拳に聞け! の商品レビュー
拳からは何も聞こえませんでした。 シャレがひとつも面白くなく、僕には合わなかった。初の2/3でギブ。
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表紙の写真、タイトル、それに著者が塩田武士さんと来たら、当然バリバリ硬派のボクシング小説に違いない! と思ったら、なんということでしょう。漫才の掛け合いのような会話の軽妙さ、文章のリズムの軽快さがあるではありませんか! (劇的ビフォーアフターかよ!) 今回の〝匠〟である塩田...
表紙の写真、タイトル、それに著者が塩田武士さんと来たら、当然バリバリ硬派のボクシング小説に違いない! と思ったら、なんということでしょう。漫才の掛け合いのような会話の軽妙さ、文章のリズムの軽快さがあるではありませんか! (劇的ビフォーアフターかよ!) 今回の〝匠〟である塩田さん、『罪の声』と同一作者とは思えません。塩田さんの経験の為せる技なのか、「罪の声」が新聞記者の目だとすると、本作は「芸人」の目ですかね。 小さく古びたボクシングジムを舞台に繰り広げられる物語です。元芸人で便利屋の省吾、ジム会長・貞次郎と息子で期待の星・勇気、周囲を固める他の人物もとても個性的です。 シリアスと笑いの塩梅、いい加減さ、ボクシングのファイトシーンの迫力など、バランスよく人間味あふれています。そして、周りのみんなが勇気に、自らの再生を懸けて夢を託し、読み手も知らず知らずのうちに応援している気になりました。 拳に聞け!・・・最後は自分が努力し、積み重ねてきたものを信じ切るしかない! 本当にその通りですね。あらゆるスポーツ、仕事などの場面に共通する究極心理でしょう。 人情とスポーツのロマンを味わえる、コテコテの大阪ボクシングジム繁盛記、がピッタリな物語でした。
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下町の貧乏ジムというと「明日のジョー」を思い浮かべるけど、ここは大阪やねんな。 元芸人が、貧乏ジムで、将来あるボクサーをサポートする。 自身の夢と重ねながら… というセンチな部分は根底にあるけど、ボクシングのパンチと同じく、鋭いボケとツッコミが炸裂するのに親近感。 塩田さんの作品...
下町の貧乏ジムというと「明日のジョー」を思い浮かべるけど、ここは大阪やねんな。 元芸人が、貧乏ジムで、将来あるボクサーをサポートする。 自身の夢と重ねながら… というセンチな部分は根底にあるけど、ボクシングのパンチと同じく、鋭いボケとツッコミが炸裂するのに親近感。 塩田さんの作品は、関西弁が生きてて凄い。 ボクシングにしても、芸人にしても、何にしても、夢は簡単に捨てたらあかんねんな… 激しい拳闘シーンもあるけど、この言葉で中和されてええ感じ。 日本チャンピオンになってな! M-1優勝してな! 解説にもあるように、会話が面白い! 「あんた誰やねん?」 「ビル・ゲイツの遠縁のもんです」 「えらい距離ありそうやな」 でも、関西全員が、ボケとツッコミ出来る訳ではないので注意!(^-^)v
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下町の貧乏ボクシングジムの息子がチャンピオンを目指し、主人公が自分のこれまでの生き方を青年に投影しながらサポートする。騙し絵の牙の作者であることから手に取った。ベタな展開ながらベタであるが故に最後まで物語に引き込まれた。特に最後の試合の場面は一気読み必至です。作者による上手いキャ...
下町の貧乏ボクシングジムの息子がチャンピオンを目指し、主人公が自分のこれまでの生き方を青年に投影しながらサポートする。騙し絵の牙の作者であることから手に取った。ベタな展開ながらベタであるが故に最後まで物語に引き込まれた。特に最後の試合の場面は一気読み必至です。作者による上手いキャラ作りが本作でも発揮されています。お笑い芸人とボクサーという一見接点がなさそうな二人が励まし合い前に進む展開が熱いです。前半で張った伏線、ミステリー要素もを後半できれいに回収してくれます。 笑わせてくれるキャラを揃えた割には作者ならではのギャグが控えめなのは大いに不満。ピルゲイツにクスリとした程度。終盤にシリアスにフェードアウトしてしまったベンにはもう少し活躍して欲しかった。ギャグについては別の作品に期待したい。
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舞台は大阪の寂れたボクシングジム。 そこに集まるのは、挫折し、夢を追えなくなった大人達。その大人達が1人の優しき青年、勇気に想いを託し、願いを込めて、リングへ送り出す。 勇気の成長。勇気に夢を託し、夢に加担し、変わっていく大人達の姿が胸を熱くする。 いわゆるスポ根ものに近いかも...
舞台は大阪の寂れたボクシングジム。 そこに集まるのは、挫折し、夢を追えなくなった大人達。その大人達が1人の優しき青年、勇気に想いを託し、願いを込めて、リングへ送り出す。 勇気の成長。勇気に夢を託し、夢に加担し、変わっていく大人達の姿が胸を熱くする。 いわゆるスポ根ものに近いかも。読んでるうちに胸が熱くなり、力をもらえる。好きなやつ。 大阪ならではの笑いのある軽妙なやり取りも魅力的。
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個人的には主人公・省吾の書かれぶりや「だめな人」への寛容な雰囲気、ぐだぐだに弛緩する空気、なかなか振り切ったボケ(優香の思い出話に対する省吾のツッコミが秀逸)を気持ちよく読んだので満足しているが、他人にはまず薦めない出来の作品でもある。「僕、練りもん苦手なんです」とか言わない人だ...
個人的には主人公・省吾の書かれぶりや「だめな人」への寛容な雰囲気、ぐだぐだに弛緩する空気、なかなか振り切ったボケ(優香の思い出話に対する省吾のツッコミが秀逸)を気持ちよく読んだので満足しているが、他人にはまず薦めない出来の作品でもある。「僕、練りもん苦手なんです」とか言わない人だけが読むとよい。
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こういう人情スポ魂ものも書けるんだ塩田武士。面白くて一気に読んだ。登場人物の描写もいいし、人間関係の組み立て方もうまいし、やっぱり会話がテンポよく可笑しみがあって大きな魅力になってる。帰ってきてくれたオヤジの愛弟子のシーンと、「拳に聞け!」のシーンは興奮した。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ボクシング関係のコンテンツは好きで(詳しいわけではないです……)、映画や漫画などは良く手に取っていましたが、ボクシングを題材にした小説は「西野に世界は無理だろう」という作品しか読んでいなかったようです(ブクログの記録調べ)。 で、本作を手に取ってみたのですが、ボクシング小説というよりは一度挫折した人達が再び立ち上がるお話という印象が強いですかね。 中心になっているのは勇気のボクシング話ですが、主人公の省吾や優香、貞次郎など、各登場人物にたびたびスポットライトが当たることがあるので、群像劇かな、と。彼らに共通しているのは、人生において何かに躓いて一度は諦めた何かを再び目指すところだったので、先のような印象を抱いた次第。 なので、最初はボクシングの話だけを期待していたために肩透かしを食らってしまいました。しかし、節々に差し込まれた笑いの要素がじわじわとボディブローのように響いて来、登場人物に特別な才能を持った人がいないという等身大なところに由来する共感から、少しずつ作品に没頭していきました。 終盤の勇気のボクサーとしての急成長は少し出来すぎに感じましたが、クライマックスの日本タイトルマッチは固唾をのんで見守るように読みふけってしまいました。久々に熱くなって読んだ作品でした。
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3cm×15cmほどの新聞広告に心が揺らいだ。本屋に行くと、探すまでもなく平台にサイン本が置かれていた。 チャンピオンを目指す若いボクサーがいる。周りを囲む人々は、各々に「湿った人生」を抱えている。若いボクサーが一段ごと階段を上がるたびに、周りの人々も湿った人生を一つづつ、し...
3cm×15cmほどの新聞広告に心が揺らいだ。本屋に行くと、探すまでもなく平台にサイン本が置かれていた。 チャンピオンを目指す若いボクサーがいる。周りを囲む人々は、各々に「湿った人生」を抱えている。若いボクサーが一段ごと階段を上がるたびに、周りの人々も湿った人生を一つづつ、しばいていく。夢をしばきあげるために、主人公が、スポットライトの中に飛び出していく光景が目に浮かぶ。よし、俺も走り出すか! サイン本には『湿った人生しばいたれ!!』と書かれていました。
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