蜜と毒 新装版 の商品レビュー
瀬戸内寂聴さんの、情事を描いた小説をずっと読みたいと思っていた。男が女を、女が男を求めてやまないリアルな欲望が描かれている。ここに、相手を本気で愛しているという人間はいない。自己の欲望に忠実で相手に気持ちがあるようで、自分のことしか考えていない。そんなものだと思った。
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情事という言葉でなんとなく曖昧にしているけれども、男女の肉体関係を嫉妬、プライドなど人間の卑近さを描こうしているのか。 作者のその後の行く末を考えると非常に興味深いけど、昭和50年の発刊当時はどのように受け止められたのか。 ある種ウーマンリブの表現とも言えるかもしれないが、とにか...
情事という言葉でなんとなく曖昧にしているけれども、男女の肉体関係を嫉妬、プライドなど人間の卑近さを描こうしているのか。 作者のその後の行く末を考えると非常に興味深いけど、昭和50年の発刊当時はどのように受け止められたのか。 ある種ウーマンリブの表現とも言えるかもしれないが、とにかく登場人物がしょうもない。 心理的な変化もあまりなく、それぞれに位置された人間関係の綾でストーリーを持ち上げるかと思えば、いまいちドライブしない。 登場人物も限られていて、場面もほとんど展開しない「死の棘」と比較すると歴然たる差があるように感じる。 自分がそんな気分じゃなかったかとも思うが、それってどんな気分だ? 我慢して読んだ、というのが正直なところ。
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