青い春を数えて の商品レビュー
女子高生たちの話。情景が目に浮かぶようで、楽しかった。 これをエモいと呼ぶのだろう… どの話のどの子にもうっすら共感。特に知咲ちゃんの、優しい人のイメージにはうんうんと頷いた。 「相手に合わせて自分の意見を胸中で握り潰してしまえば、みんなが私のことをいい人だと評価する」 全体...
女子高生たちの話。情景が目に浮かぶようで、楽しかった。 これをエモいと呼ぶのだろう… どの話のどの子にもうっすら共感。特に知咲ちゃんの、優しい人のイメージにはうんうんと頷いた。 「相手に合わせて自分の意見を胸中で握り潰してしまえば、みんなが私のことをいい人だと評価する」 全体を通して、自分の意見をちゃんと持つこと、伝えることって相手と深い関係を築くのにとても大切だなと思った。 やっぱ、大切はうすっぺらい気持ちじゃダメなんだと思う
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1〜5章までの中で時系列を同じくする登場人物たちの高校生活をリアルに描かれていた。 結論から言うと、1・3章の話が気に入りました。というのも2・4・5章に登場する人物は悩みを抱えていても、とても前向きで卑屈さを全く感じなかったのに対して、1・3章では自分と他人との希薄な関係...
1〜5章までの中で時系列を同じくする登場人物たちの高校生活をリアルに描かれていた。 結論から言うと、1・3章の話が気に入りました。というのも2・4・5章に登場する人物は悩みを抱えていても、とても前向きで卑屈さを全く感じなかったのに対して、1・3章では自分と他人との希薄な関係性さや劣等感、そしてなにより自分の中で物事を卑屈な方へ考え進めていってしまう姿に強い共感を感じたためです。 現在一人では抱え込みきれない悩みを持った学生や、過去の苦い思い出に何度もうつむきそうな方には、是非呼んで欲しい作品だと感じました。
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「白線と一歩」「赤点と二万」「側転と三夏」「作戦と四角」「漠然と五体」の5篇からなる中篇集。 「白線と一歩」。 山月記と同じ構造。 「才能の不足を暴露するかもしれないとの卑怯な危惧と、刻苦を厭う怠惰が己の凡てだったのだ」 しかし。主人公の気持ちが胸に伝わり、すごくよい一篇だった。...
「白線と一歩」「赤点と二万」「側転と三夏」「作戦と四角」「漠然と五体」の5篇からなる中篇集。 「白線と一歩」。 山月記と同じ構造。 「才能の不足を暴露するかもしれないとの卑怯な危惧と、刻苦を厭う怠惰が己の凡てだったのだ」 しかし。主人公の気持ちが胸に伝わり、すごくよい一篇だった。女子高校生の気持ちを掬い上げる、として評価されているようだが、50代男性であっても、同じく心に迫るものを感じた。単に私が成熟していないということなのかもしれないが。 今見返しても恥ずかしいが、高校の卒業アルバムのメッセージ欄には上記山月記の抜粋に、余計なことを付け加えていて… 「赤点と二万」 ちょっと無理ある設定。 本書とは関係ないけど、大学の推薦入学制度。やめた方がいいんじゃないかな。とは思う。 一般入試で入学した学生と比べ、一般入試で試される種類の学力は、全体として相当低い傾向にあるような気がする。それは、推薦で入学した人にとっても、あんまりいいことではないのではないかと。 「漠然と五体」 細谷と清水の物語。 そこそこ勉強のできる細谷。綺麗で学校から逸脱気味の清水。 作者は細谷に対して、「地元の公立大学」「公務員」志望、だけど「優等生」と微妙な線をついて役作りをする。 逸脱できない、突き抜けられない「優等生」の鬱屈に、外側から、ひととき手を差し伸べてくれる清水。 しかし、それは、やはりひとときのことであるからこそ、細谷はその手にすがることができて、ひととき、息を抜く。 現実には、頭の中で繰り広げる「妄想」を、物語にした一篇。 文中に「私は新聞なんか読まないし、テレビも見ない。(中略)作り手の作為ばかり鼻につくから。」とあるが、本格的に大手メディアは、多くの人から見放されつつあるのではないか、と改めて感じた。 装丁に、青空の下、波打ち際でたわむれる女子高校生が描かれているが、作中では、夕暮れ時、日が沈んだ直後の設定だったはず。どうでもいいことなのかもしれないけど、イメージ違うかな。加えて、細谷と清水の容姿にももう少し落差を描きこむべきではないかと。
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苦しいくらいに青春だなぁ。大人になっちゃうと、ほんとモラトリアムよねって一歩引いて見ちゃうけど、そこにどっぷりつかってたよな、かつての私も。だから、私の中の深いところに埋もれた私がめちゃくちゃ共感してる。部活に勉強に友人関係、恋愛、親、教師との関係にモヤモヤしながら、逃げる勇気も...
苦しいくらいに青春だなぁ。大人になっちゃうと、ほんとモラトリアムよねって一歩引いて見ちゃうけど、そこにどっぷりつかってたよな、かつての私も。だから、私の中の深いところに埋もれた私がめちゃくちゃ共感してる。部活に勉強に友人関係、恋愛、親、教師との関係にモヤモヤしながら、逃げる勇気も持てずにルールに従ってたつまらない私が、自由に行動できる人、愛される人をものすごく羨んでる。ちょっと苦しくなるけど、青春の爽やかな香りも感じられる本だった。
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どのエピソードも印象的で、高校生のリアルな不安定さをうまく描いていた。共感の連続。高校生の頃の気持ちを忘れないよう、また読み返したい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
高校生のうちに読みたいなぁと思っていた本のひとつだったので読めて良かった´`* どのストーリも主人公が暗めというかネガティブで、友だちと比べては「じゃあ自分の良さってなんだろう」という思考に至る傾向にある。 話が若干暗めであるので、感情移入しやすい方は気分が暗いときに読むのはおすすめしないです笑 病みがちになるので笑(経験済み) しかし、どの話も希望が見えるような、ほんのり明るい終わり方になっているのが特徴! ぶっちゃけると、本書に「清水千明」が出てこなければ評価を星3にしていた。というのも、主人公は皆、周囲と比べては落ち込み…みないな感じであるので、そのネガティブさにつられて腹の底から沸き上がるような劣等感を感じたのも事実。(笑)まるで自分を見ているかのようで。 ある話では主人公の子が、別の話では脇役(主人公の友だちだったり)で登場するのだが、あれだけ悩んでいた主人公も、別の視点から見れば上手くいっているように見えるのだなぁと…「隣の芝生は青く見える」という言葉が真っ先に思い浮かんだ。 結局、人生はないものねだりなのだと割り切ったもの勝ちだと悟った。人と比べても意味が無い!!だが割り切れないからこんなに辛いのだ!!! 話を清水千明に戻すと、自分は紛れもなく主人公側の思考の人間なので、彼女のような生き方、いいなぁと思った。ちょうど自分を変えたいと思っていたので清水さんの考えは参考になった。 私の本書での1番のお気に入り、「漠然と五体」。 この話だけ他の話とは明らかに違うものを感じる。 波が迫っては引いてを繰り返すかのような、どんな終わり方をするのか、終わりが近づくほど怖さを覚える、けど目が離せない…そんな話。(我ながら分かりにくい表現ですね笑) 海のシーンや、長時間見知らぬ駅をただ過ぎてくシーンは、私もこんな経験してみたい!と思った。 真の青春というものに触れた気がする。 青い春を数えて。 学生さんや気になっている方には是非読んで欲しいです(´ ˘ `๑)♡ 何を感じるかは人によりけりだけど、何かしら感じるものはあるはず! 【オマケ】 そして話中にあの宮沢賢治氏著の「銀河鉄道の夜」が登場する。名作で、以前から気になっていた本なのでこれを機に読んでみるのもいいかもしれない。と思った。
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「漠然と五体」が最高。 『こういう読みたかった!』に出会えて、するするページをめくっていった。 jk2人、学校サボって冬の海。たまらん。
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ある公立高校の女子たちの日常のヒトコマ。そこそこの進学校の普通の子たちの連作短編集。 「赤点と二万」が好きだった。
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【白線と一歩】 仲がいい友達だからこそ、いつも近くにいる友達だからこそ、自分と比べて劣等感を抱いてしまったり、キツく当たってしまうことがあるものだ。だが、優しさや愛想ばかり振りまいてみんなに好かれようとするよりは、こうしてぶつかり合ってともに成長していける関係の方がいいと私は思う...
【白線と一歩】 仲がいい友達だからこそ、いつも近くにいる友達だからこそ、自分と比べて劣等感を抱いてしまったり、キツく当たってしまうことがあるものだ。だが、優しさや愛想ばかり振りまいてみんなに好かれようとするよりは、こうしてぶつかり合ってともに成長していける関係の方がいいと私は思う。 【赤点と二万】 『きっと、ずるくたっていいのだ。誰かに嫉妬してばかりの惨めなところも、自分を好きになれない情けないところも、その全てをひっくるめて、私という人間は存在している。生きるって、きっとそういうことだ。嫌な自分を抱きしめて、二人三脚で明日を目指す。』 時に自分を嫌いになってしまったり、自分を卑下してしまうときもあるが、そんな自分と二人三脚で明日を目指す、というこの表現が気に入った。 【側転と三夏】 なんでもできる私よりいつも失敗ばかりの姉がみんなから愛されるのはなぜ??という妹のもどかしい感情を描いたお話。 淋しさを感じていた妹だったが、ずっと近くにいてくれた姉が1番自分のことを理解し、愛してくれていたことに気づき、自分にも、苦しいときや淋しいときにもいつもそばにいてくれる存在を再確認できた。 【作戦と四角】 性別なんてなければいいと思う主人公の気持ちに共感した。性別があるからこの世には未だに性差別や男女格差が蔓延っているわけで、性別などなければ私達はもっと親しくなれたり、苦しみをなくすことだってできると思う。 【漠然と五体】 優等生の自分が嫌いな女の子のお話。学校に休みがちになった彼女は、本当に追い詰められていたのだと思う。自分にはまだ、学校を休める勇気がないから。
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5章それぞれの好きなセリフです。どんな話だろうか?と興味を持つきっかけになっていただけたら幸いです。 ・白線と一歩「本当は、自分だけを頼ってくれるなら誰でもいいんだ。他人から求められることで、自尊心を満たしてるだけなんだよ。」 ・赤点と二万「誰かに嫉妬してばかりの惨めなところも...
5章それぞれの好きなセリフです。どんな話だろうか?と興味を持つきっかけになっていただけたら幸いです。 ・白線と一歩「本当は、自分だけを頼ってくれるなら誰でもいいんだ。他人から求められることで、自尊心を満たしてるだけなんだよ。」 ・赤点と二万「誰かに嫉妬してばかりの惨めなところも、自分を好きになれない情けないところも、その全てをひっくるめて、私という人間は存在している。生きるって、きっとそういうことだ。嫌な自分を抱きしめて、二人三脚で明日を目指す。」 ・側転と三夏「姉みたいに、困ったときに助けてと言える人間になりたかった。努力していると思われたら恥ずかしいから、何でも出来るような顔をして。」 ・作戦と四角「自分のことは自分にしか理解できないし、他人が真に望む姿になることなんて出来やしない。誰かに理解して欲しい、なんて感情は単なるエゴだ。だから、私は他者にそれを求めない。」 ・漠然と五体「明日は来るじゃん。呼ばなくても、勝手に。じゃあ、仕方ないじゃん。楽しいとか関係なしに、生きてかないと。明日が、たとえ怖くても」
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