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送り火 の商品レビュー

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109件のお客様レビュー

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2026/03/29

田舎の悪 田舎にある悪を描いた作品。規模が小さな社会集団では、人間の悪は目に見えやすい。学校や村社会でこそ、いじめは露骨である。主人公の歩は、都会でも地方でも暮らした転勤族の子で、中学生らしからぬ豊富な社会知識と論理的な思考力を持つ。でも、田舎の悪とその恐怖については物語の最後...

田舎の悪 田舎にある悪を描いた作品。規模が小さな社会集団では、人間の悪は目に見えやすい。学校や村社会でこそ、いじめは露骨である。主人公の歩は、都会でも地方でも暮らした転勤族の子で、中学生らしからぬ豊富な社会知識と論理的な思考力を持つ。でも、田舎の悪とその恐怖については物語の最後の最後まで気づかない。事態の傍観者でいるつもりでいて、実は鈍感であり、殺意を抱かれるに至る。読者も歩の視点で話を辿るので、結末の急激な展開に驚かされてしまう。非常によく組み立てられた作品だと思いました。

Posted byブクログ

2025/10/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

父親の転勤の関係で青森に引っ越してきた中学3年の歩という男の子の話。あっという間に馴染むが、学年に男子6人ということもあり、どんな時も一緒に過ごすこととなる。どの学校にもやんちゃな子はいるが、この学校にも晃というやんちゃな少年がいた。賭け事をしたり、いじめをしたり、歪んだ人間関係が構築されていく。最終的には、上学年に激しくいじめられた稔が、刃物を持って暴れ出す。晃や歩を狙う。歩は稔に、「最初からおめえが1番ムカついてたんだ!」と言われる始末。結局、いじめを常に傍観してる、自分は悪くないと思っている人に、苛立ちを感じるのかなと思った。

Posted byブクログ

2025/09/30

2018年芥川賞(上半期)受賞作 勝手な主観かもしれないが、 ①詳細な情景描写 ②影のある主人公の心の葛藤 ③いきなり終わる っていう芥川賞受賞作三銃士が満たされている 話としては中三の転校生が体験した『若気の至り』 のどかな日常が急転直下、暴力に転ずる ん〜好きになれない

Posted byブクログ

2025/09/04

中3の主人公歩が津軽へ転校しそこでできた仲間と共にときに暴力に近い遊びをし田舎に馴染みながら、最終的に先輩から仲間が暴力を受け、主人公もころされかけ?る。 徹底的な山間の描写、本筋と関係ない家族での祭りの参加や羽付きや銭湯や老人との付き合いなど…… 作者が予め話を決めて書いたとは...

中3の主人公歩が津軽へ転校しそこでできた仲間と共にときに暴力に近い遊びをし田舎に馴染みながら、最終的に先輩から仲間が暴力を受け、主人公もころされかけ?る。 徹底的な山間の描写、本筋と関係ない家族での祭りの参加や羽付きや銭湯や老人との付き合いなど…… 作者が予め話を決めて書いたとは思いにくい。 講評では描写力が評価されていて、確かにそこの現代ながら昭和の田舎の風景辺りは宮本輝さんを彷彿とさせる(最後は全然違うけど) 主人公が暴力を受ける最後はで何?て評価も分かるし、いじめられっ子がいじめっ子になってく暴力をの連続や、主人公の「豊かな沈黙」がいじめられっ子にとって一番ムカつくと言うのもわかる。

Posted byブクログ

2025/06/08

 東京から、父親の仕事の都合で、父親の実家青森の津軽地方の平川へ引っ越した中学3年生の歩は、その同級生と付き合うようになる。歩にとっては、3度目の新しい中学校だった。  同級生のリーダーの晃に「東京って、どった街なんず」と聞かれる。歩は「別にここと変わらないよ」と答えた。晃は「変...

 東京から、父親の仕事の都合で、父親の実家青森の津軽地方の平川へ引っ越した中学3年生の歩は、その同級生と付き合うようになる。歩にとっては、3度目の新しい中学校だった。  同級生のリーダーの晃に「東京って、どった街なんず」と聞かれる。歩は「別にここと変わらないよ」と答えた。晃は「変わらねってことはねぇだろう。テレビさ映る東京は、夢のような街だぜ」という。歩は不思議とすんなりと同級生の仲間に受け入れられた。歩は、たくみに空気を読むことができた。転校を繰り返したことで、その雰囲気を読むことに慣れたのだ。  グループリーダーの晃には、中学2年生の時に、10CM四方の鉄鋼で、同級生稔の頭部を殴打した。稔は命に別状はなかったが、7針縫う怪我をした。そんなことを同級生の女子が教えてくれた。稔は、やや小太りの、五分刈りの少年で、八の字の眉毛が気弱そうな印象を与える少年だった。  晃をクラスの委員長に推薦した歩は、晃に逆指名されて副委員長となる。父母は、そのことに驚き、安堵する。父親は「こりゃ。赤飯炊かないとな」とさえいう。  旧校舎の溜まり場では、花札を晃が親となって行われていた。そして、いつも稔が負けるのだった。晃はたくみで、そのうち歩はイカサマだとわかるようになる。晃は生物実験室から薬品を盗み出す。それで、悪ふざけを考える。手際がたくみだ。稔は、花札で負けて、いろんなものを買いにいかさせられる。また、稔をナイフを万引きさせる。そして、首締めみたいな遊びをして、晃は稔の意識を無くそうとするまでやる。藤間はそんな所作に怒る。晃はそんなことを気にしない。晃のいじめの手口は、屈折していた。  そして、村の祭りになると、晃の先輩、仁村が中心になって花札の遊びをする。負けたら、後ろ手を縛られ玉乗りする。転んだら、受け身も取れない。晃は中学1年の時にいじめられていたのだ。いじめと暴力の連鎖が受け継がれていく。晃も稔も怪我だらけになっている。暴力はひっそりと村の祭りで行われる。暴力さえもが祭りであり、受け継がれた伝統なのだ。  この村のたたづまい、自然の雰囲気などの描写がたくみである。そして、暴力シーンも陰惨である。 そんな中で、送り火が行われる。

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2024/11/07

何がいいのかさっぱりわからん。 多分この後歩の家族は関東に戻る予定を早めるだろう。生きていればだけど。

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2024/05/23

暴力的なシーンで主人公の子が考えていることのはずなのに、俯瞰して見てるような表現に状況は確かに分かりやすかったけど、中学生らしさというか、そういうのがなかったから、残念でした。 ただその分、どのような場面なのか、どんな暴力を受けているのか、分かりやすかったです。 最後の終わり方が...

暴力的なシーンで主人公の子が考えていることのはずなのに、俯瞰して見てるような表現に状況は確かに分かりやすかったけど、中学生らしさというか、そういうのがなかったから、残念でした。 ただその分、どのような場面なのか、どんな暴力を受けているのか、分かりやすかったです。 最後の終わり方が中途半端で、好きな方もいるんでしょうが、もう少し書いてほしかったな。

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2024/05/16

「白飯と娯楽をよこせ」 美しく豊かな自然と凄惨な人間たち。外から来た傍観者は許されない。ホラー純文学。

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2024/02/12

へば、真面目な本も読むよw ってな事で、高橋弘希の『送り火』 青森に転向してきた歩の青春の中での、田舎の習わし?の闇へと……。 逃れられない呪縛。 洗脳された上下支配関係。 そして壊滅的な幻想。 2018年77冊目

Posted byブクログ

2023/08/19

心象や風景の描写がとてもきれいな日本語で綴られている。 東北の田舎の夕暮れ時を描いた表現などは、書き写したいくらいで、作文のいいお手本だ。 劇的な結末については、好みが別れるところかもしれないが、よく推敲された細部の記述の心地よさは、それだけでも読む価値を提供していると思う。

Posted byブクログ