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天子蒙塵(第四巻) の商品レビュー

3.9

28件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    12

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

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2024/08/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

天子蒙塵4巻読了。 ん―、やっぱり第1巻のインタビュー形式がいいなー 宣統帝溥儀と張学良の章は読みやすいし、引き込まれるんだけど、日本軍がメインの章は流し読みしてしまいました。 最後の即位の儀式に梁文秀と春児が出てくるのはグッとくるんだけど、その後のね、やっぱり赤ちゃんは助けてあげられなかったのかな…

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2024/01/11

残りページが少なくなっても「このまま終われるの?」と思うほど宙ぶらりんな感じだったが、最後の最後にやられた。胸が締め付けられる思いになりながらも、ラストにこの人たちが出てくるとやっぱり嬉しい。 カバー写真は皇帝の龍袍の刺繍。溥儀の考えているあるべき皇帝の姿が連想される。実態とは余...

残りページが少なくなっても「このまま終われるの?」と思うほど宙ぶらりんな感じだったが、最後の最後にやられた。胸が締め付けられる思いになりながらも、ラストにこの人たちが出てくるとやっぱり嬉しい。 カバー写真は皇帝の龍袍の刺繍。溥儀の考えているあるべき皇帝の姿が連想される。実態とは余りにも対照的なのが悲しい。 史実は決まっているけれど、登場人物たちの続きが気になる。

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2022/01/09
  • ネタバレ

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遂に、溥儀が満州帝国の皇帝として郊祭式に臨む。満州国は、満州帝国となった。 式典で、溥儀が玉璽および贋い物の龍玉を受けるシーンでは、思わず涙が止まらなくなってしまった。最後にこの演出は、ズルい。というかお見事というか。 ただ、不安なことは、この二人には未来がない。そして後継者も。それは、皇帝も同じということでしょうか。 龍玉を持たない皇帝・溥儀に対し、贈る言葉はひとつ。「どれほどいじめられようと、どうしようもないなどと言ってはなりませぬ。没法子。没有法子。その一言で、すべてはお終いになります。だから、天命の具体などあろうがなかろうが、ご自身の力を信じて、天に誓うていただきたいのです。この国を統べる、と」 本来ならば、これで、溥儀が目覚めるところでしょうが。それが、覚悟でしょうか。天子としての。実際には、「君臨すれども統治せず」であるはずだから。その現実と非現実が、満州帝国の中で混沌を深めるのかも。 「満州に渡った日本人は、誰もが芝居を打っているのではないか」北村の言葉が響く。ちょうど、田舎から東京に出てきたように。そして、東京が狭くなった時、外国へ出ていくように。そして、その芝居は、夢は、いつまで続くのだろうか、と。 「貧乏が嫌なら稼ぎゃよかろう。みんなして働いてみんなして分けたら、正直者が馬鹿をみて、要領のいい奴が得をする」ギャング・杜月笙のこの言葉は、感銘する。 最後に、関東軍の財源の話は、一番納得できてしまった。そうか、腑に落ちる、と。侵略者は誰もが食い物にする。満州は酷い所だった。

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2021/07/19

圧倒されながら読んだ。近代史は中学・高校とも時間切れでほとんど学ばなかったけれど、日本や世界で何が起こっていたのか、何故それが起こったのか(それを起こした人たちが何を考えていたのか)、検証をして理解をすることはやはり、とてもとても重要だと思う。例え直視に耐え難いことであっても、今...

圧倒されながら読んだ。近代史は中学・高校とも時間切れでほとんど学ばなかったけれど、日本や世界で何が起こっていたのか、何故それが起こったのか(それを起こした人たちが何を考えていたのか)、検証をして理解をすることはやはり、とてもとても重要だと思う。例え直視に耐え難いことであっても、今の世界のありようを理解するためにも必要な作業じゃないかと思う。 このシリーズはまだ続くのだろうか。この後を浅田次郎さんがどのように描くか、とっても興味深いので、ぜひ続けて書いてほしいなと思った。

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2021/01/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

春児達を追って来た読者にはいいラスト。ここはもう、別のテンションで読んだ。鈴々の強さ、優しさ含めて。蒼穹の空はその後迫りつつある不幸を予感させ、冷たいものでもありながら、優しい物語で閉じた。 ふたりの天子を追うのであれば、焦点絞りつつ、関東軍を絡ませるとか、幾つかは番外編でやるとか、もう少し、構成はやりようがあったのではないかと思う。断片的な構想を読んだような。 そして龍玉等、諸々オチない…。 これ、続くのかな。でもこれ以降、読むのが辛い時代なんだけれども。

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2020/10/10

まずは読了までめちゃめちゃ時間かけてしまった!! 一巻まではするする読んでいたものの、 中華の行末があまりにも混沌としていて、また日本に生きる者として心が痛んでしまって 4冊に2ヶ月くらいかけてしまった…… (単純に家にいる時間が減ったのもあるかな?) やっぱりこのシリーズは...

まずは読了までめちゃめちゃ時間かけてしまった!! 一巻まではするする読んでいたものの、 中華の行末があまりにも混沌としていて、また日本に生きる者として心が痛んでしまって 4冊に2ヶ月くらいかけてしまった…… (単純に家にいる時間が減ったのもあるかな?) やっぱりこのシリーズは第一作が一番好きだし 春児や梁文秀が出てくると嬉しくなるけど、 自分でも意外だったのは 彼らが歳を取っていることを残念に感じるだけでなく 自分が老いていくことが恐ろしくなったこと。。。 歳を重ねるごとにこういう変化もあるのね……と。 中身が面白かったというよりは ハードは装丁が綺麗でいいなあと思うのと、でも重くて腕が疲れるなあ、そして張学良がかっこいいなと。 文庫本も揃えるとは思うけど やっぱり『蒼穹の昴』にはかなわないなあ。

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2020/08/28

今回もいろんな人がいろんな思惑で色々とあるんですが、やはりこのシリーズは春児ですな。今作は出番が少ないといえど要所要所でグっと存在感をだしていて、そして春児が母になったことを匂わせてのEDがじーんとしみじみくる。なんども描かれるのが溥儀の”凶相”について、3回即位して3回退位する...

今回もいろんな人がいろんな思惑で色々とあるんですが、やはりこのシリーズは春児ですな。今作は出番が少ないといえど要所要所でグっと存在感をだしていて、そして春児が母になったことを匂わせてのEDがじーんとしみじみくる。なんども描かれるのが溥儀の”凶相”について、3回即位して3回退位するという凶相ではあるんですが、登場人物が容貌を見て”凶相”と断じるんですが、この清国的というかジュルチンの審美?というかそういうのからすると、醜悪で凶相なのか。ここのあたりのイメージが共感しようにも知識がなくて、置いてけぼりでした。主観的には確かにモンゴル圏では線が細すぎるというか異質な容貌ではあるが、普通のアジア人という感じでしかないので。確かに、清国的に天意をもつ皇帝としての相はないのかも。 >ああそれにしても、この類い稀なる凶相はどうしたことだ。 そこまで?とは思わなくもないが、中華的にはそういう感じもありかとは思う。 ともかく、いいラストだった、また蒼天から再読したい。

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2020/03/05

「蒼穹の昴」シリーズの第五シリーズ。張作霖が爆殺されたその後の世界が描かれている。 満州国を作ろうとしている関東軍の手中にある宣統帝溥儀や、父を失った張学良の苦悩、強引な満州国建国を良しとしない大日本帝国軍人たちの思いなどが交錯しながら、溥儀の満州国皇帝即位式が行われる。 様々...

「蒼穹の昴」シリーズの第五シリーズ。張作霖が爆殺されたその後の世界が描かれている。 満州国を作ろうとしている関東軍の手中にある宣統帝溥儀や、父を失った張学良の苦悩、強引な満州国建国を良しとしない大日本帝国軍人たちの思いなどが交錯しながら、溥儀の満州国皇帝即位式が行われる。 様々な人物が描かれている群像劇で、視点もかなり変わるが、どの人物の立場で描かれていても物語に入れるのが素晴らしい。 独白や語りかけのような文体が特に心地よく読めるのが大きいのではないかと思う。 シリーズ通しての主要キャラも重要な局面で登場する。

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2020/01/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

張学良の帰国と、溥儀の皇帝登極までを描く完結巻。 終盤での粗末な天壇における登極など美しい場面はあるが、やはり物語に寒々しさと薄暗さがつきまとう。史実を基にした部分は陰鬱で、ただ創作による部分だけが優しい。 題材を考えると仕方がないものの、全体を通して閉塞感のある長編だった。

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2019/11/18

「蒼穹の昴」シリーズ 第五部「天子蒙塵」。 第一部「蒼穹の昴」、第二部「珍妃の井戸」、 第三部「中原の虹」、第四部「マンチュリアン・リポート」。 読み通しました! 第一部「蒼穹の昴」、中国清朝末期、貧しい糞拾いの少年、李春雲(リイチュンユン)、(春児(チュンル))と 同じ村の地主...

「蒼穹の昴」シリーズ 第五部「天子蒙塵」。 第一部「蒼穹の昴」、第二部「珍妃の井戸」、 第三部「中原の虹」、第四部「マンチュリアン・リポート」。 読み通しました! 第一部「蒼穹の昴」、中国清朝末期、貧しい糞拾いの少年、李春雲(リイチュンユン)、(春児(チュンル))と 同じ村の地主の息子、梁文秀(リアン ウェンシウ)。 第二部「珍妃の井戸」、義和団事件のさなか、 皇帝の寵愛を一身に受けた美しい妃が命を落とす。 第三部「中原の虹」、馬賊・張作霖の台頭と女帝・西太后の死。天命を持つ者だけが手にすることができる龍玉(ロンユイ)。 第四部「マンチュリアン・リポート」、張作霖とともに列車に乗っていて左足を失ってしまう日本公使館付駐在武官の吉永将。天皇に宛てて志津が綴った「満洲報告書」。 そして第五部「天子蒙塵」、宣統帝溥儀(プーイー)は、革命によって玉座を追われ紫禁城から退去。「不抵抗将軍」のそしりを受ける張学良(チヤン シユエリヤン)。二人の天子は塵をかぶって逃げ惑う。 「日中戦争」を前に、日本と中国の思惑が複雑に絡み合う。 春児と梁文秀が溥儀に尽くすところで終わるのが、 なんともかんとも。 こういう終わり方かぁ~と、抜けんばかりに高く澄んだ蒼穹を想像してみた。 冬の蒼い蒼い空を見るたびに、このシリーズの終わり方がきっと、よみがえるだろうと思った。

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