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初期仏教 ブッダの思想をたどる の商品レビュー

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16件のお客様レビュー

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2019/04/23

最新の学説を素人にも分かる平易な文章で読ませてくれる。 バラモン教とジャイナ教を並置してくれたことで、仏教における自己について、これまでで最もすんなり納得することができた。素晴らしい本に出会えて良かった。

Posted byブクログ

2019/04/13

専門的な箇所もあるため、リーダブルではなかったが、最新の仏教研究が反映されていて、中村元の本などで仏教知識を得ていた読者にはアップデートされてとても興味深かった。 本書の意義はここにある。P.75「韻文仏典がもともと結集仏典とは別のものであったという事実は、両者の区別をせずに初期...

専門的な箇所もあるため、リーダブルではなかったが、最新の仏教研究が反映されていて、中村元の本などで仏教知識を得ていた読者にはアップデートされてとても興味深かった。 本書の意義はここにある。P.75「韻文仏典がもともと結集仏典とは別のものであったという事実は、両者の区別をせずに初期仏教を論じる研究方法に問題を提起することになる。成立時期も編纂者も異なるそうした仏典を十分な吟味を経ないまま用いるなら、果たして存在したのかどうか曖昧な初期仏教像を作り上げてしまうことになりねない。そこで、本書では、そのような危険を避けるために、韻文仏典は取り上げず、結集仏典の原形に焦点を当てることにする。」

Posted byブクログ

2018/11/17

「老師と少年」が面白かったので、もう少し仏教について勉強ししようと思って読んでみました。 仏教は紀元前5世紀頃から広がり始めたそうで、その教義は口頭で伝承された。 紀元前後になると教義を書き写した経典が出始め、様々な流派が生まれた。 この、始まりから経典出現の手前までが初期仏...

「老師と少年」が面白かったので、もう少し仏教について勉強ししようと思って読んでみました。 仏教は紀元前5世紀頃から広がり始めたそうで、その教義は口頭で伝承された。 紀元前後になると教義を書き写した経典が出始め、様々な流派が生まれた。 この、始まりから経典出現の手前までが初期仏教と定義している。 混じりけのないブッダの思想を知るには初期仏教が良さそうだと思ったわけです。 しかしブッダの死後、その教えをまとめた経典は「三蔵」と呼ばれているが長い歴史の中でその原点の大半は失われている。 (やっぱりなーという印象) これまで、仏教の考えの中に「徳目を積む」てのがあるけど、それと煩悩を捨てて悟りを開くことがどう繋がるのかが分からなかった。 どうも ①善行(徳)を積む行動をする事で社会は平和になる。これは悟りを開くための基本条件 ②悪い刺激が少なくなったところで、仏教では認識主体としての「自己」の存在を認めていない。思い通りにならない感覚器官の刺激は根拠のない「錯覚」であると理解する ③輪廻の原因を作るものは「渇望」である。 渇望という原因から執着が生じ、執着という原因から生存が生じる。 渇望は「快楽への渇望」「生存への渇望」「無生存への渇望(死への欲動)」を指す。 渇望を排除することが、解脱への道 と言うことのようだ。 正直、合っているかは分からない。 とりあえず、とんでもねーこと考えてるな。と 次は禅マインドを読んでみようかな。

Posted byブクログ

2018/11/14

第1章 仏教の誕生 第2章 初期仏典のなりたち 第3章 ブッダの思想をたどる 第4章 贈与と自律 第5章 苦と渇望の知 第6章 再生なき生を生きる 著者:馬場紀寿(1973-、青森県、仏教学)

Posted byブクログ

2018/10/02

今まで「四聖諦」「縁起」「五蘊」「六処」などを、かなり詳しく個別に学んできたが、今ひとつ理解が深まらなかった。ところがこの本に接し、初期仏教を網羅的・体系的に捉えることができ、ある意味「目から鱗が取れる」ように理解が進んだ。決して容易な内容ではないが、中級者にとっては「教え」を再...

今まで「四聖諦」「縁起」「五蘊」「六処」などを、かなり詳しく個別に学んできたが、今ひとつ理解が深まらなかった。ところがこの本に接し、初期仏教を網羅的・体系的に捉えることができ、ある意味「目から鱗が取れる」ように理解が進んだ。決して容易な内容ではないが、中級者にとっては「教え」を再認識・再確認するための適書であると思う。

Posted byブクログ

2018/09/28

原始仏教という一般的な用語を用いずに初期仏教という用語を使うのは著者の主張に沿ったもので、紀元前の口述伝承の時代を広く指しているようだ。アショーカ王の前の時代の仏教の5教派の共通の教えを基に、ブッダ自身の教えが何だったのかを探る。確かに口述伝承から文字化される前の時代に教派を超え...

原始仏教という一般的な用語を用いずに初期仏教という用語を使うのは著者の主張に沿ったもので、紀元前の口述伝承の時代を広く指しているようだ。アショーカ王の前の時代の仏教の5教派の共通の教えを基に、ブッダ自身の教えが何だったのかを探る。確かに口述伝承から文字化される前の時代に教派を超えて主張されたことが釈迦そのものから発していることは間違いないだろう。釈迦の生没年が大きく2つの説(BC448~368頃、BC566~486)に分かれている…、このような常識を意外と知らない自分を感じた。インド社会で初期の仏教が「虚無主義者」「隠れ唯物論者」として批判され、異端思想とされていたというのは実に興味深く、またうなずけるところだった。「涅槃」「アーリア」という言葉の元々の意味(消滅⇒不死、高貴な者⇒人種名)の説明も分かり易い。

Posted byブクログ