冷たい檻 の商品レビュー
北陸の海沿いの村で駐在所の警察官が失踪した。県警本部から派遣された調査官・樋口が警察官失踪の謎を追うにつれて次々と明らかになる、一見平和な村で起こった数々の未解決事件、それらの事件はすべて村の大型複合型ケアセンター「岩森の丘」へと繋がっていく。地方の土地を巡る政・官・財を巻き込ん...
北陸の海沿いの村で駐在所の警察官が失踪した。県警本部から派遣された調査官・樋口が警察官失踪の謎を追うにつれて次々と明らかになる、一見平和な村で起こった数々の未解決事件、それらの事件はすべて村の大型複合型ケアセンター「岩森の丘」へと繋がっていく。地方の土地を巡る政・官・財を巻き込んだ利権と思惑、暗躍するブローカー、そして薬剤臨床実験の闇。この村で、一体何が起きようとしているのか。 500頁弱のボリュームにこれでもかと詰め込んだ問題が消化不良を起こしかけている印象。 失踪警官が公安出身だという設定も全く効いてこないし、次々に起こる事件の真相がわかった時の脱力感が大きすぎる。殺し方はわかったけど、実際この犯人にそれが実現可能なのかな~? 先が気になってぐいぐい読めただけに、骨格となるミステリの真相部分が雑な印象で残念だった。そういえば、この作者の「本性」を読んだ時も感想に「はっきりしない終わり方で消化不良」って書いてたわ。伊岡さん、テーマは好きなんだけど、相性悪いのかな~。 唯一の救いは主人公樋口が魅力的だったことで、ラストもあまりにも都合よく出来過ぎだったけど、そこは結果オーライで。
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小さな駐在所での警官の失踪、関連があるのか巨大福祉施設で起こる大小の事件や事故、さらに施設の経営母体の謎。このボリュームでも読みやすく一気に行けると思ったんですが、途中から私のとても苦手な分野になり、読み進めるうちに原因も、経験から、大嫌いなアレだろう、と想像がついてしまい年末年...
小さな駐在所での警官の失踪、関連があるのか巨大福祉施設で起こる大小の事件や事故、さらに施設の経営母体の謎。このボリュームでも読みやすく一気に行けると思ったんですが、途中から私のとても苦手な分野になり、読み進めるうちに原因も、経験から、大嫌いなアレだろう、と想像がついてしまい年末年始に細切れでものすごい苦痛な読書を一週間もすることになってしまいました。こんなことは絶対にあってはいけない。ラストシーンがなかったら本当に苦いだけの読書でした。私には合いませんでしたが、読み応えがある社会派ミステリでおすすめです。
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介護施設と養護施設と土地にまつわる利権と薬の臨床試験、に政治家、警察、調査組織、ブローカーが絡み合う。話の展開がゆっくりだけど読みごたえはある。だけど最後のほうで一気に加速というか強引に短縮した感じが。主人公のキャラがいい。主人公がバシッと解決かと思ったら、撃たれて倒れてしまうその間に解決して後日談なのは残念。でも最後の数ページの読後感は最高だった。続きが出れば読みたいがこの終わり方で十分なのでないだろう。
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駐在所から失踪した警官の行方を追う、後任の警官と謎の調査官。過疎の村にふきだまる巨大な闇と欲望とは!
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ストーリーとしてはややよくある話で主人公の属する組織もちょっと現実離れしているかと感じたが主人公に魅力があり面白かった。最後は感動。
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※このレビューにはネタバレを含みます
3歳児の誘拐に警官の謎の失踪と強く好奇心を掻き立てられる導入部。施設とどう繋がっていくのか引きつけられる展開だったけれど、登場人物とその肩書きの多さになかなか場面や会話が頭に入ってこないのがもどかしくもあり…。 島崎の家族の幸せを守ろうと所々で見せる樋口のさりげない気遣いと、女を利用しながら物腰丁寧で憎めない切れ者の深見のキャラクターが魅力的だった。千晶とまたどこかで再会してほしいな。 ラストは一読者としてはうまく運び過ぎに感じるが、親としてはホッと胸の痞えが下りる。 清濁併せ呑む伊岡作品を堪能できた。
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児童養護施設、少年の更正施設、老人施設を集めた施設起こる不審死。それを追うのは20年前に息子を誘拐された刑事だった…。不可解な事件は意外な展開を見せ一気にクライマックスへ。予想はしていたがエピローグもGOOD。
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12月-2。3.0点。 北陸の駐在所で、警官が行方不明に。警察とは違う組織が調査に乗り出す。公認の駐在所警官も巻き込まれる。 調査官は、息子を誘拐された過去を持つ。 田舎町の医療施設や、政治家の思惑などが絡み合う。 行方不明の警官は無事なのか。 うーん、色んなテーマを盛りすぎて...
12月-2。3.0点。 北陸の駐在所で、警官が行方不明に。警察とは違う組織が調査に乗り出す。公認の駐在所警官も巻き込まれる。 調査官は、息子を誘拐された過去を持つ。 田舎町の医療施設や、政治家の思惑などが絡み合う。 行方不明の警官は無事なのか。 うーん、色んなテーマを盛りすぎて、進みが遅め。 誘拐された息子の将来は、ご都合主義的な感じが強い。 次作に期待。
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いつか読んだ『代償』がとても面白かった記憶があり、井岡瞬という名前を見てすぐに手に取りました。確かに終盤の厚みが物足りない感はあるものの…やっぱり面白かった!好きです。他の作品も読みたい。
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初めての作家、なかなか面白かった。終盤の謎解きが調子良すぎて残念だったけどね。ついでに幼い時に拐われた息子との思わぬ再会も都合良すぎだった。それでも序盤から中盤にかけての展開はとってもテンポよく緊張感もあり一気に読める。別の作品も読んでみたくなります。
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