小説の神様 あなたを読む物語(下) の商品レビュー
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書き手の気持ち、読み手の気持ち。 <以下本文より> 自分の将来のことはまるで想像できない。けれど、今よりも本を読む時間はきっと減ってしまうのだろう。頭の中で情景を組み立てて、語感の良い描写を口中で繰り返しながら、じっくりとページを捲り、好きなシーンを何度も読み返す。そんな向き合い方は、大人になったら、もうできなくなってしまうのかもしれない。 どうして仕事を断ったかって? そんなの、だって、言えるわけないじゃないか。 君が好きだから。 君と一緒にいたいから。 君の力になりたいから。 だから、君との仕事を選んだなんて。 「好きっていう気持ちには、いろいろなかたちがあるもの。ひとりひとり読書の仕方は違って当たり前よ。一日に一冊読もうと、一月に一冊だけ読もうと、本を愛する勘定に優劣なんてないわ。読んでいるものが偏っていたっていいじゃない。それだけ、好きなものにまっすぐで一生懸命といことでしょう」 「物語には、読む人の心に欠けているところを、優しく癒す力があると思うから」 「(物語で)心が動いても、それだけの自分が、大嫌い・・・」 物語に共感する感受性を、内側に閉じ込めておくだけじゃなくて外側に向けるの。そうしたら、きっと大切なことに気づけるはずなんだ。 物語を読み解くことは、人を読み解くことだ。
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一人で悩んで変わろうとも語ろうともしないのが重要だとはわかりつつ辛かったがこれからも悩みつつも自分の考えで書き続けていく、小説を好きでいるという気持ちを感じられて良かった。
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良い続編でした。続編は何のために書くのかっていうのの、答えでもあるような。続編でもずっとうじうじして、好きな女の子の本心に気づけない上、主人公すら後輩に半分取られる売れない小説家、千谷。あ、本当は色々イベントあるのにね、基本ヘタレだから読み手をヤキモキモヤモヤさせるだけ。 続きの...
良い続編でした。続編は何のために書くのかっていうのの、答えでもあるような。続編でもずっとうじうじして、好きな女の子の本心に気づけない上、主人公すら後輩に半分取られる売れない小説家、千谷。あ、本当は色々イベントあるのにね、基本ヘタレだから読み手をヤキモキモヤモヤさせるだけ。 続きのお話読みたいけど、この二人、ずっとこのままっぽいよな。千谷が文学賞取ってもやっぱり売れないっていうキャラっぽいし。 最後のオチでは、アンソロジーの恋愛小説で小余綾の本心を書き現してうっすら告白ってのも良かったな~。
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最後まで読んで、全体としては作者の云いたいことは分からないことはないんだけど、最後のまとめに入るまで、ネガティブ、ネガティブがいっぱいで、かなり鬱陶しい。まあ、だったら読まなきゃいいじゃないかと云われるだろうが、登場人物たちの作品作りが読みたいんだよなあ。と云うことで最後に満足か...
最後まで読んで、全体としては作者の云いたいことは分からないことはないんだけど、最後のまとめに入るまで、ネガティブ、ネガティブがいっぱいで、かなり鬱陶しい。まあ、だったら読まなきゃいいじゃないかと云われるだろうが、登場人物たちの作品作りが読みたいんだよなあ。と云うことで最後に満足かな
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全て良い終わり方だったのでよかった。 小説がすごく好きなのでこんな感じなのかなーって 思いながら、読んだ。
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あなたのせいで、もう書けない。親友から小説の価値を否定されてしまった成瀬。書店を経営する両親や、学校の友人とも衝突を繰り返す彼女は、物語が人の心を動かすのは錯覚だと思い知る。一方、続刊の意義を問う小余綾とすれ違う一也は、ある選択を迫られていた。小説はどうして、なんのために紡がれる...
あなたのせいで、もう書けない。親友から小説の価値を否定されてしまった成瀬。書店を経営する両親や、学校の友人とも衝突を繰り返す彼女は、物語が人の心を動かすのは錯覚だと思い知る。一方、続刊の意義を問う小余綾とすれ違う一也は、ある選択を迫られていた。小説はどうして、なんのために紡がれるのだろう。私たちはなぜ物語を求めるのか。あなたがいるから生まれた物語。
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2020/08/02*読了 改めて小説が好きになった小説です。 登場人物の一挙手一投足に一喜一憂しては、残りのページ数が少なくなるにつれ、もっともっと続きが読みたいって思いました。 早く続編を出してください!
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上巻の感想に「続編が上下巻って、おかしくない? と少し思ってしまうが、続きは気になる。」と書いた。 で、下巻を読んでの感想は… 主人公2人のパートと秋乃のパートを分ければ、続編1冊とスピンオフ1冊にわかれそう。 主人公側は、一也が小余綾の部屋で料理を作るシーンでのヘタレ一也の心情が本当によくわかる。 ※自分もヘタレということかな。 スピンオフ側は、地味な主人公が煮え切らずウジウジ悩んで、まるで一也の小説のよう。 それぞれ別だと、星3.5と3.0ぐらいだけど、少し長くなることを我慢できれば、上下巻で3.8ぐらい。 個人的には、上下巻で良かったと思う。 ネット上の悪口が、TVで野球を見て文句ばかり垂れてるオヤジと同じというのは、なるほどとすごくふに落ちた。
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小説を書くのは読者のため。えらく遠回りをして、当たり前のことにたどり着いた。 だからと言って、簡単に書けるものでもないのだろうが。 顔を顰めたり、眉を顰めたりするシーンの多い小説だな、と感じた。
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多分、筆者は本当に小説が好きなのだろうと思う。 そして、小説が本当に好きな人には、頷けることが多い物語だと思う。 それこそ、この本は私の為の本だ!と思ったことがある人にはとても向いている。 図書館で本を借りるとき、オビは取り外され ブッカーのせいでカバーの下や裏側が見えなくて 邪魔だと思うことが時々があるので、 綺麗だからという理由で中古とは言え販売する本を わざわざオビを外してブッカーをかけるのは止めて欲しいし この担当教諭とはつくづく気が合わないなと思う。 読んだ本を手放す気持ちは私もわからない。 推薦図書はラノベはダメ。 漫画みたいなキャラがエッチな格好してるから クレームがくるから。 先生も先輩も、あまりに視野が狭い。 ただ、ラノベしか読んでないのはどうかと思う。 とは言え、ちゃんとした小説ってなんだ、というのは 好きなラノベをけなされた小説好きはみんな ぶつかる壁な気がする。 メディア化が小説が劣ってるみたい というのもわかる観点だ。 本当の意味での小説は、小説であることに 誇りを持てるものじゃないとならない。 たとえば叙述トリックが優れているような、 小説ならではの素晴らしさに出会えると最高だし 漫画やアニメ化しないと小説が読まれないのは とても悔しい。 言い訳でも前に進むためのものなら良いというのは そのとおりだと思う。 個人的には、どちらの小説も両方書けばいいのに 断ってしまうなんて勿体ないと思ったし なぜ喧嘩になってしまうのか、とは思った。 ネット小説について、作者に文句や偉そうなアドバイスがつくというのは 小説に限らずありがちだ。 ただ、アニメの出来にふざけんなと思うことはある。 死ねとかもてないとかただの悪口は駄目だが、 失望したくらいの感想は吐き出させて欲しいとも思う。 育って来た環境ではなくて『文化が違う』という言い方が 面白いと思った。 「物語に宿った神様を見つけられる人は、 もしかしたら少ないのかもしれない。 でも、そういう読み方をする人たちが まるきりいないわけじゃないでしょう。 だから、詩凪さんみたいに必死になって 神様を宿そうとする作家がいるのなら、 ヒナはそれを見つけられる読者でありたいって思う」 このヒナちゃんの気持ち、とてもよくわかる。 小説に限らず、本物を見つけられる本物で自分もありたい。 人に本を勧める難しさも共感する。 心の処方箋という言い方も好きだった。 もし心にピッタリ合う物語がなかったら自分で書く。 だから、物語はこの世に生まれる。 「続きを読みたいって気持ちって、原動力だよね」 は、『オタク』ならみんな共感するのでは。 小説だけに限らない。 物語を読み解くことは、人を読み解くことに繋がっている というのも同意だ。 逆に言えば、本を読んでいない人はとても浅くて 人のことを理解していない、行間が読めないのだな と感じることは残念ながら屡々ある。 「俺の言葉は、俺だけのものじゃない。 きっと、俺を作り出した多くの物語から生まれたんだ。 大勢の作家たちが、多くの物語を綴って、 俺という人間を支えてくれている。」 これも小説に限らないと思うが 自分を形作ってくれている、自分が大好きなものだち。 やっぱり、物語はとても素敵なものだと改めて思う。
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