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台湾生まれ日本語育ち の商品レビュー

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13件のお客様レビュー

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2019/12/22

台湾生まれ日本育ちの著者の半生を振り返る内容。同じような悩みがハーフや小さいころに海外に住んでいた人達にもあるのかもしれませんが、そこに台湾という少し複雑な国が混ざり合うことで、著者の母語やアイデンティティとは何なのかを掴みにくくさせている感じがしました。日本や中国に翻弄されてき...

台湾生まれ日本育ちの著者の半生を振り返る内容。同じような悩みがハーフや小さいころに海外に住んでいた人達にもあるのかもしれませんが、そこに台湾という少し複雑な国が混ざり合うことで、著者の母語やアイデンティティとは何なのかを掴みにくくさせている感じがしました。日本や中国に翻弄されてきたツケが、より台湾への愛国心を高める結果になっているのかもしれません。日本でずっと暮らしているとあまり意識しないですが、世界では歴史的に周辺国に翻弄されて同じような悩みを持っている人たちが多いのかもしれません。 ここまで書くとネガティブなイメージですが、ありのままの自分を受け止める著者の姿勢は、同じ境遇の読者だけでなく、両親をも安堵させることになった思います。

Posted byブクログ

2019/01/20

台湾人の両親を持ち、幼少時に日本に移住して日本で育った著者が、自分の生い立ちや経験から、日本ー台湾ー中国をめぐって国や言語(母国 or 国語とは?母語とは?)について考えたことをつづったエッセイ。 台湾が著者のアイデンティティの1つの核としてあるのが面白かったです。 というのは...

台湾人の両親を持ち、幼少時に日本に移住して日本で育った著者が、自分の生い立ちや経験から、日本ー台湾ー中国をめぐって国や言語(母国 or 国語とは?母語とは?)について考えたことをつづったエッセイ。 台湾が著者のアイデンティティの1つの核としてあるのが面白かったです。 というのは、台湾では、日本が支配していた時代は「国語」は日本語、そして今の「国語」は中国語、それとは別に日常生活では(著者の周辺では)台湾語が使われているということ。そのことにより、親族の中でも、何を「国語」として育ったかも違うし、そのあとどのような言葉を合わせて使用しているかも世代によって、また、置かれた環境によっても違う。(私自身はあまり意識してこなかったけれど)そういう複雑な環境が台湾にはある。 物心ついてからそういうさまざまな言語が混ざった「日本語」(著者の言うところの「ママ語」)を嫌だなぁと思っていた著者が、最終的に「ママ語」で育ってよかった!と今では思っている、というのはとても素敵なことだなぁと思いました。そういう否定的では無い意味での”混ぜこぜ”を愛していける世の中になっていけるといいんじゃないかなぁと改めて感じました。 また幼少時からずっと日本で育っているにもかかわらず、国籍は中華民国で、日本では選挙権はなく、台湾では選挙権がある。そういったアイデンティティと権利のねじれのようなものをひしひしと感じました。国籍とは、母国とは、についていろいろと考えさせられ、自分の意識で柔軟にそういうものを選べる制度が、世界でできていくといいんだろうなぁと感じました。 ことばやアイデンティティについて考えるときに、また立ち戻りたくなるであろう、素敵なエッセイでした。

Posted byブクログ

2018/09/23

面白く読んだ。 そういえば小説の方を買おう買おうと思っていてそのまんまだったな……ということを思い出した。

Posted byブクログ