舞踏会へ向かう三人の農夫(上) の商品レビュー
隅から隅まで溢さず読んだとは決して言えないけど、本当に面白かった。 パワーズは元々ゴリゴリの理系だったけど、知識によって世界を理解するのに限界を感じて文転し、小説の中でいろんな実験をするようになったと聞いた。(ニュアンスで理解) その経歴の通り、膨大な知識や事実をベースにしながら...
隅から隅まで溢さず読んだとは決して言えないけど、本当に面白かった。 パワーズは元々ゴリゴリの理系だったけど、知識によって世界を理解するのに限界を感じて文転し、小説の中でいろんな実験をするようになったと聞いた。(ニュアンスで理解) その経歴の通り、膨大な知識や事実をベースにしながらも大胆に物語を繋いでいて、その想像力に感動し好きになってしまった。 ただどの他作品も大ボリュームの大作だから、読み始める勇気が一生出ない、、
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ボストンへ移動する途中、乗り換えのために下車したデトロイトで出会った一枚の写真。そこに写った3人の若者を見たところから始まる壮大な思索。 なんと言えばいいのだろうか。物語(そもそも物語なのか、これは)に登場する人物を、圧倒的な量の歴史的事実の中に編み込んでいくことで、何が虚で何...
ボストンへ移動する途中、乗り換えのために下車したデトロイトで出会った一枚の写真。そこに写った3人の若者を見たところから始まる壮大な思索。 なんと言えばいいのだろうか。物語(そもそも物語なのか、これは)に登場する人物を、圧倒的な量の歴史的事実の中に編み込んでいくことで、何が虚で何が実なのかがわからなくなる。 読むのにかなり苦労はする。箴言のオマージュなども多用されているが、もとを知らないのでなんのことかピンとこなかったり、理解できない部分も多々ある。 それでも随所に見られる皮肉的な記述が面白く、彼の膨大な知識に溺れながらも読み進めることができる。 上巻が終わって、ようやく読み方がつかめてきたかなという感じ。下巻にも期待。
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現代アメリカ文学の作家、リチャード・パワーズのデビュー作。 最も信頼できる翻訳家、柴田先生が翻訳を担当され、そして私が近年に最も愛好するSF・ミステリー作家の小川哲が解説を書いているという点で手に取ったのだが、極めて奇妙で構築された現代小説であった。 この本は表紙にある3人の...
現代アメリカ文学の作家、リチャード・パワーズのデビュー作。 最も信頼できる翻訳家、柴田先生が翻訳を担当され、そして私が近年に最も愛好するSF・ミステリー作家の小川哲が解説を書いているという点で手に取ったのだが、極めて奇妙で構築された現代小説であった。 この本は表紙にある3人の農夫を写した1枚の写真から始まる。時代は1914年、場所はプロイセン。そう、第一次世界大戦の前夜とも言える時代である。 ”20世紀の始まりは1914年である”というのは、近現代の歴史研究における一つのテーゼとされている。このたった1枚の写真から、著者の途方もない文学的想像力によって幕を開け放たられた20世紀の物語が描かれていくのが本作である。あまりにもスリリングなストーリーテリングと同時に、歴史という流れの中において極めて微小に思えるたった3人の農夫というミクロな存在から、マクロな歴史の流れを逆照射するとも言える文学的冒険が楽しめる。
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なかなか読むのが難しい。 最後の方でようやく登場人物をつかみかけてきた程度。 とりあえず、表紙カバーが気を引く。
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上巻の途中でこの物語についていけるか不安になって、高橋源一郎らが作品について話しているものを読んで、よし大丈夫、となんとか読み通す。 下巻に入って、ラストに向かうにつれてよく言う伏線が見事に回収されていく様に声を上げてしまった。すごいな。
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一読、こりゃゼーバルトだ! 写真小説。 確か『アウステルリッツ』も本書も、駅に到着する場面から始まらなかったか? とはいえゼーバルトよりもユーモアがあり、リーダビリティも高い。ピンチョン的? ●芸術はいまや芸術自身を主題かつ内容としている。[...]さらに言うなら、世紀はそれ自身...
一読、こりゃゼーバルトだ! 写真小説。 確か『アウステルリッツ』も本書も、駅に到着する場面から始まらなかったか? とはいえゼーバルトよりもユーモアがあり、リーダビリティも高い。ピンチョン的? ●芸術はいまや芸術自身を主題かつ内容としている。[...]さらに言うなら、世紀はそれ自身についての世紀、歴史についての歴史となった。
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