大奥づとめ の商品レビュー
とりあえず永井作品すべてを読破しようと思い、拝読。文章の上手さは流石で、非常に平易な言葉で書かれているので、時代小説を読んでいるのを忘れてしまう。家斉時代後半の大奥が舞台の短編だが、つながりも垣間見える。特に「くれなゐの女」「ちょぼくれの女」は傑作。権謀術数だけでない色々な役割に...
とりあえず永井作品すべてを読破しようと思い、拝読。文章の上手さは流石で、非常に平易な言葉で書かれているので、時代小説を読んでいるのを忘れてしまう。家斉時代後半の大奥が舞台の短編だが、つながりも垣間見える。特に「くれなゐの女」「ちょぼくれの女」は傑作。権謀術数だけでない色々な役割に応じた大奥の実態がよくわかり、勉強にもなる。
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大奥、と言ったら、アレですよね、男女のドロドロした、あるいは権力闘争の・・・。 なので近寄らずにいたのだが、永井紗耶子さんの作品をもう一つ読みたくなって、ここには大奥のお仕事が描かれているとわかったので読んでみた。 衣装を調達する係なのにセンスがまるでない人や、男性との交渉への...
大奥、と言ったら、アレですよね、男女のドロドロした、あるいは権力闘争の・・・。 なので近寄らずにいたのだが、永井紗耶子さんの作品をもう一つ読みたくなって、ここには大奥のお仕事が描かれているとわかったので読んでみた。 衣装を調達する係なのにセンスがまるでない人や、男性との交渉への適性とか、女としては大柄で嫁の貰い手がないと言われたため、力仕事のできる部署へ勤めた女性、大奥で年中行事が行われるときに踊りや劇を披露して楽しませる芸能係の女性など。彼女たちは、悩み、相談し、努力しながらキャリアを積み、自分の仕事を全うしようとする。その姿は、大奥という特殊な環境ではありながら、現代のキャリアウーマンたちと同じ。女性たちが生き生きと描かれて楽しめた。 女性たちが上様のお手つきではなく、純粋に仕事を求めている中に、1人だけ、それを望む女性がいる。 その女性を他の女性たちと対比させるのではなく、大奥の中でのムードメーカーとして描いているのが秀逸だと思った。
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大奥というと華やかだけど将軍の寵愛を競うどろどろした女の世界、とイメージしてしまうけど、この作品で描かれているのは大奥を職場として働く女性たち。出身も旗本や御家人の娘から農家の娘まで様々、いろんな役目があり、先輩に助けられたり朋輩と仲良くなったり、必ずしもぎすぎすした世界ではない...
大奥というと華やかだけど将軍の寵愛を競うどろどろした女の世界、とイメージしてしまうけど、この作品で描かれているのは大奥を職場として働く女性たち。出身も旗本や御家人の娘から農家の娘まで様々、いろんな役目があり、先輩に助けられたり朋輩と仲良くなったり、必ずしもぎすぎすした世界ではないようだ。面白かった。
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美しく着飾り、上様の寵愛を受け、子を授かることこそが、出世とされていた大奥で「お手つきにならずとも、栄達の道あり」と仕事に生きた女達の、清々しい生き様。 あっぱれ!
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時は文政10年 家斉公の御世の大奥の物語。短編6作 側室40人の好色上様、そして飽きっぽい(-_-) この作品は大奥で働く女達の物語です。 御手つきになる方はほんの一握りで、その他大勢の女の仕事は驚くほど細かく分けられていて、なかなか勉強になりました。 まあホントお金の無駄だ...
時は文政10年 家斉公の御世の大奥の物語。短編6作 側室40人の好色上様、そして飽きっぽい(-_-) この作品は大奥で働く女達の物語です。 御手つきになる方はほんの一握りで、その他大勢の女の仕事は驚くほど細かく分けられていて、なかなか勉強になりました。 まあホントお金の無駄だとは思いましたけど笑 短編だし、読みやすいし、なかなか面白い作品です。 大奥お仕事小説でした♪(´ε` )
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大奥の仕事内容がわかり、日々の勤めに誇りを持って仕事をしている。将軍に見染められたくて自分の醜さを醜くさせてアピールする姿に皆が揶揄しながらも笑い合う歪みあいがないのが読んでいて心地よい。短編だけど少し繋がっていて醜い人も将軍に声を掛けていただき、側室にはならなかったが出世し、将...
大奥の仕事内容がわかり、日々の勤めに誇りを持って仕事をしている。将軍に見染められたくて自分の醜さを醜くさせてアピールする姿に皆が揶揄しながらも笑い合う歪みあいがないのが読んでいて心地よい。短編だけど少し繋がっていて醜い人も将軍に声を掛けていただき、側室にはならなかったが出世し、将軍に近くなったと喜んでいる。 顔はどうしようもないので、他でカバーして楽しく生きていく事を教えてくれた。
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旗本、庄屋や御家人等、身分はそれぞだが、様々な縁を頼りに、本人の意向にかかわらず大奥入りをすることになった女たちの6つの物語。 見目が悪くて婿の貰い手がいない者、器量よしで上様のお手付きになればという家族のもくろみによって入れられる者、嫁入りのための箔をつけたい者、若くして夫に...
旗本、庄屋や御家人等、身分はそれぞだが、様々な縁を頼りに、本人の意向にかかわらず大奥入りをすることになった女たちの6つの物語。 見目が悪くて婿の貰い手がいない者、器量よしで上様のお手付きになればという家族のもくろみによって入れられる者、嫁入りのための箔をつけたい者、若くして夫に先立たれた者などなど…。 大奥にはドラマで観る印象が強く残っていて、お互いを蹴落とす女の闘い、みたいなものがイメージの一番最初に来るけれど、ここに出てくる女性は、気負っていたり、自分に自信がなかったり。大奥の末端で、様々な経験や思いをして、真の自分を見つけていく。 ドロドロした話がほとんどなく、とても読み口がよく、読み終わりにすっきりした気持ちになれる、そんな物語でした。
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大奥というと、女たちの美と権力の巣窟というイメージが強いが、三千人を有するとも言われた大所帯を支えるには様々な職種の女たちがいたのだと興味深かった。 連作短編とあるが、まだまだ描き切れていない職種もあるだろうし、続きそう。 夕顔を越えるキャラが出てくるだろうか。
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2020年11月8日読了。江戸城の大奥に務める6人の女達にまつわる物語たち。性と欲望、権力の巣窟みたいなイメージがある大奥だが、故郷の家族のため・自分の殻を破るため・出世のためとそれぞれの目的のため人間関係を築き努力するヒロインたちの姿がとてもすがすがしい。性的要素やドロドロした...
2020年11月8日読了。江戸城の大奥に務める6人の女達にまつわる物語たち。性と欲望、権力の巣窟みたいなイメージがある大奥だが、故郷の家族のため・自分の殻を破るため・出世のためとそれぞれの目的のため人間関係を築き努力するヒロインたちの姿がとてもすがすがしい。性的要素やドロドロした描写が全くないのもいかがなものかとは思うが、一人称描写なのだから仕方ない、どんな世界にもそこで一生懸命生きる人々がいてそれぞれの物語があるものだなあ…と想像する。最初のエピソードの主人公が「巴御前」と呼ばれるところとか、心に残るシーンも多い。ただ一人称の文体が全部似ているので、6人(+α)いて全員同じ人が書いているように感じられるのはマイナスかなあ…。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
評価は4. 内容(BOOKデーターベース) 女の道は、つとめをきわめることなり―。己を磨きたて、美しく着飾り、上様の目にとまって寵愛を受け、子を授かる―。それこそが本望とされてきた大奥。だが、「汚れたかた」と呼ばれたお手つきとは対照的に、色恋はそっちのけで、仕事に生きた「お清」がいた。着物の善し悪しもわからぬまま、衣装係を命じられた女。苦にしていた巨体を役立てる職を見つけた女。文書係から代表役へと、出世街道を目指す女。大奥に“就職”した女たちの情熱と苦楽を描く連作時代短編集。 この頃の女性の生き方はまさに現代と通じるモノがある。側室の様に表向きは奉られても陰では汚れたモノと下げずまれる女性がいる一方、ご寵愛を受けることなど目もくれず、自分の実力をつけて今で言うキャリアウーマンとして生き抜く女性など魅力的な女性が描かれていた。
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