雛口依子の最低な落下とやけくそキャノンボール の商品レビュー
射殺事件に巻き込まれた依子。なぜ起きたか謎とされていたが、ある日、犯人の妹・葵に声をかけられ、真相を追うことになる。依子のこれまでを振り返りながら物語は進んでゆく。依子がなぜそうなったのかはおいおいわかるが(もともとの人柄もあるだろうけど)、葵の性格もぶっ飛んでて、その二人のやり...
射殺事件に巻き込まれた依子。なぜ起きたか謎とされていたが、ある日、犯人の妹・葵に声をかけられ、真相を追うことになる。依子のこれまでを振り返りながら物語は進んでゆく。依子がなぜそうなったのかはおいおいわかるが(もともとの人柄もあるだろうけど)、葵の性格もぶっ飛んでて、その二人のやりとりがコメディ風で可笑しくもあり、しかし、内容は洗脳、性のこと、圧倒的な暴力などの匂いがぷんぷん。暗くならずに依子の個性的な頑張りで突っ走っていった感じ。そこがこの物語の読ませ具合のいいとこなんだろうな。謎も上手いように進めていたし、好みが分かれるだろうけど、面白かったな。ぶっ飛んでいるのが印象的な一冊。
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とにかく先の読めない展開にまいった。 降参です。 それはもう不平等に、日常的に、狂気と暴力と理不尽が降り注ぐ。雛口依子がやけくそになっても誰が責められよう? そして「毒母VSメンヘラ娘」、これはもはや希望の光でしかない。
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なんと表現すればいいのでしょう……どうにも奇妙ではちゃめちゃで、だけど読み進むごとにどんどん目が離せなくなってくる作品です。タイトルからしてなんなのか最初は全く謎。 筆舌に尽くしがたい過酷な人生を送らされてきた雛口依子。だけどその異常性に気づくことなく、だからこそなのか逞しすぎる...
なんと表現すればいいのでしょう……どうにも奇妙ではちゃめちゃで、だけど読み進むごとにどんどん目が離せなくなってくる作品です。タイトルからしてなんなのか最初は全く謎。 筆舌に尽くしがたい過酷な人生を送らされてきた雛口依子。だけどその異常性に気づくことなく、だからこそなのか逞しすぎるほどに逞しく生きてきた彼女がとてもカッコよく思えてしまいました。傍目には不幸そのものなんだけど、なぜかそんな気がしない。そして彼女が自分の置かれた状況の理不尽さに気づいて反撃を始めるようになってからがとことん痛快。どんな環境でも、生き抜こうとする気概が大事かなあ。 しかしこの作品のもうひとつのテーマって、「小説の力」なんじゃないかと思えるのは気のせいでしょうか。「毒母VSメンヘラ娘」の(笑)。これだけ生きる力を与えてくれる作品って凄いよねえ。気になる、って思ってたら巻末におまけのようにありました。いやー、これもぶっ飛んでて楽しいわあ。
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この本を電子書籍で読むのはもったいない。紙の本でしか味わえない喜びが隠されている。読み終えてさらに二度も楽しめるなんて。驚いたのは、エキセントリックな登場人物ばかりなのにこれまで出会ったいろんな人達が思い出されたこと。
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あの無差別銃乱射事件から3年。犯人の妹・葵と被害者の雛口依子は運命的な出会いを果たす。二人は事件の真相をルポに書くため、依子の過ごした26年を辿る。「何だこれは、何なんだこれは」書店員さんたちを困惑と興奮の渦に巻き込んだビルドゥングスロマン
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