ルポ西成 の商品レビュー
西の西成、東の山谷と聞き及んでいますが、山谷は入った事なくともすぐそばは結構通行しています。それほど異様な雰囲気は感じず治安が異常に悪いなんていう印象もありません。 そんな中、この西成のルポタージュを見るとディストピアっぷりがよく分かります。 ヤク中(ポン中)がそこいらを徘徊して...
西の西成、東の山谷と聞き及んでいますが、山谷は入った事なくともすぐそばは結構通行しています。それほど異様な雰囲気は感じず治安が異常に悪いなんていう印象もありません。 そんな中、この西成のルポタージュを見るとディストピアっぷりがよく分かります。 ヤク中(ポン中)がそこいらを徘徊しているような場所ですから、山谷と違って現役のスラムという印象です。 単純で危険な労働を保証も無い中従事している、彼の鬱屈が一番リアル。死んでもどこかに捨てられて終わりという結末がありありと見えます。 もっと突っ込んで行くのであれば、貧困ビジネスの結末までぐいぐい行って欲しかったけれどあくまで表層をさっとなぞったという所でしょうか。 人間のクズと言われるような人々の中にも、人懐っこく妙な魅力や包容力を感じさせる人が居て、そういう人に取り入って仲良くなる力を持っているのは感心しました。ある意味取り込まれないように気を付けろよと思った瞬間も有りました。 本作を書いた彼は、これが最初の著作でまさにのし上がろうとしている最中の作品で、ある意味、彼自信が取材対象と同じような人生を送るかもしれないという漠然とした恐怖を抱いているのを感じます。 他の人のレビューに垣間見える「上から目線」「覗き見根性」のようなネガティブな意見は全くごもっとも。しかし彼はここからのし上がるのか、底辺のライターとして生きて行かなければならないのかの瀬戸際で書いています。 取材も覚悟が足りない部分があり、漫然と労働してその合間に聞き及んだ事を羅列しているに過ぎないと思います。それだけこの取材が「もしかしたら自分もこうなるしかないのかもしれない」という不安を内包していると言えますまいか。 この本結構話題になっているはずなので、ここから社会派になるのか、下世話なゴシップライターになるのかは彼次第だと思います。
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絶対カメラが入れない場所、そして、物見遊山で出かけてはいけない場所が、かつてははっきり存在していました。 ここ数年、そういうところに「場違いなワカモノ」が入り、そしてそこで見聞きしたことを「ちゃんとした文章」でルポすることで、一般人がその場所のことを知る機会ができました。 「...
絶対カメラが入れない場所、そして、物見遊山で出かけてはいけない場所が、かつてははっきり存在していました。 ここ数年、そういうところに「場違いなワカモノ」が入り、そしてそこで見聞きしたことを「ちゃんとした文章」でルポすることで、一般人がその場所のことを知る機会ができました。 「希望難民」しかり、この本しかり。 一冊出ると、後追いするひとも増えてくるのでしょう。 そういう意味で、純粋な「ルポ」は、各箇所に一冊しか存在しないかもしれません。 一方、いまやいろんな動画でこうした場所を、まさに物見遊山で訪れる人たちを見ることができます。 それは「ルポ」ではないと思います。 そして、そこに映し出されるものは、映像としての事実ではあったとしても、そこから感じ取れるものは、 「ルポ」の何分の一かしかないように思います。 手元に入る金をすべて使ってしまうひとたち。 何をどう話しても、言葉の力で何かが伝わるとは思えません。 社会のなかの、どこかの部分を、そういうひとたちも構成していることを忘れないために、こうした「ルポ」の書き手が必要なんだと思います。
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大体において興味本位でくくられるような一冊。読者は勿論、恐らく著者も。 作られた感動実話的な面はなく、かといって露悪的といえるほどとがってもいないから、構えることなく読みやすかった。
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今はかなり状況が変わったとのことだが、昼間なら兎も角、今も夜には、この地区に入りたいとは思わない。怖いもの知らずの若者とはいえ、著者の勇気には脱帽する。ただ内容はちょっと残念。踏み込みかけた世界から一旦引き下がってこの本を書いてしまった感がある。取材の限界はあると思うが、踏み込み...
今はかなり状況が変わったとのことだが、昼間なら兎も角、今も夜には、この地区に入りたいとは思わない。怖いもの知らずの若者とはいえ、著者の勇気には脱帽する。ただ内容はちょっと残念。踏み込みかけた世界から一旦引き下がってこの本を書いてしまった感がある。取材の限界はあると思うが、踏み込みが足りないルポになってしまった。
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あいりん地区の住民たちと78日間いっしょに過ごした筆者が、彼らの生活を描く。飯場での死と隣り合わせの日常、ほとんどがしゃぶ付けと犯罪者、周りの異様なおかまたち、飯場で稼いだ金を2日でばくちに捨てる飯場の人、本当は証券マンだが休暇をとって飯場生活を経験していると主張する男、生活保護...
あいりん地区の住民たちと78日間いっしょに過ごした筆者が、彼らの生活を描く。飯場での死と隣り合わせの日常、ほとんどがしゃぶ付けと犯罪者、周りの異様なおかまたち、飯場で稼いだ金を2日でばくちに捨てる飯場の人、本当は証券マンだが休暇をとって飯場生活を経験していると主張する男、生活保護のドヤの住人とそのピンハネで成立する貧困ビジネス。私たちが避ける、知らない世界の現実を見せてくれます。人間の弱さと怖さが濃縮された世界で、勉強にはなりましたが、虚しい気持ちが残りました。
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西成でなり行き場ルポをすることになったライター。ドヤに住み、底辺とは何そやということを心底実感する。前科者、ヤク中がヤクザの建設労働者あるいはおちれば貧困ビジネスに囲まれ、生活している有様。
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西成関係の本は最近結構読んだが、 この本はちょっと毛色が違う 他に読んだ本は、西成(釜ヶ崎?)の人は温かいとか そういった内容が多かった。 それが嘘だとは言わないが、本当か?と必ずしも信じきる気にはならなかった この本は、それとは違う 西成は多少歩いたことがあるぐらいだが、 さ...
西成関係の本は最近結構読んだが、 この本はちょっと毛色が違う 他に読んだ本は、西成(釜ヶ崎?)の人は温かいとか そういった内容が多かった。 それが嘘だとは言わないが、本当か?と必ずしも信じきる気にはならなかった この本は、それとは違う 西成は多少歩いたことがあるぐらいだが、 さすがにこの本に書いてるところまではというのが印象 ただ、実際に働いたりしたことがあるわけでもないので、 間違っているとはいいがたい ただ、この本の著者の物の見方はなんとも好きになりがたく、 書き方も読者の視線に合わせているというか、 過剰な表現にしようとしているか なんだか胡散臭く感じてしまった
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途中から飛ばし読み。 なぜかどうしようもない不快感につきまとわれる。 西成のドヤ街に潜入したということで期待(興味本位)を持ったが、なんだか浅い浅ーい感がぬぐえない。 78日しかいなかったからか。 彼のそこはかとなく漂う見下した視線が痛いのか。 著者のプロフを見ると、筑波大卒とあ...
途中から飛ばし読み。 なぜかどうしようもない不快感につきまとわれる。 西成のドヤ街に潜入したということで期待(興味本位)を持ったが、なんだか浅い浅ーい感がぬぐえない。 78日しかいなかったからか。 彼のそこはかとなく漂う見下した視線が痛いのか。 著者のプロフを見ると、筑波大卒とある。 そんなことも関係しているのか。 後味が悪く、得るものはない。 まあ、興味本位に手に取った私が鼻もちならないってことか。
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よぼよぼのじじいが60位の脂ぎった親父に半分強姦されていた。座席には浮浪者の姿もちらほらあり臭すぎて喉鼻呼吸ができない上に口で呼吸をしても吐き気を催してしまうのだった。 しかしそれでも中には売れないオカマも多く深夜の商売が坊主だったときには早朝になるとそのままあいりんセンターへ...
よぼよぼのじじいが60位の脂ぎった親父に半分強姦されていた。座席には浮浪者の姿もちらほらあり臭すぎて喉鼻呼吸ができない上に口で呼吸をしても吐き気を催してしまうのだった。 しかしそれでも中には売れないオカマも多く深夜の商売が坊主だったときには早朝になるとそのままあいりんセンターへフラフラと向かい日中は現場で穴を掘るなんてオカマもいたそうだ 仕事が終わった夕方ごろフロントにいる台湾人スタッフりゅうくんと話をしているとやせ細ったおじいさんがふらふらとホテルに入ってきた栄養失調かと思う位に体に力が入っていないおじいさんはホテルの時計を見ながら今は午前と午後どっちと目を閉じたままりゅうくんに聞いていた
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著者の國友さん。 若いなぁ、と思った。 我と彼。 違いを感じて、それをそのまま書くのはいいけど、実は彼我は地続きであることに思い至り、その共感から、人生への、運命への畏れみたいなものまで繋がらないと、単なる感想文にしかならないと感じました。 でも、最初に書いたとおり、著者はま...
著者の國友さん。 若いなぁ、と思った。 我と彼。 違いを感じて、それをそのまま書くのはいいけど、実は彼我は地続きであることに思い至り、その共感から、人生への、運命への畏れみたいなものまで繋がらないと、単なる感想文にしかならないと感じました。 でも、最初に書いたとおり、著者はまだ若いんだし、今後、より面白いルポを書いてくれることを期待しています。 期待を込めて星二つ。
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