50 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
『世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史』(スティーブン・ジョンソン著, 朝日新聞出版, 2016/8)ほどではないが、世界にインパクトをもたらした発明の数々。今では当たり前の財が無かった頃に、人類がいかに発明し、実用化したかが綴られており、興味深い。
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マット・リグレーの「繁栄」の冒頭で50万年前のハンドアックスと現代のコードレスマウスの写真を並べていたことを思い出しました。そこで人類の進化は交易を通じて一人じゃ出来ないことを積み重ねて成し遂げられてきたことを語っていました。この本の50のテップス(?)も人と人の交わりを活性化さ...
マット・リグレーの「繁栄」の冒頭で50万年前のハンドアックスと現代のコードレスマウスの写真を並べていたことを思い出しました。そこで人類の進化は交易を通じて一人じゃ出来ないことを積み重ねて成し遂げられてきたことを語っていました。この本の50のテップス(?)も人と人の交わりを活性化させるモノが多かったような気がします。本書で語られるのはモノそのものじゃなくて、そのモノが作り出した暮らしとか社会システムとかについてです。そして、そのそれぞれはお互いに絡み合いながら、現在に至るイノベーションの歴史を作っていくのです。取り上げられているトピックを備忘的にメモすると、蓄音機、有刺鉄線、セラーフィードバック、グーグル検索、パスポート、ロボット、福祉国家、育児用粉ミルク、冷凍食品、ピル、ビデオゲーム、マーケットリサーチ、空調、デパート、発電機、輸送用コンテナ、バーコード、コールドチェーン、取引できる債務とタリースティック、ビリーブックケース、エレベーター、楔形文字、公開鍵暗号方式、複式簿記、有限責任株式会社、経営コンサルティング、知的財産、コンパイラ、iPhone、ディーゼルエンジン、時計、ハーバー=ボッシュ法、レーダー、電池、プラスティック、銀行、カミソリと替え刃、タックスヘイブン、有鉛ガソリン、農業用抗生物質、モバイル送金、不動産登記、紙、インデックス・ファンド、S字トラップ、紙幣、コンクリート、保険、そして電球。この50のありとあらゆる雑多な事象がいかに経済というものを作り上げてきたのか、経済史というのはイノベーション史であり、人類の生活史なんだな、と感じました。そして、いまグローバルに蔓延するポピュリズムと言われるものはグローバル時代、デジタル時代の「ラッダイト運動」なんだ、と思い知りました。だから、これは過去の話じゃなくて現在進行形の話なんですよね。作者のスパイスもキリリと効いていて気軽な読み物ですが、考えさせることは大。スティーブン・ジョンソンの「世界をつくった6つの革命の物語」の経済版でもあります。
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