電球交換士の憂鬱 の商品レビュー
寿命が尽きてしまった電球を、新しいものと交換することを生業にしている電球交換士と、彼を取り巻く個性的な人々のお話です。彼の電球には秘密があって、やわらかく、情緒のある明かりを灯すものでした。 主人公の電球交換士は、もともと海辺の町で興行しているサーカス団の軽業師でした。身のこなし...
寿命が尽きてしまった電球を、新しいものと交換することを生業にしている電球交換士と、彼を取り巻く個性的な人々のお話です。彼の電球には秘密があって、やわらかく、情緒のある明かりを灯すものでした。 主人公の電球交換士は、もともと海辺の町で興行しているサーカス団の軽業師でした。身のこなしが軽いということを活かして、電球交換士になったというわけです。一見すると気楽そうに見えるその仕事にも、実はいろいろとあって・・・といっても、波瀾万丈というわけではないのですが、人と繋がっていると、それなりにいろんなことが起こるものです。そんな取り留めのない出来事を、ふわりとした空気間で綴った、ノスタルジックで、少し謎めいていて、ちょっとせつなくなるような物語でした。それとなく、しみじみと、ものの哀れが語られています。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え” http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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久しぶりに文庫が出たような気がするのでいそいそと購入。 実際には有り得ないが、電球交換士って面白そうな商売だなぁ。やってみたいw
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著者初読み。再開発により情景が移りゆく港町を舞台に【不死身】の電球交換士が遭遇するSF(少し不思議)な出来事を描く連作短編集。美女に滅法弱いハードボイルド調の三枚目、十文字の一人称で紡がれる謎と愉快、レトロとノスタルジー、愛と哲学が溢れる世界に浸れる贅沢な読書時間。穏やかで間の抜...
著者初読み。再開発により情景が移りゆく港町を舞台に【不死身】の電球交換士が遭遇するSF(少し不思議)な出来事を描く連作短編集。美女に滅法弱いハードボイルド調の三枚目、十文字の一人称で紡がれる謎と愉快、レトロとノスタルジー、愛と哲学が溢れる世界に浸れる贅沢な読書時間。穏やかで間の抜けた独特の空気感が心地良い。突っ込み所も多々あれど、キャラクターたちが愛おしく、読み終わるのが勿体なくて仕方なかった。交換士が最後に辿り着く答えにもまた痺れる。今年のベストワン作品かもしれない。全ての物事は有限だからこそ尊いのか。
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