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星空の16進数 の商品レビュー

3.8

23件のお客様レビュー

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2024/09/14

『五つの季節に探偵は』のみどりが登場する作品が過去作にあったことを知り手に取った。6歳の時に誘拐事件に遭った藍葉は、11年後当時自分を誘拐した女性に会いたいと願い育休中の探偵・森田みどりに女性の居場所の調査を依頼する。調査を進める中、事件となった誘拐に不可解さを感じたみどりは忘れ...

『五つの季節に探偵は』のみどりが登場する作品が過去作にあったことを知り手に取った。6歳の時に誘拐事件に遭った藍葉は、11年後当時自分を誘拐した女性に会いたいと願い育休中の探偵・森田みどりに女性の居場所の調査を依頼する。調査を進める中、事件となった誘拐に不可解さを感じたみどりは忘れかけた感覚を取り戻していく…。『五つの〜』で感じた以上に本作ではみどりが危なっかしい。浅川の心配は過剰ではなかった。母親のネグレクトから犯人に対して特別な感情を抱き執着するような藍葉にも危うさを感じた。

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2024/06/29

自分を誘拐した人を探して欲しい。 主人公は決して復讐とかマイナスな考えで依頼しているのではなく、プラスな考えであること。また、これはその誘拐した朱里さんとはどういった人なのか、なぜそうなってしまったのかを辿る物語。 探偵の女性が結構クレイジー。

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2023/08/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

昨日に続き、逸木裕一気読み。昨日ので期待値は下がってたけど、全然違った。面白かった。初めて読んだ「五つの季節に探偵は」の榊原みどりが出てるじゃないの。プロローグを読んだ時は虐待系かーと思ったけど、それも違ってた。わざと万引きや殺人現場を見せて、絵を描かせるという犯行動機がいまいち理解できないというか、現実離れしている気もするけど、まぁフィクションですから。芸術はよく分からないけど、色が好きというのは分かる気がする。私は和名派だね。和名の色鉛筆、流行ったよね。欲しかったな。女探偵というのが、葉村晶を思い出させる。危険と隣り合わせの仕事なのだ。帯に青春ミステリとあったけど、これ青春ミステリじゃないだろ。

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2022/10/23

探偵みどりと依頼主の17歳のウェブデザイナーの藍葉の物語。色を16進数で表現する独特な感性の持ち主で幼い頃誘拐された経歴をもつ藍葉。2時間で解決にいたった誘拐事件の犯人をさがして欲しいとみどりに持ちかける。探偵みどりの性とも言える危うい感性が呼び起こされる。みどりと藍葉の交互に進...

探偵みどりと依頼主の17歳のウェブデザイナーの藍葉の物語。色を16進数で表現する独特な感性の持ち主で幼い頃誘拐された経歴をもつ藍葉。2時間で解決にいたった誘拐事件の犯人をさがして欲しいとみどりに持ちかける。探偵みどりの性とも言える危うい感性が呼び起こされる。みどりと藍葉の交互に進んでいくパート。最後の謎が解けたときの意外な驚き。エピローグもいい。「五つの季節に探偵は」とどちらを先に読んでも面白いと思いました。

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2022/09/05

連続ドラマを観てるような感覚だった。 少しずつ“何か”が分かっていくんだけど決定的な“何か”には近づけない、 一つ一つゆっくり真相に近づいていく。 浅川さん、めっちゃくちゃ好き。

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2022/06/28

+++ 私を誘拐したあの人に、もう一度だけ会いたい。色鮮やかな青春ミステリ。 ウェブデザイナーとして働く17歳の藍葉は、”混沌とした色彩の壁”の前に立つ夢をよく見る。それは当時6歳だった自分が誘拐されたときに見た、おぼろげな記憶。あの色彩の壁は、いったい何だったのだろうか――そ...

+++ 私を誘拐したあの人に、もう一度だけ会いたい。色鮮やかな青春ミステリ。 ウェブデザイナーとして働く17歳の藍葉は、”混沌とした色彩の壁”の前に立つ夢をよく見る。それは当時6歳だった自分が誘拐されたときに見た、おぼろげな記憶。あの色彩の壁は、いったい何だったのだろうか――その謎は、いつも藍葉の中にくすぶっていた。ある日、届け物を依頼されたという私立探偵・みどりが現れ、「以前は、大変なご迷惑をおかけしました」というメッセージと100万円を渡される。かつての誘拐事件しか心当たりのない藍葉は、みどりに誘拐事件の犯人・朱里の捜索を依頼する。当時、誘拐事件はわずか2時間で解決されていた。藍葉の思い詰めた様子と自身の好奇心からみどりは朱里を捜し始め、藍葉は”色彩に満ちた部屋”の再現を試みる。己の”個性”と向き合う藍葉と、朱里の数奇な人生を辿っていくみどりはやがて、誘拐事件の隠された真相に近づいていくが――。 +++ 母親にネグレクトされ、しかも誘拐された経験のある17歳の藍葉の物語なのだが、ひょんなことから関わることになった私立探偵のみどりの物語でもある。藍葉を誘拐した犯人・朱里を探すうちに、別の扉が次々に開かれるように新たな展開が生まれ、併せて藍葉の色彩に関する認識も深まっていく。そして、双方が相まって、事の真実に近づいていくのである。一見関係なさそうな事件十色。実はそこには特定の人にしかわからない深いかかわりがあったのである。藍葉とみどりと朱里、不思議な縁で繋がった彼女たちの人生の物語と言ってもいい一冊だった。

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2022/06/07

【全ての謎が解き明かされる時、世界は色彩を取り戻す】 誘拐された過去を持つ藍葉は、謎の夢に悩まされる中、かつての誘拐犯·朱里を捜索する為、私立探偵·みどりに依頼する物語。 己の見える世界と他者が見える世界はもしかしたら異なる物かも知れない。 誘拐事件がきっかけで、色を16進数...

【全ての謎が解き明かされる時、世界は色彩を取り戻す】 誘拐された過去を持つ藍葉は、謎の夢に悩まされる中、かつての誘拐犯·朱里を捜索する為、私立探偵·みどりに依頼する物語。 己の見える世界と他者が見える世界はもしかしたら異なる物かも知れない。 誘拐事件がきっかけで、色を16進数として捉え始める藍葉。 当然、そんな風に世界が見えていたら、満足な他者との意思疎通も図れる筈も無い。 そして、己をそんな境遇に追いやった朱里を見つけ出す為にみどりに依頼する。 色彩を軸に少しずつ繋がっていく謎と共に世界が色を取り戻していくのだ。

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2022/05/20

逸木さんの本は4作品目。感想はそれぞれ違うけれど、これを読んであらためてすごいなと思ったのは、どの作品も全部が新しいビジョンを提示してくることだ。ウェブエンジニアという経験と指向性がそうさせるのだろう。仮想現実、疑似恋愛、音楽、そして色。何よりもまずそのテーマに引き付けられるのが...

逸木さんの本は4作品目。感想はそれぞれ違うけれど、これを読んであらためてすごいなと思ったのは、どの作品も全部が新しいビジョンを提示してくることだ。ウェブエンジニアという経験と指向性がそうさせるのだろう。仮想現実、疑似恋愛、音楽、そして色。何よりもまずそのテーマに引き付けられるのが、僕が逸木さんの本を読む理由のひとつにもなっている。そして構成がうまい。物語に推進力がある。登場人物の魅力や小説としての完成度という部分ではまだ進化の余地はあると思っているのですが、それを補って余りあるほどに想いが伝わってくる小説だと感じます。 藍葉の色の捉え方がとても新鮮でした。

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2022/03/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ウェブデザイナーとして働く17歳の藍葉は、”混沌とした色彩の壁”の前に立つ夢をよく見る。 それは当時6歳だった自分が誘拐されたときに見た、おぼろげな記憶。 あの色彩の壁は、いったい何だったのだろうか―― その謎は、いつも藍葉の中にくすぶっていた。 ある日、届け物を依頼されたという私立探偵・みどりが現れ、「以前は、大変なご迷惑をおかけしました」というメッセージと100万円を渡される。 かつての誘拐事件しか心当たりのない藍葉は、みどりに誘拐事件の犯人・朱里の捜索を依頼する。 当時、誘拐事件はわずか2時間で解決されていた。 藍葉の思い詰めた様子と自身の好奇心からみどりは朱里を捜し始め、藍葉は”色彩に満ちた部屋”の再現を試みる。 己の”個性”と向き合う藍葉と、朱里の数奇な人生を辿っていくみどりはやがて、誘拐事件の隠された真相に近づいていくが――。 (アマゾンより引用) 色の表現の仕方が分かりやすくていいな、と思った

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2022/02/03

久しぶりの現代ミステリに心踊らせながら読了。 著者のデビュー作の『虹を待つ彼女』は、主人公が嫌いで嫌いで仕方ないんだけれど、それでも読み進めていってしまう謎の引っ張り方と、鋭い痛みと恍惚が心の中でぐちゃぐちゃに混ざったようなラストシーンが印象的だった。 今回の二人の主人公は私に...

久しぶりの現代ミステリに心踊らせながら読了。 著者のデビュー作の『虹を待つ彼女』は、主人公が嫌いで嫌いで仕方ないんだけれど、それでも読み進めていってしまう謎の引っ張り方と、鋭い痛みと恍惚が心の中でぐちゃぐちゃに混ざったようなラストシーンが印象的だった。 今回の二人の主人公は私には好感度が高い。 17歳のデザイナー、藍葉と30代の探偵、みどり。 藍葉が自分が6歳のころ誘拐された時の犯人に会いたいから捜してくれ、と、みどりの所属する探偵事務所に依頼した。 藍葉は不器用でピュアな性格で、空気も読めない。 みどりは京大出身の秀才で世慣れているが、自分でも制御できない、暗い好奇心がある。 ふたりの一人称がランダムに章立てされ、先の見えない展開にハラハラしっぱなしだった。 今回もラストシーンは鮮やかな印象を残す。 ひととひとが出会うってことは、化学反応のように、様々な効果を及ぼすんだねえ、と思った。 色が主張しあい、補完しあい、混ざり合い、ひとつの絵が出来上がって行く。 その絵が美しいと思えるかどうかが、良いミステリとそうでないミステリの分かれ道なのだろうか。

Posted byブクログ