さいはての中国 の商品レビュー
ディープな中国像が中国内外から見えてくる1冊。 7章8章は興味深かった。個人的には内モンゴルの章のモンゴル族とチベットやウイグル族の国への認識の違いみたいなところも面白かった
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
同著者のコラム等を読んでいることもあり、内容としてはいろいろと被るため、補完的な部分と、時にオンライン記事の方が深堀されているものがあったように思う。著者の好奇心と様々なトピックに関し、興味深く読んだ。 第8章に出てくる香港系カナダ人との歴史認識に関する対話は非常に興味深いが、結果的に中国共産党の利する方向に向かうあたりの行が自身の中国人との対話経験と合わせてすごくわかるような気がする。この点に関しては、日本は完全に情報戦で負けて、何か言えば言うほどドツボにハマる状況になってしまっている。日本のことを何も知らない人には説して理解してもらえるが、中途半端に偏った情報しか持たない人に理解をしてもらうことが非常に難しい・・というかできない事がよくわかる事例のような気がする。
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共産党による一党独裁・メディアコントロールの行き届いた中央集権の中国において、人目につかないor報道されない地方や下層民などの「さいはて」に迫った本。中国で暮らすアフリカ人ビジネスマンなど「一帯一路」を別の角度から見ることもできるのです。 続きはこちら↓ https://flyi...
共産党による一党独裁・メディアコントロールの行き届いた中央集権の中国において、人目につかないor報道されない地方や下層民などの「さいはて」に迫った本。中国で暮らすアフリカ人ビジネスマンなど「一帯一路」を別の角度から見ることもできるのです。 続きはこちら↓ https://flying-bookjunkie.blogspot.com/2019/09/blog-post_24.html Amazon↓ https://amzn.to/2mjdDzk
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カナダで南京大虐殺記念日を制定させた団体の話が非常に面白かった。意外に中立的である一方、その中立性が中国共産党に利用される可能性がある。一方的にメールを送りつけるネトウヨは相手に塩を送っているなどなど。 そしてSAPIOが割とちゃんとしている、というのも意外だった。この内容だと...
カナダで南京大虐殺記念日を制定させた団体の話が非常に面白かった。意外に中立的である一方、その中立性が中国共産党に利用される可能性がある。一方的にメールを送りつけるネトウヨは相手に塩を送っているなどなど。 そしてSAPIOが割とちゃんとしている、というのも意外だった。この内容だと掲載してくれないと思うのだが、修正なしで載せてくれるなどなど。
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普通は見られない、あるいは見ようとしないいろいろな中国の側面や場所を取材したルポ。 中国内部だけでなく、カンボジアやカナダにも。 中国という国はダイナミックではあるが、いろいろな意味で恐ろしい。
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物凄く面白い。広州のリトルアフリカ、習近平の聖地、カンボジアの中国化、カナダの反日団体訪問、がかなり面白い。が、帯の「行ってはいけない」が気に食わん。中日辞典とか言い物を出してる会社なのに、担当者はバカか?センスなさすぎ。
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中国社会の底辺層やマイノリティ層、あるいはそういう人たちにかかわることを生業としている人たちへ取材した本…と書くと「中国という重箱のすみをつつくような本」のような印象を受けるし、この本を読む前はそういう本なのかな、と思っていたのです。 しかし、読んだ後は「重箱のすみにこそ、その重...
中国社会の底辺層やマイノリティ層、あるいはそういう人たちにかかわることを生業としている人たちへ取材した本…と書くと「中国という重箱のすみをつつくような本」のような印象を受けるし、この本を読む前はそういう本なのかな、と思っていたのです。 しかし、読んだ後は「重箱のすみにこそ、その重箱の扱われ方が現れるんだな」と感じた、そんな一冊。中国という「派手な重箱」を、すみっこから見渡したい人におすすめの一冊です。 文化大革命真っただ中に習近平が青年期を過ごした田舎を訪れ、「多様な価値観に触れるべき青年時代にずっと農村にいたことで、習近平は「それしかしらない」人物である(p.97-98)」と断じたくだりは、今の習近平政治を理解するのに重要な視点だな、と感じた反面、はたして自分はどうなんだろうか、と自省させられるくだりでもあった。 またそんな習近平にすり寄る「文革の子」たちを「彼らは歳を取って変になったのではない。変な人たちが歳をとっただけなのだ(p.105)」と評するくだりも興味深く、またいろんなことを考えさせてくれる一節だった。 力量や地位がある人間より、それらがない人間の方が、より政治に翻弄されやすい。それを体感的に理解したうえで利用する為政者が習近平という人らしい。そんな政治に翻弄された「社会の周縁に身を置くがゆえにかえって承認欲求が強い」「自分語りが好きそうな人(p.23)」の口を通して、現代中国を語らせる著者の視点は非常に興味深かった。 この本を読んで、この著者が「中国周縁社会論」を書くとおもしろい本になるだろうな、と感じた。 でも、それ以上に読みたいと思ったのは、いろんな問題を抱えた「社会的弱者」ながらも、社会のより内側に入り込もうと格闘しているであろう人や、そんな人たちと直接かかわっている人たちの声。この著者が中国の「学園もの」や「下町工場もの」を書いたら興味深いだろうな、と感じた。 どういう方向であれ、著者の次回作に期待したい一作。
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