また、同じ夢を見ていた の商品レビュー
「人生とは……」
住野氏の独特な感性で描かれる不思議な世界観。その世界観で満たされる物語。これは至福?――とは少し違う感覚に陥っていく。
住野氏の作品全般に言えることと感じてはいるのだが、この“ならでは”の世界観はいつでも、優しくて、柔らかで、分かりやすい言葉使いと共に、構築されてい...
住野氏の独特な感性で描かれる不思議な世界観。その世界観で満たされる物語。これは至福?――とは少し違う感覚に陥っていく。
住野氏の作品全般に言えることと感じてはいるのだが、この“ならでは”の世界観はいつでも、優しくて、柔らかで、分かりやすい言葉使いと共に、構築されていく。
この作品もまた彼女のそんな柔和な筆致で綴られる。ただその柔和さとは裏腹に、硬派な一面も垣間見せるのが“住野流”だ。
現代社会の或いは人の生き方に対する現実的かつ建設的な問題意識そして地に足のついた考察が、物語を下支えし、それが礎となり作品に深みを与えていると感じさせる。
ひとりの幼き少女の物語ではあるけれど、決してそれだけには留まらない、誰もが感銘できる奥行きを魅せてくる。
後戻りのできない時間の中でしか我々は生きられない。そしてその過ぎゆく時の中で沢山の物事や人と巡り合い、経験をし、悩み、考え、生きていく。それら一つひとつに意味があるかは分からない。でも意味を探してみようとする――それは謙虚さであったり誠実さなのかもしれないが――そんな心構えがあっても、人生において損にはならないのだろう。一期一会の意味を探す意思を忘れないようにと。
と同時に後悔のない人生などないのかもしれない。それでもこの先に後悔が生まれないように、努力することはできる。考えて行動する。“人生とは……”そういうものであった方が、より“人生”―物語の中で例えられたもの全てが味わい深くなるもの―なんじゃないかと……。
この物語はそんなことを、決して押し付けがましくなく、それでいて力強い意志をもって、そして少しだけ“生きてきた”時間を巻き戻してくれたかのように、伝えてくれていると感じさせられた。
「住野よる」。本当に不思議な作家だ。
気が付くと物語に魅了されていて、気が付くと“味をしめた”潜在欲求が彼女の作品を幾度となく手に取らせている。そうやって何度も彼女が紡ぐ物語に浸ることを重ね、やめられずにいる。
“生きた”結果として得られたこの物語もまた、一期一会なのだろう。
「また、同じ夢を……」か。
ぴーす
あ
これはほんとにえぐい、住野よるで1番好き。途中なにこれってシーンがあるけど最後にわかって、最高。これは人生で絶対に読んだ方がいい、呼んで後悔は絶対しないと思う。
中坊
- 1
