ヒロシマ・パラドクス の商品レビュー
研究者である根本氏が、広島における原爆を巡る歴史、そこにおいて起きた事象、原水爆禁止運動の盛り上がりとその分裂、被曝体験を語り伝える語り部たちの存在とその意義の変遷、被爆者自身、身体に「ホウシャノウ」、「被爆」の傷痕を持ち苦しむ人、あの日に友を亡くした喪失感に囚われる人などを取り...
研究者である根本氏が、広島における原爆を巡る歴史、そこにおいて起きた事象、原水爆禁止運動の盛り上がりとその分裂、被曝体験を語り伝える語り部たちの存在とその意義の変遷、被爆者自身、身体に「ホウシャノウ」、「被爆」の傷痕を持ち苦しむ人、あの日に友を亡くした喪失感に囚われる人などを取り上げ、「ヒロシマ」がどう捉えられてきたか?を考える。 来年は戦後八十年となる。 原爆はその悲惨な被害を語るところから始まり、アメリカの原爆開発から投下までの経緯、原爆がどのようにして広島や長崎の街と人を破壊したのかというメカニズムの話、自身の被爆体験を語る語り部だけでなく、語り部とならなかった人たちの物語、被爆二世と呼ばれる次世代の人たちの話など、年を追う毎にその観点や手法を変えて語られてきた。 本書はそういう「原爆」を巡る周囲の動きを客観的に捉えて、語り直そうとしているようにも思える。
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