさがあります。そのギャップが新鮮で、思わず心を和ませる一編となっています。

Posted byブクログ

2019/07/28

『師の恩』 柴田翔さん30代半ばで書かれた作品。 戦時下の中、小学生と教師たちのやり取りが 妙に胸にしみてきた。 表題作『岬』 亡父と、娘である未知子、その子供たちが住んだ 岬に建つ家は その家族の苦悩を全て見て来たのかもしれない。 未知子たちが離れ、いまはレストランに建て替え...

『師の恩』 柴田翔さん30代半ばで書かれた作品。 戦時下の中、小学生と教師たちのやり取りが 妙に胸にしみてきた。 表題作『岬』 亡父と、娘である未知子、その子供たちが住んだ 岬に建つ家は その家族の苦悩を全て見て来たのかもしれない。 未知子たちが離れ、いまはレストランに建て替えられた。 p159 〈遠い記憶のあれこれが心に蘇ってきて、未知子は切ない懐かしさに胸がいっぱいになった〉 贅沢で豊潤な読書の時間。 若い頃に急ぐようにして読んだ柴田さんの作品を いまは、じっくりと噛みしめるようにして読み進めた。

Posted byブクログ