1,800円以上の注文で送料無料

台湾生まれ日本語育ち の商品レビュー

3.8

13件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    3

  3. 3つ

    4

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/02/29

ご両親は台湾人で4歳からずっと日本で、台湾語や中国語ではなく日本語で生活する温又柔さん。 日本で生まれ日本で育った日本人の私には全然気づくことができない温さんの想い。 「国」って何? 「国語」って何? ということ。 台湾においては日本語を強制された時代もあ...

ご両親は台湾人で4歳からずっと日本で、台湾語や中国語ではなく日本語で生活する温又柔さん。 日本で生まれ日本で育った日本人の私には全然気づくことができない温さんの想い。 「国」って何? 「国語」って何? ということ。 台湾においては日本語を強制された時代もあって、台湾語もあって、また中国語もあって。 でも台湾人なのにそのどちらでもなく、日本語が一番話せるということへの葛藤。 日本語しかできない私からしたら、日本語ができて、中国語や台湾語も身近である程度理解できる環境は羨ましいなと思ってしまうのだけれど、きっとそんなものではないのだろうな。 温さんの想いを知ることができて、とても考えさせられ、良かったです。 国とか国語(母語)で線引きしないで多様なものを当たり前に受け入れる世界になっていくことを願います。

Posted byブクログ

2023/10/12

難しい漢字や読めない漢字があって読みにくいですが、学びにはなりました。台湾の事、日本の事歴史を色々と知ることのできる内容でした。海外の方々の言葉の問題など気持ちを知る事ができる内容でした。色んな葛藤があるんだなと。新しい言葉を流暢に喋る事がどれほど大変か。

Posted byブクログ

2023/07/12

3歳の時に東京に移住した台湾人の温さん。台湾語・中国語・日本語の3つの母語の狭間で揺れ惑いながら、日本や台湾の歴史、家族の歴史を知ることで自らのルーツを探っていく。 自分はどこのだれなのか。言葉とアイデンティティ。日本で日本にルーツを持つ親から生まれ日本で育った私は外も中も知らず...

3歳の時に東京に移住した台湾人の温さん。台湾語・中国語・日本語の3つの母語の狭間で揺れ惑いながら、日本や台湾の歴史、家族の歴史を知ることで自らのルーツを探っていく。 自分はどこのだれなのか。言葉とアイデンティティ。日本で日本にルーツを持つ親から生まれ日本で育った私は外も中も知らず知らずのうちに守られているんだね。外に出ないと気づかないことがあるな。文化、世代、歴史…。積み重ねた上に今がある。から難しいし新しくもなれる。のかな。

Posted byブクログ

2022/09/07

当たり前に使っている日本語。 若い時は結構適当な感じでその世代特有の言葉ばかり使っていたけど、正しい日本語や美しい日本語を使ってコミニュケーションを取りたいと思う。 日本語って本来はきっと美しい。

Posted byブクログ

2022/05/22

言語とアイデンティティについて、その結びつきを考えたこともなかった。楽であることは単なる幸運でしかない。だから楽であることは、考えなければならないことでもあるなあ。私とは違う形で日本語を思考の杖とする温又柔さんが編む物語を読むのが楽しみだ。

Posted byブクログ

2022/10/18

烏兎の庭 第六部 10/24.21 http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto06/doc/on.html

Posted byブクログ

2021/08/26

 タイトル通り、台湾に生まれたが日本に移って日本語に囲まれて育ったことや、ずっと日本で日本人と同様に暮らしてきたにも関わらず、紙面の上では外国人として扱われることへの違和感、政策によって〝国語〟を文字通り叩き込まれた両親・祖父母世代のことなど、母語や母国というものへの疑問や、これ...

 タイトル通り、台湾に生まれたが日本に移って日本語に囲まれて育ったことや、ずっと日本で日本人と同様に暮らしてきたにも関わらず、紙面の上では外国人として扱われることへの違和感、政策によって〝国語〟を文字通り叩き込まれた両親・祖父母世代のことなど、母語や母国というものへの疑問や、これからもそれらへ向かい合っていくことへの決意を感じる内容だった。  最近、中国や韓国の歴史、日本語学の講義を受けたばかりだったのだが、それらについて更に深く考えるきっかけになりそうだと感じた。

Posted byブクログ

2020/10/14

私は同じ植民地でも朝鮮が専門で、台湾のことは不勉強なことも多く、温さんの祖父母の「ことば」にまつわる話に考えさせられ、もっと勉強しよう…と思いました。

Posted byブクログ

2020/04/18

台湾人の両親のもと台湾に生まれながら小学生の頃に日本に来て以来、ずっと日本で暮らし日本語や日本の生活になじんでいる著者のエッセイ。書題のとおり「日本語育ち」で日本語を自らのアイデンティティだという著者に、柔らかなたくましさを備えた正直さが感じられる一方で、台湾と日本の間ではあり得...

台湾人の両親のもと台湾に生まれながら小学生の頃に日本に来て以来、ずっと日本で暮らし日本語や日本の生活になじんでいる著者のエッセイ。書題のとおり「日本語育ち」で日本語を自らのアイデンティティだという著者に、柔らかなたくましさを備えた正直さが感じられる一方で、台湾と日本の間ではあり得るだろうけど、韓国と日本の間ならどうだろうと思いながら読んでいた。 著者自身も李良枝を卒論のテーマに選んでいたようだから自分の立場を自覚し、また朝鮮半島の人たちの場合との違いを考えているだろうけど、著者がすんなりと日本語へのなじみ感を綴れるのに対し、(自分が寡聞なせいかもしれないけど)たとえば在日韓国・朝鮮人のこういうスタンスってなかなか見聞きできない。もちろん、この本の著者と同じスタンスで生きている人は多くいるだろうけど、それを表立って言わない・言えない雰囲気があるという意味で。

Posted byブクログ

2020/01/15

名前は前から聞いていたが、どうしてか手が出なかった。今回、ひょんなことで温さんのことを紹介され読んでみようということになった。温さんは台湾で三才まで育つが、その後はお父さんの仕事で日本へやってくる。だから、現在の温さんが一番自由に使えることばは日本語である。日本語が母語であるとい...

名前は前から聞いていたが、どうしてか手が出なかった。今回、ひょんなことで温さんのことを紹介され読んでみようということになった。温さんは台湾で三才まで育つが、その後はお父さんの仕事で日本へやってくる。だから、現在の温さんが一番自由に使えることばは日本語である。日本語が母語であるといっていい。しかし、温さんは三才まで聞いた母の台湾語、父の(戦後無理矢理習わされた)中国語も耳にどこか残っていて、母親と話すときはこの三つが入り乱れる。彼女は、自分にとってアイデンティティとなる言語はなにかで悩む。そんないらいらが前半を支配し、読んでいてこちらもちょっといらいらすることがある。しかし、彼女はかつて戦前に日本語でしか表現できなかった台湾人の文学に目覚め、かれかのじょたちも自分と同じような悩みをもっていたことに共感する。さらには、台湾を何度も訪れる中で、自分にとっての母語とは日本語、台湾語、中国語の混交体であることを自覚し、かくして彼女は安住の言語を手にいれるのである。その彼女が本書の中国語版につけた名前(これは仲間の協力もあったが)が「我住在日語」である。なにやら、わたしの「中国語を歩く」に似て思わずにやっとしてしまった。

Posted byブクログ