左目に映る星 の商品レビュー
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人は自分と似ている人か正反対の人を好きになると聞くが、正反対の人を好きになった早紀子にとても共感した話だった。早紀子と宮内は、あの合コンがなければ決して交わることのない2人だったし何もかもが異なっていた。私も、自分とは全く違った人を好きになりがちだから、宮内に惹かれた早紀子の気持ちはよくわかった。 短い話でとても読みやすかった。 最後の日向はあんなことを言うためにわざわざ跡をつけてきたのかと思うと、かなり気持ち悪いと思った。
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「身体の中で、人はみんな1人なんだよ。自分以外の人間が何をどう見ているかなんて、絶対に分からないし、寝返りをうちたくなったら、大事な人の手だって離してしまう。身体があるかぎり、人は一人ぼっちで、つまり、寂しいのは当たり前のことなんじゃないかって、最近僕は思う。」 こんなこじらせ...
「身体の中で、人はみんな1人なんだよ。自分以外の人間が何をどう見ているかなんて、絶対に分からないし、寝返りをうちたくなったら、大事な人の手だって離してしまう。身体があるかぎり、人は一人ぼっちで、つまり、寂しいのは当たり前のことなんじゃないかって、最近僕は思う。」 こんなこじらせ哲学を語る吉住くんは、早希子の初恋相手。早希子はこの初恋が忘れられない。 初恋をいい思い出にできず「自分のことを分かってくれるのは吉住くんだけだ!」とか思っちゃう早希子も、こじらせ女子(笑) ただこの作品は決して孤独に囚われた女の話でない。 この作品の1番の魅力は、 孤独という「価値観を共有できる人こそ真の理解者」だと思い続けてきた早希子が、 「自分とは考え方が根っから異なる」男性に出会い、惹かれていくところ。 とても可愛い恋愛小説でした。 でもわたしは、小学生でこんなこじらせた事をいっちゃう吉住くんがすき(笑)
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26歳の早季子は、小学生の頃に恋したマセガキ吉住君の「身体の中で、人はみんな一人なんだよ」という中二病セリフに感化されて以来、孤独ぶった投げやりな人生を送っている。どうせ理解しあえないからと、恋人も含めた人間関係をドライに消化している。 その上、久しぶりに再会した吉住君の内面も...
26歳の早季子は、小学生の頃に恋したマセガキ吉住君の「身体の中で、人はみんな一人なんだよ」という中二病セリフに感化されて以来、孤独ぶった投げやりな人生を送っている。どうせ理解しあえないからと、恋人も含めた人間関係をドライに消化している。 その上、久しぶりに再会した吉住君の内面も変わってしまっていたものだから、悲劇のヒロインぶりに一層の拍車がかかる。 「私はたぶん、この世界の誰とも付き合えない」なんて言っちゃう。 しかしこれは達観しているのではなくて、理解しあえないという現実を直視させられることが怖いだけなんだよな。 実際、宮内に異星人のような別の世界の人間として扱われることに嫌悪感を示しているわけだし。 吉住君の変化に関してもそう。 相手の虚像を実像だと思い込んで、勝手に期待して裏切られた気になっている。 その気持ちはよくわかる。 自分が信頼を寄せていた人が変わってしまった(ように見える)ことにショックを受けてしまう気持ちもわかる。 でも、相手のことを100%理解することはできないからといって、理解しようとすることをやめたら、1%も理解することはできない。 それどころか、人間関係においては、自分からとった距離以上に相手からも離れられてしまうものだ。 「私はたぶん、この世界の誰とも付き合えない」なんてセリフを聞かされた友人はきっと「何言ってんだこいつwww」て思ってる。 相手のことを理解していけば、裏切られたと思うことは減るんじゃないだろうか。 相手の変化は価値観の変化ではなくて、物事への向き合い方が変わっただけだったなんて言うことにも気づくかもしれない。 寂しがり屋なら、寂しさから離れようとか寂しさを受け入れようとかする前に、積極的に人間関係を構築していったほうがいい。
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オミクロンにかかり、暇すぎてひたすら小説を読んでいる。 この本は自分の境地と似ている部分があって面白かった。 僕も恋愛経験が多いわけでもなく、性格的にもとても難しい人間だ。 だから、主人公の早希子がいう「特定の誰かと付き合えないんじゃないか?」というフレーズは何度も頭の中を...
オミクロンにかかり、暇すぎてひたすら小説を読んでいる。 この本は自分の境地と似ている部分があって面白かった。 僕も恋愛経験が多いわけでもなく、性格的にもとても難しい人間だ。 だから、主人公の早希子がいう「特定の誰かと付き合えないんじゃないか?」というフレーズは何度も頭の中を巡っている。少なくとも、早希子は合コンでたくさん出会いの機会があるだけマシなのではないかとさえ思う。 ただ、この本の中にある「不一致」というキーワードはとても参考になった。 どうしても人と話したり関係を築く時に、共通点や何か自分と似ている部分を探してしまい、その一致具合で親近感を覚えてしまう。けど、逆に「不一致」が心地よかったり、愛おしさが芽生えたりするなら、それが本当に通い合っているのではないかとも思う。 すごく新鮮な感覚だった。あとは、この文庫の解説がとてもわかりやすく、要点を捉えてて面白かった。良い本でした。 自分に自信がなかったり、迷いがある人は読んでみると良いかもしれません。
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熱中して読んでしまって、一瞬で読み終わった。 とてもホッコリする話。 昔好きだった人を引きずってる系ね、と思わせてそれとは違う。一概には言えないけど、死んでしまった恋人とか死んでしまった好きな人っていうのは安易じゃないかという捻くれ心がありまして。死んだ途端に誰も敵わないもん。けど本当の死じゃなく表現しているところに好感を持てた。 誰しも?少なくとも私はものすごく好きだった人がいるけど、たぶんまたその人と会ってもたしかに好きじゃないだろうなと思う部分はある。私のこと好きだったその人が好きだったから、もう私のこと好きじゃないその人は好きではない。。自己愛もあるけど。愛されてる自分が好きだった。 まぁそんなのはどうでもよく、こちらは良き作品でした!
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他の誰かと関係を持つときは誰もがその人の虚像を創り上げてしまう どれだけ親密にしていたり濃密に情報を共有しても、その人の本質的な部分に触れることは難しい ましてや、その人が観て聴いて味わって感じたことなんてその人にしか分からない。 人は誰しもが孤独である。 そのジレンマの狭間で繋...
他の誰かと関係を持つときは誰もがその人の虚像を創り上げてしまう どれだけ親密にしていたり濃密に情報を共有しても、その人の本質的な部分に触れることは難しい ましてや、その人が観て聴いて味わって感じたことなんてその人にしか分からない。 人は誰しもが孤独である。 そのジレンマの狭間で繋がり、踠き、苦しんで、生きていて、何も考えずに生きている人はそんなジレンマにも気付かないけど、早希子や吉住くんはそんな構図にいることを気付いてしまっているから、本当に辛い。 孤独ぶって自分のことしか考えてない、周りの人は傷ついていると言われても、たぶんきっと一番傷ついてるのはその本人で、お気楽で一人で過ごしているわけではないと思う。 孤独を越えて繋がるのもしんどいし、孤独でいるのもしんどい。
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面倒くさい女のラブストーリー。早季子は「人は皆孤独。分かり合えない」と教えてもらった小学生の頃の初恋の相手を26歳になっても忘れられない。初恋相手と同じ特徴を持つ宮内に興味を持つが、宮内はアイドルオタクでオタ活に全てを注ぐ人であった。早季子は孤独と過去に浸っているイタイ女という印...
面倒くさい女のラブストーリー。早季子は「人は皆孤独。分かり合えない」と教えてもらった小学生の頃の初恋の相手を26歳になっても忘れられない。初恋相手と同じ特徴を持つ宮内に興味を持つが、宮内はアイドルオタクでオタ活に全てを注ぐ人であった。早季子は孤独と過去に浸っているイタイ女という印象で、あまり魅力は感じなかった。でも「目」がキーワードになっている物語は新鮮。そして学生時代ってちょっとしたことで好きになったり冷めたりってのはあるよね、と共感。そして終盤はときめく展開と名台詞でハッピー気分が伝染する。
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好き!「勝手にふるえてろ」然り、学生時代の恋愛って神格化してしまう。それが叶わないものだとしたらなおさら。虚像なんだけどね。宮内にも早季子にも苛立ったところはあるけど、それを上回る可愛さ。あ〜わかるわかる。宮内、可愛い〜!宮内〜!!!
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主人公の神田早季子は都内の文具メーカーで仕事をしている26歳。小学校の同級生で大好きだった吉住君のことが忘れられずに、その時の刷り込みで孤独を抱えて生きています。他人に恋愛感情が持てずに、合コンで出会った男とその時だけの関係を結ぶこともあります。ある合コンの時に、吉住君と同じ片目...
主人公の神田早季子は都内の文具メーカーで仕事をしている26歳。小学校の同級生で大好きだった吉住君のことが忘れられずに、その時の刷り込みで孤独を抱えて生きています。他人に恋愛感情が持てずに、合コンで出会った男とその時だけの関係を結ぶこともあります。ある合コンの時に、吉住君と同じ片目を瞑る癖をもつ人の話が出て、紹介してもらいます。その同じ癖をもつ宮内は、女性アイドルを追っかける、早季子とは全く違う人でした。宮内と話をするために、福岡でのライブに同行し、なぜか度々アイドルイベントに同行するようになります。その度に、宮内と自分との違いを感じます。 早季子と3年間付き合った元カレは嫌なやつなので触れませんが、特に後半、甘くて幸せな感じが、心を満たしてくれます。
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孤独を抱える早季子は、かつて存在した『完璧な理解者』と同じ癖を持つ人の存在を知り…。奇妙で愛しい出会いの物語。第37回すばる文学賞受賞作。 現代社会を安寧な精神で生き抜くためには、自分のネガティブな部分を愛さなければならない。そして誰かの共感を得るか、または誰かに共感するか。それ...
孤独を抱える早季子は、かつて存在した『完璧な理解者』と同じ癖を持つ人の存在を知り…。奇妙で愛しい出会いの物語。第37回すばる文学賞受賞作。 現代社会を安寧な精神で生き抜くためには、自分のネガティブな部分を愛さなければならない。そして誰かの共感を得るか、または誰かに共感するか。それが人間関係の構築と愛の形成に繋がるのだろう。
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