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七月に流れる花 の商品レビュー

3.6

35件のお客様レビュー

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2024/01/11

懐かしくなるようなどこか哀愁漂う田舎の夏の描写と、林間学校の招待状が渡され、意味もわからず「夏の城」に閉じ込められるという物語の不思議さに魅了された。ラストも良かった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 坂道と石段と石垣が多い町、夏流に転校してきたミチル。 六月という半端な...

懐かしくなるようなどこか哀愁漂う田舎の夏の描写と、林間学校の招待状が渡され、意味もわからず「夏の城」に閉じ込められるという物語の不思議さに魅了された。ラストも良かった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 坂道と石段と石垣が多い町、夏流に転校してきたミチル。 六月という半端な時期の転校生なので、友達もできないまま夏休みを過ごす羽目になりそうだ。 終業式の日、彼女は大きな鏡の中に、緑色をした不気味な「みどりおとこ」の影を見つける。 思わず逃げ出したミチルだが、手元には、呼ばれた子どもは必ず行かなければならない、夏の城―夏流城での林間学校への招待状が残されていた。 ミチルは五人の少女とともに、濃い緑色のツタで覆われた古城で共同生活を開始する。 城には三つの不思議なルールがあった。 鐘が一度鳴ったら、食堂に集合すること。 三度鳴ったら、お地蔵様にお参りすること。 水路に花が流れたら色と数を報告すること。 少女はなぜ城に招かれたのか。長く奇妙な「夏」が始まる。

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2022/12/08

 いきなり「みどりおとこ」が出てきたら驚かない方がおかしい。知らない方が幸せ以前の事な気が… ファンタジーなのかと思ったら、現実の話と言うことが一番驚いたかも。設定が面白い。 八月…も読んでみよう。

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2022/06/10

最初の方のファンタジー感のある雰囲気が最高に好き。(ブライト系の眩しくて爽やかな感じと、光のレースみたいな優しい生成り色。花の鮮やかな赤。みたいな世界観。) 風景と色彩の描写が私とカッチリはまってすぐにこの世界へ入り込めた。みどりおとこは不気味すぎる。 前半はうわぁ〜!っと、ま...

最初の方のファンタジー感のある雰囲気が最高に好き。(ブライト系の眩しくて爽やかな感じと、光のレースみたいな優しい生成り色。花の鮮やかな赤。みたいな世界観。) 風景と色彩の描写が私とカッチリはまってすぐにこの世界へ入り込めた。みどりおとこは不気味すぎる。 前半はうわぁ〜!っと、まんまるの目でワクワクしながら、後半はあ〜、なるほど。と冷静になる。

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2023/11/15
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※このレビューにはネタバレを含みます

(2021.10) いつも私の本の世界を広げてくれる司書さんからオススメされた本。 大事に読み始めてみた。 ホラーなの? えっ?処理? え?苦手なホラー? とドキドキハラハラして読みすすめて 最後には、あーそーゆーことかぁ〜と、ストンと落ちた。 短い割には読み応えがあって、城の雰囲気も花の美しさと情景がとてつもなくキレイで、切なくもあるけど読んだあとに浸ってしまった。良い本に出会えて、そんなきっかけを作ってくれた司書さんにまた感謝だな〜❤

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2021/07/18
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※このレビューにはネタバレを含みます

話の内容は短くて、読みやすい。 短い割には読み応えもあった。冷や汗が出るようなお話かと思えば ちゃんと現実話で、そういうことね〜という感じ。 サクッと読めて、ちょっと気分転換になったかな。 恩田陸さんの本を読んだ、という満足感がある短編でした。

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2021/06/30
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※このレビューにはネタバレを含みます

ホラーファンタジーかと思ったらちゃんと筋の通った普通の話だった…コロナ禍の今読むとうわぁ…となる。娘にしか会えないのは謎なんだけど。そしてこれは次の巻に続くのか…恩田作品は突然尻つぼみになるからここで終わってもいいんじゃないかな、と思った。少年の登場をなくしても話として十分成り立つからなぁ。続きはどうなるかなぁ…

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2021/06/05

おぞましい話かとおもったら現実的だった。 それにしても恩田陸さんの話は詩的で、なんか心洗われる気がするし、読ませる。サクサク読んじゃうし、ついついページを捲る手がとまらなくなる。 やっぱ、恩田陸さんの小説好き。 この本と対になってる八月は冷たい城読みたい。

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2021/02/27

6月に転校してきたミチルは、町の和菓子屋さんにいくときに緑色の人影をみるところから始まる。 学校で「夏の人を描きなさい」という美術の課題に、自分はひまわり畑の人を描いたら、周りは緑色の人を描いていた。 緑色のあれは・・? 夏休みに「林間学校」にいくメンバーになぜか選ばれる。数人...

6月に転校してきたミチルは、町の和菓子屋さんにいくときに緑色の人影をみるところから始まる。 学校で「夏の人を描きなさい」という美術の課題に、自分はひまわり畑の人を描いたら、周りは緑色の人を描いていた。 緑色のあれは・・? 夏休みに「林間学校」にいくメンバーになぜか選ばれる。数人の女の子が一つのお城の中に閉じ込められてすごす、いつ終わるともわからない林間学校。 鐘が3回なったらお地蔵様にお詣りしないといけない。 なんのための林間学校? そして、これはいつ終わるの? どうして、ミチルを含めた数人の女の子たちは選ばれたの? っていうお話。 そんなに長くないお話だからなのか、最後になって急にその答えが出てきて しかも、ヒントのない、 お前誰やねん的な人が犯人だったっていう、推理小説の読了後みたいな感覚で終わった

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2021/02/21

夏の香りが漂う中、真昼の誰も居ない道で何となく怖くなるようなそんな雰囲気が醸し出されている。 変な時期に転校してきたせいで周りに友達を作れず夏休みに入ってしまったミチル。 自分が新しく住み始めた街の事など分からない。 友達もいない。何も分からない。 そんな中で突然林間学校に呼ばれ...

夏の香りが漂う中、真昼の誰も居ない道で何となく怖くなるようなそんな雰囲気が醸し出されている。 変な時期に転校してきたせいで周りに友達を作れず夏休みに入ってしまったミチル。 自分が新しく住み始めた街の事など分からない。 友達もいない。何も分からない。 そんな中で突然林間学校に呼ばれて、また何も分からないまま夏の城と言う場所で過ごし始める。 この『何も分からない』と言う事が読んでいるこちらの不安をとても煽る。 同じ林間学校で過ごす少女たちとの青春のような空気を感じながらも、どこか不気味。 その絶妙なバランスがとにかくドキドキさせられる。 続きというかアナザーストーリーもあるみたいなので是非読んでみたい。

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2021/01/07

短くまとまっているが、非常に読みごたえのある物語だった。八月の方も楽しみだ。 メメントモリ、死を思えっていうのは、こんな状況だからこそ大事にしたい。 忌み嫌うのではなく、深く見つめることで生とは何かに思いをはせたいものである。

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