帝都一の下宿屋 の商品レビュー
明治時代の東京を舞台にした連作ミステリー。それなりに有名な小説家・仙道湧水が世話になっている下宿屋は、年若い大家の梨木桃介の甲斐甲斐しさと料理上手のおかげでとても住み心地が良い。我儘で横暴な湧水も、桃介には頭が上がらない。湧水のところに次々と持ち込まれる"謎&q...
明治時代の東京を舞台にした連作ミステリー。それなりに有名な小説家・仙道湧水が世話になっている下宿屋は、年若い大家の梨木桃介の甲斐甲斐しさと料理上手のおかげでとても住み心地が良い。我儘で横暴な湧水も、桃介には頭が上がらない。湧水のところに次々と持ち込まれる"謎"を、桃介の手前、解いてみせることとなる。 面白かった。明治時代の東京にはまだまだ下宿屋さんが多かったんだな。家の掃除とか食事の世話とか身の回りのことをやってくれる下宿屋が、小説家とかの仕事をしている人にとっては便利なんだろう。他の人たちには、割りと強気な湧水が桃介には一生懸命気を遣っている様子がおかしかった。 「永遠の市」では、鴨川さんが不憫。鴨川さんも自身のこれまでを反省したんだろうが、謙虚な"いい人"が貧乏くじを引いたようで気の毒にも思える。明治の世に女性が好き勝手に生きるには、サチのような強かさが必要だったんだろうが。 「怪しの家」では、湧水以外に下宿屋に住む人たちも大勢登場し、湧水と桃介、過去に下宿していた蒔絵師の秋草と共にみんなで賑やかに宴会している様子が楽しそうだった。秋草が話し出した現在の家の近くにある"怪しい家"の怪談めいた話も面白い。
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三木笙子さん、初読みです。「帝都一の下宿屋」、2018.8発行。永遠の都市、障子張り替えの名手、怪しの家、妖怪白湯気 の連作4話。テンポが悪く、キレ不足に感じました。失礼しました。
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最初の人物紹介、背景を読んで、何か読んだ事があるなぁと思い、似たような本を読んだのか?或いはまた同じ本を手に取ったのか? 途中、やはりこれは読んだ事があるぞとなり、しかしどんな話だったっけ?と思い、結局最後まで読んだ。自分の記憶力の無さにあきれ、ある意味読んだと分かったのだからま...
最初の人物紹介、背景を読んで、何か読んだ事があるなぁと思い、似たような本を読んだのか?或いはまた同じ本を手に取ったのか? 途中、やはりこれは読んだ事があるぞとなり、しかしどんな話だったっけ?と思い、結局最後まで読んだ。自分の記憶力の無さにあきれ、ある意味読んだと分かったのだからまだましか?と自分を慰める。 梨木桃介のような人物になりたい、もしくは静修館に住みたいと思う。
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2022-12これはシリーズにするのかな。主人公のキャラが弱く、周りの登場人物と並列くらいになっているのが残念です。でもこの時代の雰囲気が少し感じられて良作です。
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表紙のイケメンに魅かれて。 美味しい食事を出してくれる下宿屋、最高ーじゃん。 出ていきたくない気持ちわかる。 別に猫かぶらなくてもいいような気もするんだが。 若干安楽椅子探偵っぽい話かな。 一応捜査、というか、色々調べてはいるけど、 読み感としては、そっち。 軽く読めるミステリ...
表紙のイケメンに魅かれて。 美味しい食事を出してくれる下宿屋、最高ーじゃん。 出ていきたくない気持ちわかる。 別に猫かぶらなくてもいいような気もするんだが。 若干安楽椅子探偵っぽい話かな。 一応捜査、というか、色々調べてはいるけど、 読み感としては、そっち。 軽く読めるミステリー。 おもしろかった
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装丁が素敵だなぁと思って読みました。 うっすら謎解きほっこり下宿物語。 湧水さんが桃介さんのことを大好きすぎていじらしい。もはやこれは恋では!笑 そして坂口さんの毒舌に対して何かにつけて本を投げつけちゃう湧水さんに思わず笑ってしまったり。 たぶんこちらの作家さんの本は2冊目くらいなのだけど、読みやすくて登場人物が素敵で良いなぁと思います。 桃介さんと湧水さんと坂口さん、もう少し見ていたいなぁと思わせてくれるお話でした。
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銀座は南紺屋町にある下宿屋「静修館」。 傍若無人な小説家の仙道湧水は何軒もの下宿を追い出されてきたが、ここでは精一杯、規則正しい生活をしている。大家の梨木桃介の気持ちの良い気働きと、食事の美味さから追い出されるのを恐れているのだ。 そんな湧水のところへは何故だか謎が持ち込まれる。...
銀座は南紺屋町にある下宿屋「静修館」。 傍若無人な小説家の仙道湧水は何軒もの下宿を追い出されてきたが、ここでは精一杯、規則正しい生活をしている。大家の梨木桃介の気持ちの良い気働きと、食事の美味さから追い出されるのを恐れているのだ。 そんな湧水のところへは何故だか謎が持ち込まれる。 品質の落ちた醤油 莫大な利益を生む特許書類の行方 借主の現れない隣家の秘密 湯屋で頻発する板の間稼ぎ、高価な品ばかりを狙う手口とは 湧水が淡々としているからか、緊迫感があまりなくてするりと読む。 傍若無人さを感じられないのもあり、この時代の空気もなくて、期待しすぎかな。 それと、なんだろう、事件や解決方法がデジャヴ。 ホームズ、小五郎、ポアロ、これって、あの話に似てるなあと思いつつ読んだ。
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著者の作品は数冊読んでいますが、真っ先に思ったのが、 著者はツンデレ探偵がお好みなのかな でした。 ◉永遠の市…桃介が贔屓にしている醤油が、最近になって味が劣化しているという噂が流れ、心を痛める心優しい大屋を見た湧水は、彼のために真相究明に乗り出す。 ◉障子張り替えの...
著者の作品は数冊読んでいますが、真っ先に思ったのが、 著者はツンデレ探偵がお好みなのかな でした。 ◉永遠の市…桃介が贔屓にしている醤油が、最近になって味が劣化しているという噂が流れ、心を痛める心優しい大屋を見た湧水は、彼のために真相究明に乗り出す。 ◉障子張り替えの名手…申請前の特許の機密情報を記した書類が忽然と消失した。 ◉怪しの家…内覧も多く、好条件の物件なのに、一向に売れない物件の謎。
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時は明治、銀座の下宿屋「静修館」の家事万能の若き大家・梨木桃介と、下宿人で小説家の仙道湧水が世間を騒がせる怪事件を解明する。 4編から成り、「永遠の市」は醤油のブランド商標の不正、「障子張り替えの名手」は鉱物精錬方法に関する特許の横取りといった今でいう知的財産権にまつわる事件を...
時は明治、銀座の下宿屋「静修館」の家事万能の若き大家・梨木桃介と、下宿人で小説家の仙道湧水が世間を騒がせる怪事件を解明する。 4編から成り、「永遠の市」は醤油のブランド商標の不正、「障子張り替えの名手」は鉱物精錬方法に関する特許の横取りといった今でいう知的財産権にまつわる事件を取り扱う。 また、「怪しの家」は、いい条件なのになぜかキャンセルが続く貸家の謎、「妖怪白湯気」は湯屋で起こる連続盗難事件を描いている。 いずれも、血なまぐさはなく、さらっとして安心して読めるものの、明治ならではの背景にもっと突っ込んで欲しい歯がゆさがあった。
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銀座は南紺屋町にある下宿屋「静修館」。若き大家の梨木桃介は無類の世話好きだ。家事万端を見事にこなし美味しい食事を作ってくれる桃介の元を追い出されるわけにはいかぬと、小説家の仙道湧水は我侭を封印して生活している。ある日、湧水は馴染みの記者から粗悪品の醤油を売っている店があるという噂...
銀座は南紺屋町にある下宿屋「静修館」。若き大家の梨木桃介は無類の世話好きだ。家事万端を見事にこなし美味しい食事を作ってくれる桃介の元を追い出されるわけにはいかぬと、小説家の仙道湧水は我侭を封印して生活している。ある日、湧水は馴染みの記者から粗悪品の醤油を売っている店があるという噂を聞きつける。それは桃介とも縁の深い店だった。桃介の曇った顔は見たくない。湧水は探偵のごとく真相解明に乗り出すのだが―。明治の下宿屋を舞台に贈る、心あたたまるミステリ。
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